佐藤淳法務省刑事局長

2026年7月16日・第221回国会 参議院 法務委員会 第21号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 53 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 282 発言)

お答えいたします。

当然のことながら、証拠が改ざん、捏造されるようなことはあってはならないものと認識しておりまして、もとより、今御指摘のあったように、検察官が捏造であることを知りながら、証拠請求、あるいは証拠として、その証拠に基づいた評価などを主張するというのはあってはならないものでございまして、これは福井事件等と同じ論点であるというふうに理解しております。

したがいまして、適正な捜査・公判活動の遂行に努めなければならないというふうに考えておるところでございまして、今後ともその努力を続けていくものと考えているところでございます。

その上で、本法律案の証拠の提出命令制度におきましては、再審請求理由に関連すると認められる証拠を対象とすることとしております。再審請求審におきましては、それに先立つ通常審におきまして三審制の下で既に審理が行われておりまして、検察官の手持ち証拠についても刑事訴訟法の規定に従って既に開示を受けているところでございまして、確定判決において有罪認定の根拠となった証拠についても判示されているということでございます。

したがいまして、犯人でないのに有罪判決を受けた者であれば、確定判決のどこに問題があるかは把握できるのが通常であると考えられまして、それを前提として、通常どのような証拠が収集されるかを念頭に置きつつ、証拠の提出命令を請求することが可能であると考えております。

その上で、提出命令の対象となる証拠の特定につきましても、請求に係る証拠を識別できる程度のもので足りるということでございまして、その程度の特定を行うことは容易でございますし、再審請求者は、通常審と異なりまして、公判前整理手続を行った場合のような当該手続終了後の証拠調べ請求の制限などはありませんので、裁判所に対する提出命令の請求を順次行うことも可能でございます。そのような意味で、本法律案の証拠提出命令制度によりまして、審理に必要かつ十分な証拠が裁判所に提出されると考えているところでございます。

他方で、御指摘がありましたように、裁判所が再審請求理由との関連性を問わずに、収集された全ての証拠を対象として提出命令を発することができる制度につきましては、裁判所が再審請求理由について審理、判断するという再審請求審の審理の在り方であるとか手続構造といったものと整合しない上に、その関連性を問わずに証拠の提出の要否を判断することはそもそも困難であり、安定的な運用も確保できないといった問題があることから、相当でないと考えているところでございます。

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