長谷部恭男早稲田大学法学学術院教授

2026年6月10日・第221回国会 参議院 憲法審査会 第5号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 89 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 121 発言)

どうもありがとうございます。

九条に関しまして、自衛隊の存在を明記をすると、そういう御提案があることは承知をしておりますが、自衛隊というのは実は言ってみれば日本独自の制度、組織でございまして、自衛隊は、これを置くというふうに憲法の条文に定めただけでは、これは一体どういう組織でどういう権限を持っているものなのか、それは明らかになりません。

そうなりますと、例えば自衛隊の組織と権限についてはこれを法律で定めるという条文を置くことも考えられますが、そういたしますと、法律の定めようによって権限がどんどん拡大をしていくという懸念がないわけではないと。その懸念を解消しようと、解決しようとすると、現在、自衛隊法でポジティブリストで並べられている自衛隊の権限、災害派遣から、あるいはインド洋における海賊討伐までですね、あらゆる具体的な権限を全て憲法の中に書き込むのかという、そういう対処の仕方も考えられないではありませんが、これは極めてバランスの悪い憲法の姿形になってしまいますし、今後、その自衛隊の権限を多少とも増やしたり減らしたりしようとすると、そのたびに憲法改正をしないといけないという大変面倒な、難しい問題が出てくるだろうと思いますので、そういった改正、先ほどからずっと申しておることですが、プラスとマイナスよくよくお考えになった方がよろしいのではないかというふうに私は考えております。

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