佐脇紀代志個人情報保護委員会事務局長

2026年5月21日・第221回国会 衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会 第8号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 177 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 200 発言)

お答え申し上げます。

まず、前提のようなお話でございますが、議員御指摘の次世代医療基盤法でございますが、個人情報保護法の特別法という位置づけでございまして、医療分野の個人情報の特定の取扱いに関し、その取扱いの特徴などを踏まえた利活用のための仕組みを整備する法律であるというふうに承知しております。

そのような仕組みの下での全体感のある規律の体系になっているものですから、その個々の規律につきましては仕組み全体を適切に構成する観点から設けられておりますので、その全体から切り離して、個々の規律と今般の統計作成等の特例における規律との差異のみに着目して適否を論じることは適切ではないというふうに考えております。

一方で、個人の権利利益の保護の観点から必要な規律を整備するという意味では、両者に相違はないものでございますので、遜色はないという観点についての補足をしたいと思います。

まず、本特例の対象となります統計情報の作成、それからAIの開発につきましては、基本的に個人との対応関係が排斥された形での、データが加工されるという点において、従来の個人情報保護法が想定していたデータベースの構築を前提としたデータの使い方とは大きく異なっておりまして、これらの目的にのみ個人情報等を利用する場合であれば、個人の権利利益が侵害されるおそれは少ないと考えております。

また、特例の利用に当たりましては、権利利益保護のため、一定の事項の公表、目的外利用及び違法な第三者提供の禁止、漏えい防止、その他の安全管理のための必要かつ適切な措置を講ずるべき義務を規定することとしてございます。

さらには、これは提供先でございますけれども、本特例の適用対象となる統計作成等につきましては、個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして個人情報保護委員会規則で定めるものということで、限定をつけております。規則におきましては、取得した個人情報等につきまして、目的外利用及び第三者提供を防止するために必要かつ適切な措置、それから漏えいの防止、その他の安全管理のために必要かつ適切な措置、そしてAIモデル等から出力又は復元されることを防止するために必要かつ適切な措置を講ずるよう求めることとしてございます。

また、提供元につきましても、AI開発等の目的で取り扱う必要がある場合ということを要件にしてございますので、その必要がないものについてまで、容易にそれらを削除できる場合についてまで提供するとなりますと、要件を満たさないということになろうかと思ってございます。

そのような規定を踏まえますと、本特例につきましては、次世代基盤法など、既存のデータ利活用に関する制度との比較において十分な権利保護の仕組みを具備しているというふうに考えております。

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