野村美穂 (国民民主党)

2026年6月12日・第221回国会 衆議院 内閣委員会 第19号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 127 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 178 発言)

国民民主党の野村美穂です。

本日は、カスタマーハラスメントについて質問をいたします。

まず初めに、なぜ本日、この内閣委員会でカスタマーハラスメントを取り上げるのかについて説明いたします。

お手元の配付資料を御覧ください。こちらには、カスタマーハラスメントの防止対策の推進に係る関係省庁連携会議の構成メンバーが記載されています。厚生労働省だけでなく、消費者庁、総務省、警察庁、文部科学省、経済産業省など、実に二十七の機関が構成員となっており、カスハラ対策は省庁横断的な取組が必要であることが一目瞭然です。カスタマーハラスメント対策は、労働政策だけではなく、国民的社会課題として捉えて解決する必要があり、国民生活の安定及び向上に関する件となります。

さて、お客様は神様ですという言葉がありますが、皆さんはどのように解釈をされているのでしょうか。これは、顧客が絶対的存在と客の側が傲慢に要求するための言葉ではありません。これは昭和の国民的歌手、三波春夫さんが残された言葉ですが、その意味は、歌うときは、あたかも神前で祈るように、雑念を払って澄み切った心にならねばならない、だからお客様を神様と見て歌うという、表現者、プロフェッショナルとしてのすさまじい覚悟とプロ意識の表れです。

しかし、現代社会において、この言葉の誤った解釈が悪質なカスタマーハラスメントを正当化する免罪符のように使われています。客だから何を言ってもいい、何をしてもいいのではないという、認識を社会全体で改めなければなりません。

実際の現場で何が起きているのか、UAゼンセンの調査結果から具体例を紹介させていただきます。小売業の現場では、レジでアルバイトの僅かな不手際があった際、おわびし続けたにもかかわらず、客に首をつかまれ引きずられ、俺は元やくざだ、死ぬまで日本刀で勝負しよう、住所を教えろなどの発言をされ、六十分もの間拘束されるという事件が発生しています。これは明らかに、暴行罪、脅迫罪、監禁罪に該当する犯罪行為です。

ストーキング被害も深刻です。営業妨害と暴力の予告も日常化しているようです。また、SNSと連動した新たな形のカスハラも増加をしています。勝手に動画を撮影された、警察を呼んで対応したにもかかわらず、全く心当たりのないひどい中傷をインターネット上に掲載されるという被害もありました。

カスハラは、小売業だけでなく医療、介護現場にも存在し、実態は特に深刻です。これらは氷山の一角にすぎません。カスハラを受けた労働者の約半数が強いストレスを感じ、中には精神疾患を患ったり離職に追い込まれたりするケースが後を絶ちません。

今や深刻な人手不足に悩む我が国において、カスハラによる貴重な労働力の喪失、採用コストの増大、対応に追われることによる生産性の低下など、目に見えない経済損失は計り知れない規模に達しています。労働者が安心して働けない環境は、結果として日本の経済活力そのものをそぐことになります。カスハラは単なる接客上のトラブルなどという生ぬるいものでもなく、従業員個人の責任にしてはならない国民的社会課題です。

では、質問に入ります。本日は十一点の質問を予定しています。

まず、今御紹介したような深刻な事例が日本中の現場で起きているという実態、そして、このお客様は神様ですの誤解が生んだカスハラが社会や経済に与えている悪影響や経済損失の深刻さについて、どのような現状認識をお持ちなのかをお尋ねします。

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