川名晋史大東文化大学法学部政治学科教授

2026年7月3日・第221回国会 参議院 沖縄・北方問題及び地方に関する特別委員会 第6号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 55 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 83 発言)

梅村議員、ありがとうございます。貴重な時間を頂戴します。

端的に申し上げます。私が時間不足で申し上げられなかった重要な点は、アメリカはこの那覇空港を、辺野古の滑走路は短いので、その分を那覇空港で穴埋めするということを恐らく考えているんだろうと思います。このことは、資料が少しずつ出てきておりますけれども、一九九〇年代から、つまりSACO合意の辺りから、当初から那覇空港というものが想定されていたんだろうというふうに私は考えております。

じゃ、仮にこの那覇空港を辺野古の滑走路の短い分の穴埋めとして使いますと、かつ、ここを米軍だけではなくて国連軍も使いますということになったときに、どういう問題について我々は知っておかなければいけないかということです。

まず、国連軍、日本にいる国連軍というのは、彼らの仕事というのはかなり限定されていて、ロジだけです。ロジをやるということなんです。ロジと言われてもなかなかぴんとこないわけなんですが、具体的には輸送任務を彼らはメインで引き受けることになるだろうと思います。今のC17とか大型の輸送機というのは、基本的には二千五百メートルとか、必要ならば三千メートルぐらいの滑走路が必要で、それを満たすのは那覇空港なわけです。辺野古ではもちろん駄目なんですね。ということで、国連軍もまた那覇空港を使って、例えば朝鮮有事あるいは極東有事というふうに彼らが考えている、そこには当然台湾問題も含まれると思いますけれども、そうした有事が起きたときに国連軍が機動し、アメリカを中心としてそこからオペレーションを行うときに、国連軍は那覇空港から米軍あるいは国連軍に対して輸送支援をするでしょう。

そのときに、先ほど私は米軍はもう既に那覇空港を使えますというふうに申し上げました。これは、重ねて申し上げますと、日米地位協定第五条を根拠に既に使えます。しかし、国連軍である例えばフランス軍とかオーストラリア軍とかフィリピン軍というのは、那覇空港は使えません。国連軍地位協定上、彼らは民間の飛行場を使えませんので、さあそこで困ったということになるわけです。那覇空港を使って恐らく支援をするでしょう。しかし、その法的根拠がないと。このことを恐らくアメリカはずっと言ってきているのではないかなというふうに想像しますが、ですから、事前に国連軍の合同会議を開催をして、そして那覇空港を国連軍基地に指定するという作業が有事の前の段階でなされる必要があるでしょう。

そこまではいいとして、じゃ、そこでどういう問題が生じるかというと、まさに管理権の問題が掛かってきます。今の日本におけるこの米軍基地問題の多くは、例えばPFASの問題を含めて、管理権が米側にあるということです。諸外国の場合はそれがホストネーション側にあるがゆえに回避されている様々な問題が、米側に管理権があるがゆえに日本では顕在化し続けているという問題です。国連軍地位協定上、この管理権は、国連軍基地に指定されれば国連軍側に行きます。これはすなわち米軍ということでもあるでしょうけれども。

したがいまして、今、普天間で起きていること、あるいは嘉手納で起きていること、ここで起きている管理権に由来するような問題がそのまま人流と物流の拠点である那覇空港に持ち込まれ得るということです。このことを、恐らく、沖縄の米軍に対して寛容である人々も、やはりこれは沖縄経済に甚大な影響が出るおそれがありますから、なかなか容認できない可能性があるでしょうということをお伝えしたかったわけであります。

以上です。

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