百地章日本大学名誉教授

2026年6月25日・第221回国会 衆議院 内閣委員会 第23号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 12 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 88 発言)

御質問ありがとうございます。

初めに、立法事実の問題、定義の問題から入りたいと思います。

私の知る限りでは、立法事実というのは、当該立法を正当化し得る社会的、経験的基礎を指しますが、実際の被害が生じていなくても、その構造的な危険性に着目して制度を設計することは法制度として一般に認められている、このように理解しております。それを反対派の皆さんが、国旗を損壊するような事例はほとんどない、聞かないなどとして立法事実が存在しないと主張されるのは、立法事実の理解としては正しくないというふうに考えております。

また、現に、予想される将来の事象に対応する立法を行った例はあります。令和三年に制定された自然災害義援金に係る差押禁止等に関する法律というのがありますけれども、立法当時、実際に義援金が差し押さえられた事例は確認できなかったと聞いております。しかし、将来の大規模自然災害に備えて、差押えを禁止することで被災者やその遺族が自ら義援金を使用できるようにするためにこの法律は作られたというふうに聞いておりますから、将来、そういうことがあり得る危険性に着目して立法するということも、これも立法事実であります。

また、現実にあったかどうかという意味での立法事実については、最初に四件ほど挙げました、沖縄国体の事例、あるいは富山、時間がないんですか。それ以外にも、例えば、平成八年に岩国市の旧日本海軍の殉職者記念碑近くのポールに掲揚されていた日の丸が焼却された事件とか、平成十四年には横浜市議会議員二名が議場に掲揚されていた国旗を引き降ろそうとした事例などがあります。

立法事実というのは、先ほど野村参考人がおっしゃいましたように、他国で問題になっていれば自国でも起こり得るんじゃないかということを想像して立法するということも、これも立法事実だと思いますので、おっしゃるとおり、広く考えていいんじゃないかなというふうに思っております。

以上でございます。

前後のやりとり

8の発言を見る

16の発言を見る