根本雄司日本弁護士連合会日弁連高齢者・障害者権利支援センター成年後見制度利用促進法対応プロジェクトチーム座長/弁護士

2026年5月20日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第11号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 139 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 184 発言)

お答えいたします。

日弁連の見解というわけではなくて、私の私見となりますことを御容赦ください。

まず、高齢者のいわゆる連れ去りという問題に関しまして、後見人との関係につきましては、高齢者虐待防止法という仕組みと後見人との関係というところを少し整理する必要があるのではないかというふうに考えております。そういう意味で申し上げますと、いわゆる虐待という事実認定ですとか、若しくは養護者支援の問題というような形での検討というのも必要ではないかというふうに思っております。

議員御指摘の後見人による面会制限につきまして、昨日の政府答弁においても後見人の権限ではないという答弁があり、私個人としてもその考えには同意するところです。

いわゆる成人した親子の面会交流ということにつきまして、子が親に会う権利というのは、これは裁判例上も憲法上の人格権に基づいて認められているものというふうに承知をしておりまして、それがかつ請求権として成立するか否かにつきましては、御本人、親御さん、親御本人が同意する能力があるという前提であれば、その御本人の同意があるかないかによって決せられているものというふうに承知をしております。

他方で、虐待を伴う事案につきましては、高齢者虐待防止法等において行政による面会制限という処分が規定をされており、また、ほかには、施設が施設として有している施設管理権というものに基づいて、当該施設で誰を面会させ、誰が当該施設に立ち入るのかについて判断をされているということだと承知をしております。

そのような中で、後見人は、例えば虐待対応の状況を考慮し若しくは後見人が主体となって面会制限を行うということではなくて、行政が行っている面会制限に応じた対応を決めていくということはあり得るところでありますし、また、施設が有している施設管理権を施設が行使するに当たって、その契約者の代理人である後見人の意見、意向を踏まえて、若しくは自治体の虐待対応状況を考慮して判断をされるということは、これは妨げられないものであるというふうに理解をしております。

後見人が面会制限をしているというふうな御指摘については、養護者の方からはそのように見えるということがあるのかと思いますが、今申し上げたような観点から申し上げますと、面会制限をしている主体は自治体ないしは施設管理権に基づく施設ということになるかと思いまして、後見人は後見人の権限で面会制限をしているということではなく、虐待対応の判断の中で、後見人の権限や責任において一義的に制限しているというふうに法的に構成するということではないのではないかというふうに考えております。

その上で、例えば虐待対応において、再統合への調整過程が進んでいるのに、なお後見人が、自治体等の助言を聞くことなく、合理的な理由もないのに制限をしているという場合には、これは後見人の不法行為ないし善管注意義務の問題が生じ得るということではないかというふうに考えております。

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