時間の指定ですとか場所の管理等の要件を勘案をして総合的に判断するということですけれども、どのように労働者性を的確に把握するのかということとともに、労災防止の取組も一層重要さが増してきているというふうに思うんです。
農業における労災の発生も、就業者十万人当たり死亡事故者数も上昇傾向で、他産業と比べても高い状態が継続しています。
二〇二四年の要因別の死亡事故発生状況を見ますと、農業機械作業によるものが百五十六人と全体の半分以上で、その要因は、機械の転落、転倒が八十二人、五二・六%を占めています。特徴的なのは、この死亡者数の年齢構成なのですけれども、やはり六十五歳以上の高齢者の事故が八六・四%を占めているということです。
農業分野の就業者数が減少する一方で、雇用者の割合は増加傾向にあることから、労災防止をどう進めるのか、特に高齢者への労災防止の取組が急がれていると思います。人手不足解消のために、地域おこし協力隊ですとか、スポットワーク、外国人など、非正規の雇用者、産地間の連携バイト、一日農業バイト、副業、農福連携など、様々な働き方がされていますけれども、経験年数少なくて、そして習熟していない従業員による事故も発生していると聞いています。
労災保険の特性上、対象者が増えれば保険給付も増加し、結果として、保険料負担の増加や事務コストの増加、将来的な制度の維持費の上昇につながりかねません。ましてや、先ほど述べたように、農業分野では、人の確保が困難な中、既に、経験が少ない、あるいはないというスポットワーカー等による労働者がいまして、この後取り上げますけれども、特別加入の法定化でこうした労働者が増えることになれば、なおさらのことだというふうに思うんです。事故の増加、厳しい経営状態の下で、保険料の負担などによって就業者の減少につながってしまうことになれば、本末転倒だというふうに思います。
そこでお聞きしたいんですけれども、どのように労災防止に取り組むのか。それから、事業者からは、保険料や事務手続による負担が増えることや労働者性をどう判断するのかといったことに不安の声が寄せられています。QアンドAを作成するなど、労働者に該当するか否かが分かるような考え方を示すとともに、周知が必要だと思いますが、どう対応していくおつもりなのか、お示しください。
185岸岸本武史厚生労働省労働基準局長
お答えいたします。
御指摘のとおり、現行制度におきましては、農林水産業の小規模な個人経営の事業の一部につきましては暫定任意適用事業とされているところでございます。
こうした中で、これまでの取組といたしましては、まず、暫定任意適用事業、任意適用は可能でございますので、労災保険の任意加入の案内をいたしまして、また、特別加入等の対象となる事業主の方への特別加入の周知、これ、事業主の方が特別加入をされている場合には、そこで人を雇っていらっしゃる場合には、五人未満でもその雇っていらっしゃる方も労災保険に入っていただくと、適用事業になると、こういう仕組みでござい…
この発言のページ
186
白川容子(共産)
適用上の課題について、私、質問をいたしましたその課題について、どう解消されたのかという明確な御答弁はなかったんですけれども、人材確保のためだという答弁がございました。
これは、二〇二四年の食料・農業・農村基本法の改定で、農業経営の基盤強化を図るために雇用の確保に資する労働環境の整備が規定をされて、その背景として、少子高齢化等の影響により人材確保が、獲得が全産業の共通の課題となる中で、雇用労働力を確保するためには、他産業と比較しても遜色のない農業の労働環境の整備が重要な課題、こういうふうに認識があったこと、そのことが反映されたものだというふうに思っていま…
この発言のページ
187岸岸本武史厚生労働省労働基準局長
お答えいたします。
労災保険法は労働者を使用する事業を適用事業としておりますが、労働者に該当するか否かにつきましては、働く場所と時間が指定、管理をされているかなど労働の実態を考慮をして、必ずしもその契約の名称だとかにとらわれるわけではなく、実態によって判断をしていくという考え方でございます。
この個別のケースごとの総合判断となりますが、その上で、業務や通勤に起因する災害であると認められる場合には労災保険給付の対象となるというものでございます。
また、労働者に客観的に該当するにもかかわらず労働保険の成立手続を怠っていた場合には、原則として時効の範囲内…
この発言のページ
- (上の発言)
