仁比聡平 (日本共産党)

2026年7月16日・第221回国会 参議院 法務委員会 第21号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 272 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 282 発言)

私は、日本共産党を代表して、再審法政府改定案に反対、立憲、公明修正案に賛成の討論を行います。

政府案は、与野党を超える踏み込んだ質疑にもかかわらず、国民的な改正要求の出発点である再審における全面証拠開示、開始決定への検察官抗告全面禁止に背を向け、無辜の不処罰のための非常救済という再審制度本来の目的に逆行するものです。私は、この質疑終局、採決に断固反対しました。

一昨日、福井女子中学生殺害事件の冤罪被害者、前川彰司さんが急遽参考人質疑への出席を取りやめられたのは、十七日に成立するのなら行く意味がないと感じられたからだというのに、そのとおりに進めるというのか。参議院で再修正をという期待に背き、絶望を強いる政府案はこれからでも撤回し、超党派議連案の原点に立ち返った抜本改正を目指すべきです。

反対理由の第一は、新設する証拠提出命令が再審請求理由との関連性を要件とし、再審請求者への直接開示は認めない不当なもので、これでは、裁判所が職権で積極的な証拠開示を勧告、命令する場合もある現状よりも明らかに開示の範囲を狭める改悪になるからです。

再審無罪事件の多くで決め手になった証拠は、請求時に提出された新証拠ではなく、それまで捜査機関によって隠されてきた証拠です。再審請求では、検察官手持ち証拠を含む新旧全証拠を総合的に判断して、無罪を言い渡すべき明らかな証拠がないかが審理されるべきであり、裁判所が必要と認める証拠は全て開示されなければなりません。

裁判所による積極的な真相解明を促し、検察の不当な主張によって裁判官の手足が縛られないよう、請求人、弁護人の証拠開示請求権の保障は不可欠であり、証拠一覧表はそのための手掛かりです。

法務省は、職権主義だから証拠開示はできない、証拠一覧表は効果が限定的などと言いますが、再審制度が職権主義とされるのは、確定判決を覆してでも無辜の不処罰を図るべき非常救済手続だからであり、当事者の十分な権利保障と両立することは、当委員会の審議で明らかになったと考えます。

第二に、開示証拠について、手続又はその準備に使用する以外の目的という極めて曖昧な要件で罰則を科し、目的外使用を禁止することは、請求人、弁護人、救援運動を不当に制約し、萎縮的効果を生むからです。個人情報、プライバシーの保護の必要性は個々の証拠ごとに異なるのであり、検察官の意見も聞いた上で、裁判所が条件を付することによって解決すべきです。

第三に、政府案は、検察官不服申立てを原則禁止した、十分な根拠が例外と言いますが、結局、十分な根拠の判断主体は検察官、原則禁止は行為規範にすぎないというのであって、羊頭狗肉のそしりを免れないからです。

立憲、公明の修正案は、こうした政府案の重大点を解決しようとするもので、賛成です。戦後も死刑を含む幾多の冤罪が繰り返され、冤罪被害者は、仮に罪を晴らせたとしても、人生を丸ごと奪われる長い闘いを強いられてきました。日本国憲法の下、疑わしきは被告人の利益にの鉄則を全うし、人権救済の最後のとりでとなる再審制度へ何としても抜本改正を進めるために奮闘する決意をもって、反対討論といたします。

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