石川智也西村あさひ法律事務所・外国法共同事業パートナー弁護士

2026年6月19日・第221回国会 参議院 デジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会 第6号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 75 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 123 発言)

御質問ありがとうございます。

まず、欧州の方が細かくて日本の方がざっくりしているということについては、むしろ法制としては逆ではないかなというふうに思っています。それは、EUのGDPRというのはプリンシプルベース、原則ベースで非常にシンプルな内容になっています。他方で、日本の法律は例外を全部個別に列挙するしかないので、そうすると、三十条の二に括弧が何個あるのかということを見てもらえれば分かるように、非常に複雑な法制になっているというところで少し違いがあるのかなというふうに思っています。

課徴金の点に関しては、確かに金額として二千万ユーロ又は全世界売上高の前事業年度の四%、これが最高金額になっているということではあるんですが、お配りした資料にも少しグラフで載せてありますように、実際に科されている金額というのは数千ユーロ、数万ユーロ、数十万ユーロぐらいのものがほとんどであります。もちろん、すごく厳しいものについては日本円でいうと数百億円みたいなものも決定として出ることはあるんですが、通常はその後、裁判で争われていて、まだ結論が出ていないものも相当程度あります。

その意味でいうと、GDPRの制裁金、見た目は非常に大きく科されているように見えるんですけれども、実務としては今私が申し上げたような金額感のものがほとんどではありまして、そうすると、例えば数万ユーロとか、もうちょっとぐらいの金額でいうと、日本の制裁金で科したときの利得とそんなに変わらないということも十分起こり得るわけではありまして、その意味ではこのGDPRの最大額を基に議論するというのは少しちょっと大げさかなというふうに思っております。

そして、外資の企業の受け止めなんですけれども、確かに制裁金、課徴金がある方が嫌だということはあるかもしれませんけれども、日本のマーケットのことをよく知っている事業者、これは外資の事業者でも非常にレピュテーションを気にします。ですから、指導、公表、これだけでも非常に甚大なダメージがあり得るわけで、そういった意味でも既存の指導、勧告の文脈も十分に抑止力として機能しているところはあるのかなというふうに思っています。

以上です。

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