田岡直博香川県弁護士会弁護士

2026年6月25日・第221回国会 参議院 法務委員会 第18号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 29 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 115 発言)

福井事件について申しますと、この証拠開示請求書の書式はほとんどもう通常審の類型証拠開示請求の発想で作られているんですね。つまり、そのとき再審請求人が出していた新証拠に限定されずに、関係者の未開示証拠を全部開示してくださいとか、現場にあった遺留物を全部開示してくださいと、こういう開示請求をしています。

第一次の段階で九十五点開示されました。ところが、その中には「夜のヒットスタジオ」の捜査報告書って含まれておりませんでした。これ、なぜかといいますと、裁判所が勧告したときに供述調書を出してくださいと言ったから、供述調書以外は出さなくていいんですねという形で漏れたわけです。

第二次再審請求で、それじゃ足りないから取調べのメモや捜査報告書も含めて、その供述の判断のために必要なので全部出してくださいと言ったら、検察官、まずこれを拒否します。検察官、高検全体の総意であるとして拒否します。それに対して、裁判所が、証拠や証拠一覧表の提出命令、勧告を出しますよと、調書にあなたは拒否したと書きますよと言ったら、仕方がなく出してきたのがこの二百八十七点なんです。その中に「夜のヒットスタジオ」の捜査報告書が入っていました。だから、そこまで言わないと出さないんです。

その報告書を出さなかったことについて、いまだに法務省は、今年の四月の中間の取りまとめでは、基本的な対応は取られていたというふうに評価しているんですね。なぜかといえば、裁判所から言われなかったからですと、第一次の段階ではそういう報告書まで出せと言われていませんから出さなくてもいいんですと言っているんです。

だから、こういうやり方でいいんでしょうかということなんですね、高平先生もおっしゃっておられましたけれども。結局、裁判所がきちんと命じて、検察官が義務じゃないけれどもやりますと言ってやった場合にたまたま助かる例が今までありましたけれども、そういうたまたまでこれからもやっていくんですかと、きちんと裁判所の権限と検察官の義務として規定しないと実効性がありませんよということだと思いますので、今の法案ではこういったことが実現しなくなるおそれがあると思います。

以上です。

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