東野篤子筑波大学教授

2025年3月13日・第217回国会 参議院 予算委員会公聴会 第1号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 206 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 231 発言)

大変貴重な質問をありがとうございます。

まさに、このSNSがどのように使われるのかということと、SNSがどのように悪用されるのか、あるいは捏造されるのかということに関して、ロシアによるウクライナ侵略は多くの示唆を与えてくれるというふうに私は考えています。

例えば、プーチン大統領がこのようなことを言ったというようなフェイク画像も出てきたら、それに対抗するかのようにゼレンスキー大統領が、御指摘のとおり、言ってもいないことをさも言ったかのように口の動きもぴったりと合わせて、そういった画像が出てくるということもありますので、この戦争はもうしょっぱなから情報戦だったり認知戦だったりというような側面が非常に強いというふうに考えております。

こういったフェイクをどのように見破るのかということに関して、ウクライナの中で元々そこに対して、そのフェイクを見破るためのツールですとか、そのための強力な組織体があったということではなく、戦争のプロセスにおいて徐々に強化されていったという側面はあります。

ただ、これはやはり日進月歩でありますので、対策をすればそれに対して反対に対策をされてしまうというようなこともあり、なかなか完璧を期すことはできないのですが、私の専門としているヨーロッパでいうと、ディスインフォEUという、例えばこういった組織、欧州委員会の中で立ち上げました。例えばゼレンスキー大統領がどこどこに別荘を買ったですとか、ゼレンスキー大統領の夫人がどこで物すごいショッピングをしていたとかですね、そういった偽情報はいつも至る所に出てくるわけですけれども、そういったウクライナに関する、あるいはヨーロッパに関する偽情報が出てきたときに欧州委員会が主導する形で、これはこのような形で偽情報だということが分かっていますということをSNS上で発信しています。なので、ウクライナのみならず、ウクライナを支援するEUとしても、こういった偽情報の対策には乗り出しているということなんです。

ただ、私はいつもそのEUディスインフォというサイトも必ずチェックをして見ているんですけど、いま一つアクセス数が伸び悩んでいるのではないかということがあります。つまり、お上がやっているファクトチェックなどはなかなか人々の目に留まりにくいといいますか、そこを丁寧にチェックするのはもしかしたら一部の限られた人かもしれず、学者や研究者に限られるのかもしれず、あるいは当局者に限られるのかもしれません。

なので、これをどのように普及させていき、ファクトチェックをデイリーなものとして社会に受け入れさせるのかということは大きな課題だということで、まだウクライナ、EUはそこを乗り越えているわけではないというふうに考えています。今後の課題として、私も勉強させていただきたいと思います。ありがとうございます。

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