大門実紀史 (日本共産党)

2026年7月16日・第221回国会 参議院 内閣委員会 第20号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 193 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 203 発言)

日本共産党の大門実紀史です。

会派を代表して、国旗損壊処罰法案に反対の討論を行います。

反対する理由は、本法案が憲法で保障された内心の自由、表現の自由を侵害し、罪刑法定主義にも反する憲法違反の法案だからです。

本法案は、国旗を大切に思う国民感情を保護することを理由に、国旗に手を加える行為に刑事罰を科すものです。しかし、国旗にどのような感情を持つかは個人の自由です。とりわけ、日の丸はかつての侵略戦争のシンボルとされた歴史を持つものであり、国民の思いは一様ではありません。にもかかわらず、本法案は、刑罰によって特定の価値観を押し付け、国旗を大切に思う感情を強制するものであり、内心の自由を侵害するものにほかなりません。

また、本法案は、政治的なものから芸術的表現に至るまで、ありとあらゆる表現行為を処罰の対象とするもので、国民の自由な意思表明を広範に抑圧します。さらに、その対象は、国旗・国歌法に定められた国旗に限らず、自己所有物にまで及び、刑罰まで科すことから、表現の自由を著しく萎縮させます。

同時に、人に著しく不快、嫌悪の情を催させることを構成要件としており、極めて主観的です。対象物や行為、その態様に至るまで何もかも曖昧な本法案は、憲法三十一条の罪刑法定主義に真っ向から反するものです。

本法案は、憲法学者、刑法学者の多くから違憲性が指摘されています。参考人質疑においても、木下昌彦神戸大大学院教授は、本法案は我が国の憲法法理によって合憲性を肯定することは困難であり、逆に、本法案を合憲にしようとすれば、従来の表現の自由に関する憲法法理をほぼ解体する必要がある、本法案は単なる新法制定にとどまるものではなく、憲法改正と同じ効果を持つと言っても過言ではないと述べ、本法案の違憲性とともに、法案の成立がもたらす危険性を指摘しました。

憲法違反だけでなく、憲法法理まで解体する前代未聞の悪法は直ちに撤回すべきということを強く申し上げ、反対討論といたします。

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