佐藤淳法務省刑事局長

2026年7月16日・第221回国会 参議院 法務委員会 第21号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 88 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 282 発言)

お答えいたします。

まず、一般論として申し上げますと、検察官は、委員御案内のとおり、個々の検察官に検察官としての権限があるわけでありますけれども、検察当局におきましては、そうはいいながらも、個別事件について、適正、妥当かつ公平な検察権行使を実現するとともに、上司による決裁を通じた部下検察官の指導、育成を図るといった観点から決裁制度が設けられているところでございます。

その上で、個別事件の決裁におきまして、部下検察官が担当する事件記録の内容を上司がどの程度把握するかにつきましては、個々の事件の内容や訴訟経過などによって大きく異なるものでございまして、一概にお答えすることは困難でありますが、一般論として申し上げれば、個々の事件で検察権を実際に行使する主任検察官が事件記録を精読、検討し、上司は、その主任検察官からの相談、報告を通じまして必要かつ十分な範囲で事案の内容を把握するとともに、必要な指導を行うといった関係にございまして、通例複数、場合によっては極めて多数の部下検察官を指導監督する上司が部下検察官と同等に事件記録を精読することは事実上困難であるというのが実情でございます。

その上で、名古屋高検が七月十日に公表した御指摘の事件の調査結果報告書におきましては、第一次再審請求審に直接関与した検察官らの上司につきまして、請求人側が主張する再審請求理由が存在するか否かが審理対象であったことに加え、多数の事件の、事案の決裁を行う決裁官が個々の事件記録の隅々まで精読、検討することは事実上困難ではあると指摘されているところ、これはこうした決裁制度を背景とした趣旨の記載であると理解しているところでございますけれども、もっとも、この報告書におきましては、そのような指摘と併せて、こうした上司らにおいては、担当検察官らを、担当検察官を監督する立場にある以上、結果としては、担当検察官らに対する指導が十分でなかったと言わざるを得ない旨指摘されているところでございまして、検察当局におきましても、上司らの指導監督の在り方が結果として適切なものではなかったと評価しているものと承知しているところでございます。

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