井戸まさえ (国民民主党)

2026年5月26日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第13号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 116 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 143 発言)

風俗店を利用される方の中には、性交さえしなければ違法ではないというように理解している方も少なくないと言われています。しかし、実際には、その線引きというのは非常に難しくて明確ではない。また、実態としては、現在の性風俗産業というのは、性交類似行為と言われるサービスの範囲が非常に広がっていて、何が性交で何が類似行為なのか、一般の利用者にとっては分かりにくい状況になっています。つまり、法律上の区分と現実のサービス実態との間に相当の乖離が生じている。売春防止法と風営法、そして刑法の間に存在する構造的矛盾そのものがあるのではないかと言われています。

現在の日本の刑法では、性交、口腔性交、肛門性交、手指や物による性交類似行為も含めて、これは重大な性的侵害として処罰対象ともされています。また、不同意性交罪においては、暴行、脅迫のみならず、アルコールや薬物の影響、睡眠その他意識が明瞭でない状況、恐怖や驚愕による心理的な支配、経済的又は社会的地位に基づく影響力などによって、同意しない意思を形成し、表明し又は全うすることが困難な状態にさせ、また、その状態に乗じて性交等を行うことも処罰対象とされています。つまり、現在の性犯罪法制というのは、挿入の有無だけではなくて、人格的な尊厳や性的自己決定権の侵害そのものを重視する方向へと転換しているということだと思います。

ところが、その一方で、売春防止法というのは対価を伴う性交のみが売春として問題化されていて、それ以外の性的サービスについては風営法の下で今広く制度化されているというような状況です。先ほど御答弁もあったように、性交類似行為を風俗店で行った場合、性交していないからといって、不同意であった場合は罪に問われるということがあるにもかかわらず、やはりそうした認識というのは広がっている、定着しているというふうには思えないところもあります。

日本の性風俗は、長年、性交というのを異性間の性器の挿入に極めて狭く定義をして、挿入さえしなければ違法ではない、先ほども言いましたけれども、そうした方向で営業形態を拡大してきました。そのため、性交、つまり挿入以外の性交類似行為は風営法で認められるというふうにされて、野放し状態です。ファッションヘルス、デリバリーヘルス、性感マッサージ、テレホンクラブ、ツーショットダイヤル、さらには近年の悪質スカウト問題が社会問題化するなど、それぞれ、その時々で新たな業態が生まれて、犯罪、搾取との結びつきが社会問題化してまいりました。

そこで、また御質問させていただきます。

現代の人権理念や性犯罪法制との整合性という観点から見たとき、性交のみを問題視する現在の売春防止法をどう捉えたらよいのでしょうか。二〇一七年に刑法が改正された際に、なぜ売春法も併せて改正しなかったのでしょうか。御所見を伺います。

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