渡辺努東京大学大学院経済学研究科教授

2025年2月25日・第217回国会 衆議院 予算委員会公聴会 第1号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 54 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 243 発言)

繰り返しになりますけれども、大事なことは、下請法とかそういう法律をしっかり変えていく、価格転嫁をしやすいような環境というのを整えていく。今でも公取とかはガイドラインを示して賃上げ分の価格転嫁を推進しようとしていますけれども、そういうものを引き続き徹底していくということが一つ大事なことかと思います。その意味では、政策的な介入というのがここの部分は必要だというふうに思います。

ただ、それはどちらかというと当面のお話でして、中長期的に見ると、先ほどのどなたかの御質問にも関係がありますけれども、中長期的に見ると、やはり、どの地域であれ、東京も含めてですけれども、どの産業であれ、企業の数が多過ぎるというのが最大の問題なんだというふうに思います。多過ぎるがゆえにある種の過当競争になっていて、多過ぎるがゆえにやはり健全な価格転嫁ができないということが起きてしまっているんだというふうに思います。

なので、いろいろな産業、いろいろな地域において、やはりどうしても企業の数を減らすようなフェーズというのがこれから始まっていきますので、そこで健全な価格転嫁が生まれてきますけれども、同時に、しかし、企業が数を減らすわけですので、ここも、誰かさんの企業はなくなっちゃっていて、なかなかその方がほかの企業にすっと移るというわけにはいかないというような、そういう事情というのも個々には出てくるだろうというふうに思います。ここもやはり市場メカニズムではカバーし切れない部分ですので、政策的に手当てが必要な部分なんだというふうに思います。

繰り返しますが、やはり移行期ですので、いろいろなところでなかなかうまく移行に乗っかれない人たちが出てきますので、それをしっかりと見て、政策的な手だてを財政資金なども含めてやっていくということが非常に大事な局面にあるかというふうに思います。

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