188
白川容子(共産)
時間の指定ですとか場所の管理等の要件を勘案をして総合的に判断するということですけれども、どのように労働者性を的確に把握するのかということとともに、労災防止の取組も一層重要さが増してきているというふうに思うんです。
農業における労災の発生も、就業者十万人当たり死亡事故者数も上昇傾向で、他産業と比べても高い状態が継続しています。
二〇二四年の要因別の死亡事故発生状況を見ますと、農業機械作業によるものが百五十六人と全体の半分以上で、その要因は、機械の転落、転倒が八十二人、五二・六%を占めています。特徴的なのは、この死亡者数の年齢構成なのですけれども、やはり六十五歳以上の高齢者の事故が八六・四%を占めているということです。
農業分野の就業者数が減少する一方で、雇用者の割合は増加傾向にあることから、労災防止をどう進めるのか、特に高齢者への労災防止の取組が急がれていると思います。人手不足解消のために、地域おこし協力隊ですとか、スポットワーク、外国人など、非正規の雇用者、産地間の連携バイト、一日農業バイト、副業、農福連携など、様々な働き方がされていますけれども、経験年数少なくて、そして習熟していない従業員による事故も発生していると聞いています。
労災保険の特性上、対象者が増えれば保険給付も増加し、結果として、保険料負担の増加や事務コストの増加、将来的な制度の維持費の上昇につながりかねません。ましてや、先ほど述べたように、農業分野では、人の確保が困難な中、既に、経験が少ない、あるいはないというスポットワーカー等による労働者がいまして、この後取り上げますけれども、特別加入の法定化でこうした労働者が増えることになれば、なおさらのことだというふうに思うんです。事故の増加、厳しい経営状態の下で、保険料の負担などによって就業者の減少につながってしまうことになれば、本末転倒だというふうに思います。
そこでお聞きしたいんですけれども、どのように労災防止に取り組むのか。それから、事業者からは、保険料や事務手続による負担が増えることや労働者性をどう判断するのかといったことに不安の声が寄せられています。QアンドAを作成するなど、労働者に該当するか否かが分かるような考え方を示すとともに、周知が必要だと思いますが、どう対応していくおつもりなのか、お示しください。
189
上野賢一郎(自民)厚生労働大臣
まず、労働災害防止対策でありますけれども、農業での労働災害防止対策については、災害発生事業場等への指導などに加えまして、事故の多い高所作業での墜落防止、農業機械の転落防止、刈り払い機による切れ、こすれの防止等について、農水省と連携をして事業者、労働者それぞれが講ずべき対策を分かりやすくまとめた研修資料を作成をいたしまして、その周知に努めているところであります。
また、労働者性の判断でございますけれども、先ほど局長からも答弁がありましたけれども、労働者に該当するか否かについては、働く場所と時間が指定、管理されているかなど実態に関する諸要素を勘案して総合的…
この発言のページ
190
白川容子(共産)
今後、労働者性の判断に関するリーフレット等を作成するということでありますけれども、現場に混乱が生じないようにしっかりと対応していただきたいというふうに思います。
でも、そもそもなぜここまで農業の担い手が減少してしまったのかと。私は、農業で生計を立てることが難しいために担い手が減ってしまっているのだろうというふうに思います。労災の適用の義務化など、やっぱり、雇用環境を整えることも必要ですけれども、他産業に比べて遜色のない収入が得られることにすることこそが求められていると思います。
また、継続的に事業が行われるように、こういうところを手厚くすれば人の定着…
この発言のページ
191
上野賢一郎(自民)厚生労働大臣
労働者該当性につきましては、先ほど来答弁をさせていただいているとおりでございますけれども、雇用契約によらずに働く場合に、業種、業態によって指導、指揮監督の態様なども様々でありますので、やはり総合的に個々の労働実態を踏まえて判断することが必要であります。
そのためには、個々の労働実態を踏まえずに労働者性を判断することや、プラットフォームを提供する企業を一律に使用者と判断することは適切ではないと考えているところであります。
その上で、形式上は請負や委任の契約形態となっていても、特別加入を希望される方が実態として労働者と同様の働き方をしている場合は労働基準…
この発言のページ