基本的に田岡参考人と同じ意見です。
幾つか付け加えさせていただきます。
これまで以上というのは、どこを水準にするかによって評価は変わり得ると思います。御存じのとおり、再審格差と言われるぐらいで、全く証拠開示に手を着けなかった裁判所もあります。そこを基準にしたならば、それはたくさん出てくる、そういう評価はあり得るでしょう。しかし、私たちがここで目指しているのはそんなことではなかったはずです。救済がなされた事例との比較においてどうかという基準を持たなければいけません。
それを前提に検討しますと、先ほど田岡参考人がおっしゃられたように、通常審に倣って開示されていた類型証拠開示に該当するような証拠が開示されなくなってしまう、この結果は極めて明白です。それは、閣法四百四十五条の二がある以上、この枠の中で任意に応じるというのが検察官の対応として合理的に予想できるからです。
将来どうなるか、もう見えていると私は思います。後退すると言って差し支えないと考えます。
以上です。
23
打越さく良(立憲)
立憲民主・無所属の打越さく良です。
本日は、参考人の先生方、貴重な御指摘をありがとうございます。
もう本当に、もう長年冤罪被害に苦しめられ闘ってこられた方々、そして支援された方、弁護団の方々のおかげで、ここまで、ようやくですね、再審法、もう改正しなければならないという機運が高まってきたところでございます。本当に多くの方々に敬意を表したいと。その様々な闘いについてどういった御指摘があったのかということも今日の参考人の先生方の貴重な御意見の中からも深掘りされたかと思いますが、また言い足りないところもあったかと思いますので、更に深掘りをさせていただきたいと…
この発言のページ
24成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
お答え申し上げます。
今回の法律案というのは、従来行われてきた裁判所による証拠の提出ないし開示の勧告及び検察官による任意の提出及び開示というものは全く否定するものではありません。むしろそれを今まで以上にやっていただきたいということを前提に、それに加えて、裁判官が証拠の提出を命じなければならないという規定を新たに加えるものでございます。
そのような観点からいたしますと、従来行われてきた任意による開示、提出ですとか、あるいは裁判所による提出あるいは開示の勧告というものは、これまで以上に広く行われていくだろうというふうに理解しております。
さらに、衆議院…
この発言のページ
25田田岡直博香川県弁護士会弁護士
私は、この証拠提出命令ができたことによって、従来の実務運用として行われてきた証拠の開示がむしろ後退するのではないかという懸念を持っております。
なぜかと申しますと、従来、通常審における証拠開示制度を参考に証拠開示の勧告や証拠開示の運用がなされてきたからです。通常審では、類型証拠開示と主張関連証拠開示という二本立ての証拠開示制度になっておりまして、この類型証拠開示が非常に重要なんです。
例えば、現場にあった証拠物、実況見分調書、検証調書、鑑定書、それから関係者の未開示の供述調書、こういったものは、本来、主張と関係なしに当然開示すべきである、なぜなら防御…
この発言のページ
- (上の発言)
26高高平奇恵一橋大学大学院法学研究科教授/弁護士
基本的に田岡参考人と同じ意見です。
幾つか付け加えさせていただきます。
これまで以上というのは、どこを水準にするかによって評価は変わり得ると思います。御存じのとおり、再審格差と言われるぐらいで、全く証拠開示に手を着けなかった裁判所もあります。そこを基準にしたならば、それはたくさん出てくる、そういう評価はあり得るでしょう。しかし、私たちがここで目指しているのはそんなことではなかったはずです。救済がなされた事例との比較においてどうかという基準を持たなければいけません。
それを前提に検討しますと、先ほど田岡参考人がおっしゃられたように、通常審に倣って開示されていた類型証拠開示に該当するような証拠が開示されなくなってしまう、この結果は極めて明白です。それは、閣法四百四十五条の二がある以上、この枠の中で任意に応じるというのが検察官の対応として合理的に予想できるからです。
将来どうなるか、もう見えていると私は思います。後退すると言って差し支えないと考えます。
以上です。
27
打越さく良(立憲)
続いての質問も、成瀬参考人、田岡参考人、高平参考人の順で伺いたいと思います。
例えば、袴田事件の第二次再審請求審の約六百点の証拠開示、福井事件の第二次再審請求審の二百八十七点の証拠開示は、証拠開示請求書の形式を見ますと、類型証拠開示の発想に基づき作成されたものと思われます。
今後、再審請求理由との関連性、必要性のある証拠に限定されるとしますと、このような証拠開示はどうなるのか。認められなくなるのではないかと、そういった懸念も抱くのですけれども、いかがでしょうか。
この発言のページ
28成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
お答え申し上げます。
今回の閣法で設けられる証拠提出命令制度につきましては、確かに再審請求理由に関連する証拠が対象となってございます。ただ、これは、裁判所が提出を命じる義務があるものであり、かつ検察官が証拠を提出する義務がある範囲はぎりぎり詰めるとどこまでかということを定めたものにすぎません。
今先生が御指摘いただいたその袴田事件や福井事件等でなされているものというのは、裁判所による勧告であろうと思われます。勧告については、必ずしもこの枠に全面的に依拠してぎちぎち詰める必要はないわけでして、請求人が出してきている新証拠及び主張を踏まえた場合に、この事…
この発言のページ
29田田岡直博香川県弁護士会弁護士
福井事件について申しますと、この証拠開示請求書の書式はほとんどもう通常審の類型証拠開示請求の発想で作られているんですね。つまり、そのとき再審請求人が出していた新証拠に限定されずに、関係者の未開示証拠を全部開示してくださいとか、現場にあった遺留物を全部開示してくださいと、こういう開示請求をしています。
第一次の段階で九十五点開示されました。ところが、その中には「夜のヒットスタジオ」の捜査報告書って含まれておりませんでした。これ、なぜかといいますと、裁判所が勧告したときに供述調書を出してくださいと言ったから、供述調書以外は出さなくていいんですねという形で漏…
この発言のページ