ありがとうございます。
まず、田岡参考人は通常審の段階で主張関連証拠がかなり厳しく制限されているという御指摘をされましたけれども、まず、私自身はその認識と少し違うということを申し上げたいと思います。
通常審における主張関連証拠については、最高裁の取調べメモ等に関する判例も踏まえて、かなり幅広く出されているというふうに認識をしております。もちろん、最終的に主張関連証拠として開示命令が出される事例というのは多くなくて、もう検察官が裁判所がそういう姿勢を示せばもうどうせ命令が出るだろうと思って開示をするということなんですけれども、類型証拠に限らず、主張関連証拠についても私はかなり幅広く通常審で開示されているだろうと思います。
そうだといたしますと、再審請求理由、もちろん要件は微妙に違うわけですけれども、再審請求理由に関連する証拠というものも相当幅広く裁判所は認めていくことになるだろうというふうに思っております。
高平先生が出していただいた東電OL事件については、私自身、必ずしも十分に事案を理解し切れていない部分があるかもしれませんけれども、その犯行時に被告人の方がその場にいたことに疑いがあるというような新証拠を出して再審請求理由を掛けた場合に、その新証拠によってその旧証拠の一部が弾劾されて、本当に被告人はその場にいたんだろうかということに疑いが生じれば、他の旧証拠の証明力についても再評価をしないといけなくなるということになるわけです。
あの事案においては、被害者の方の身体等に体液等が残っているということが分かれば、それがどのような意味を持ってくるのかということも考える余地が出てくると思いますので、最初の新証拠によって直ちに関連性があるとまでは言い切れないとしても、今申し上げたような審理の経過にも応じて、再審請求理由に関連する証拠は広がっていくんだというふうに私は考えております。
以上です。
39田田岡直博香川県弁護士会弁護士
成瀬先生は関連性があるって言わないといけないから関連性をとにかく広げようとしていらっしゃいますけど、従来、我々は、それは関連性がないと思っていました。というのは、通常審では主張関連証拠開示で出てくる証拠の範囲というのは非常に狭くて、弁護人側で、その主張と関連することに加えて、必要性や相当性まで立証しなきゃいけないんですね。単に関連していれば全部開示されるという制度になってないわけです。
じゃ、何の必要があるんですかと言われると、それは見てみなきゃ分かりませんと私たち常に言ってきました。どんな証拠があるかも分からないのになぜ見せる必要があるんですかと言わ…
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40高高平奇恵一橋大学大学院法学研究科教授/弁護士
今、意見陳述の中でも申し上げましたが、関連性というのはどういうことかといいますと、その新証拠が弾劾している旧証拠が証明しようとする主要な事実が共通する証拠に関しては開示の対象になるというような考え方だと理解しています。
ちょっとこれ、袴田の例だったのにちょっと東電のことをお話しして恐縮なんですが、例えば、私の意見陳述の中で述べさせていただいた東京電力女子社員殺害事件なんかの場合だと、最初出した証拠というのは精子の状態なので、その犯行時刻に被告人がいましたというやつなんです。現場存在に関するものなんですね。じゃ、これ、どうやって広げていったら、その被害者…
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川合孝典(国民)
ありがとうございます。
今の田岡参考人と高平参考人の御意見に対して、成瀬参考人からは御意見ございますでしょうか。
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- (上の発言)
42成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
ありがとうございます。
まず、田岡参考人は通常審の段階で主張関連証拠がかなり厳しく制限されているという御指摘をされましたけれども、まず、私自身はその認識と少し違うということを申し上げたいと思います。
通常審における主張関連証拠については、最高裁の取調べメモ等に関する判例も踏まえて、かなり幅広く出されているというふうに認識をしております。もちろん、最終的に主張関連証拠として開示命令が出される事例というのは多くなくて、もう検察官が裁判所がそういう姿勢を示せばもうどうせ命令が出るだろうと思って開示をするということなんですけれども、類型証拠に限らず、主張関連証拠についても私はかなり幅広く通常審で開示されているだろうと思います。
そうだといたしますと、再審請求理由、もちろん要件は微妙に違うわけですけれども、再審請求理由に関連する証拠というものも相当幅広く裁判所は認めていくことになるだろうというふうに思っております。
高平先生が出していただいた東電OL事件については、私自身、必ずしも十分に事案を理解し切れていない部分があるかもしれませんけれども、その犯行時に被告人の方がその場にいたことに疑いがあるというような新証拠を出して再審請求理由を掛けた場合に、その新証拠によってその旧証拠の一部が弾劾されて、本当に被告人はその場にいたんだろうかということに疑いが生じれば、他の旧証拠の証明力についても再評価をしないといけなくなるということになるわけです。
あの事案においては、被害者の方の身体等に体液等が残っているということが分かれば、それがどのような意味を持ってくるのかということも考える余地が出てくると思いますので、最初の新証拠によって直ちに関連性があるとまでは言い切れないとしても、今申し上げたような審理の経過にも応じて、再審請求理由に関連する証拠は広がっていくんだというふうに私は考えております。
以上です。
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川合孝典(国民)
そのように成瀬参考人は想定されているということですね。
その辺りのところの受け止めということで、冒頭、田岡参考人や高平参考人がおっしゃっていたとおり、現実問題として、適正に手続が取られていればそもそも冤罪事件などというものは起こらないはずであり、それが生じてしまっていることのそもそもの理由がどこにあるのかというところがあった上で、かつ、いわゆる再審無罪判決が立て続けに出ていることで、検察に対するいわゆる国民の信頼が損なわれてしまっていることがそもそもの背景にあるわけですね。そうした状況の中で、要は、検察官が判断して、きちんと判断するから大丈夫だから任せ…
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44成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
お答え申し上げます。
先ほども少し申し上げたんですけれども、今回創設される証拠提出命令については、再審請求者に請求権が与えられております。ですので、裁判官自身が直ちには分からないとしても、再審請求人あるいは弁護人の側からこういうふうな再審請求理由であって、その関係でこういう証拠があるはずだから出してほしいという具体的な主張を踏まえた上で、裁判官が再審請求理由の関連性を考えると。
さらに、裁判官は、必要があれば当該証拠の提示を検察官に命じることもできますし、標目一覧表の提示も命じることができると。よく分からないのであれば、究極的には、検察官が保管する証…
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川合孝典(国民)
ありがとうございます。
証拠提出命令に対して検察がきちっと応じるかどうかということについては、検察官の裁量で判断した上で出していくということになると思うんですけど、これ、裁判所が再審請求理由との関連性を要件としない証拠の提出命令を、例えば職権で命令を出すことができるといったような制度をつくれば、より法的安定性が担保されるような気がするんですけど、この点について成瀬参考人はどうお考えになりますか。
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