井戸まさえ (国民民主党)

2026年5月26日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第13号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 118 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 143 発言)

売春防止法だと性交のみで、類似行為というのが当たらないということなんですけれども、今なぜそれを同じように、売春だけが、結局、性行為だけが社会のそうした風紀を乱すとかというわけではなくて、類似行為も同じだと思うんですね。

更に言えば、売春防止法が禁止する売春をあえて性交に限定しなければいけない理由というのはあるのだろうかと思って、調べてみました。これは法律の制定過程から読み取ることができると思うんですけれども、一九五六年、衆議院の法務委員会での議事録を見ますと、売春防止法の法案、国会審議において、法務省の政府委員というのは、次のように説明しているんですね。いわゆる性交類似行為はここに言う売春には含まれていません、その実態は必ずしも明らかではありませんし、我が国ではその数も少なく、害毒も非常に大きいとは考えられません、また、定義にも困難な面がありますというふうにこの法務委員会で答えている。

つまり、当時は、性交類似行為を除外した理由というのは、性交以外は健全だからとかいう趣旨ではなくて、実態が少なく、定義も難しかったという極めて限定的な理由であった。さらには、法務省の刑事局参事官であった勝尾鐐三さんが、「実務中心 売春防止法逐条解説」、これは警察時報社というところから出ているんですけれども、その著書の中で、性交類似行為とは男娼行為その他の類似行為を指していたと説明しています。つまりは、当時の議論、この売春防止法ができたときの議論では、男性同士の売買春などが主に性交類似行為として捉えられていた。

一方で、日本の売春市場というのは、戦前から戦後にかけて、いわゆる赤線などに見られるように、性交を伴う営業が中心だった。つまりは、性交類似行為のみを行う営業というのは市場としてほとんど存在しなく、独立した形で成り立つ余地も乏しかったというふうに考えられます。

つまりは、性交類似行為を売春防止法の対象外としたのは、今日のような多様な性産業を前提にしていた整理ではなくて、当時の実態を踏まえた極めて限定的な判断だったのではないでしょうか。そもそも、売春防止法で売春を性交に限定した際、立法者にはそれ以外の性的行為を積極的に除外するという明確な意図があったわけではないというのが、この逐条解説等で明らかだと思うんです。

そこで、法務大臣に伺いたいと思います。

売春防止法と刑法の基準が違うことに対して、先ほど、風紀を乱すという意味で目的が違うんだということを御答弁いただいたんですけれども、そこは性交も性交類似行為も同じではないでしょうか。性交類似行為を入れないままであることが、売春防止法が掲げる人間としての尊厳を守るという理念と整合しているのでしょうか。建前としては禁止をされている、しかし、現実には制度として並立をして一定程度黙認をされてきた、法務大臣はこうした状況をどのように受け止めていらっしゃるのか、伺います。

前後のやりとり

114の発言を見る

122の発言を見る