大臣、ありがとうございます。
私も役人でずっといた感覚からすると、例えば、私が復興庁で防災庁の職員と協力してくださいと言われると、協力はするけれども、多分責任がないんですよ。ですから、防災庁の職員には復興庁の経験を持っている方がそこでちゃんと責任を持って働いてもらいたいというのが私の願いなんです。
例えば、職員はそのまま復興庁でもいいと思うんです。ただ、いわゆる兼務をする、併任発令を出すとか、これで全然違うんです。結局、公務員ですので、与えられたミッションがそこに明確にあるとなれば、その組織でしっかり働くことができますので、組織自体の定員を動かさなくても併任発令とかだったら全然できると思います。それは大臣の一存でできますので、私は防災庁を効果的に動かすために提案させていただきますので、是非御検討いただければと思います。
次に、人間工学に基づく高台避難という、ちょっと高尚というか、少し着眼点が違う話をさせていただきます。
大津波からの高台避難ですけれども、これは政府のガイドライン等では原則徒歩避難とされております。しかし、現実には、健康な人までが車で避難してしまい、大渋滞を引き起こすという課題が各地で指摘されております。その結果、本当に車での避難が必要な高齢者や要配慮者の避難ルートが塞がれ、逃げ遅れてしまう事態が生じかねません。
マニュアルに健康な人は徒歩で避難してくださいと書くだけでは、人間の行動特性や人間工学的な観点からして誰もがそのとおりに動くわけではございません。いかにして、自分は健康だから歩いて逃げよう、車は本当に必要な人に譲ろうという住民の主体的な行動変容を引き出し、地域としての最適解を導き出すかが極めて重要かつ難しい課題となっております。
私は、この最適解に近づくための大切な切り札が、地区防災計画の策定を通じた平時からの地域コミュニティーづくりにあると考えております。計画作りの過程で隣近所の顔が見える関係が構築されれば、あのお宅には支援が必要な高齢者がいるから自分は車を使うのは我慢しようといった助け合いの精神が自然と生まれてまいります。実際、北海道の浜中町では、日頃の訓練や防災教育を通じて避難のルールが定着し、津波避難時に渋滞が生じなかったというすばらしい事例もあると承知しております。
そこで、お伺いします。
単なるマニュアルの提示や一方的な掲示にとどまらず、人間の行動特性を前提とした上で、健康な人の徒歩避難と要配慮者の車避難を両立させるような避難の在り方を政府としてどう構築していかれるのでしょうか。新たに創設される防災庁として、地区防災計画の策定促進などを通じて地域コミュニティーの助け合いの文化を醸成し、住民の主体的な行動変容を促していくための具体的なアプローチについて政府の御見解を求めます。
168
牧野たかお(自民)復興大臣
まず、防災大学関係の御質問に対してお答えいたします。
防災庁におきましては、防災に関する幅広い経験、知識に基づき、大局的な観点から防災全体を捉え、産官学民の多様な関係者間で高度なコーディネートを行える人材を育成することが重要だと考えております。このため、今後、国や地方自治体の職員、さらに民間人材を対象に、関係者間の顔の見える関係の構築や連携が推進されるよう、仮称でありますけれども、防災大学校の設置について、法案成立後、設置時期やその機能について検討を進めてまいります。
続いて、防災教育の推進についてのお尋ねでございました。
災害による被害を最小限に…
この発言のページ
169
西園勝秀(中道)
御答弁ありがとうございます。
顔の見える関係というのは私もすごく重要だと思います。誰かがいるからその方が助けていける、そういういろいろなネットワークがすごく大事だと思いますし、さらに、そういう関係性の大切さというものをしっかり防災庁が教育課程の中で日頃から訴えていただくことが私も本当に大事だと思います。是非よろしくお願いいたします。
これまでの内閣府防災担当は、数年で異動を繰り返す各省庁からの出向が多くを占めており、過去の災害対応から得られるノウハウを蓄積し、国としての対応力を強化させることが難しいという構造的な課題を抱えておられました。新たに創設さ…
この発言のページ
170
牧野たかお(自民)復興大臣
お答えいたします。
まず、西園委員が復興庁で知見班として御努力されたことは、本当に敬意を表したいと思います。
委員御指摘のとおり、復興庁がこの十四年、蓄積してきた経験とノウハウというのは非常に大きいものがあると思いますし、先ほどお答えをしたみたいに、その後、復興庁ができた後の幾つかの災害では、東日本大震災の経験を踏まえてワンストップ窓口という制度を、今の能登半島地震だったり、その前の熊本の地震だったり、そうしたときにそれを生かしてきたということがあります。ですので、防災庁の制度設計に当たっても、こうした知見を踏まえて防災庁の設計をしてきたところです。…
この発言のページ
- (上の発言)
171
西園勝秀(中道)
大臣、ありがとうございます。
私も役人でずっといた感覚からすると、例えば、私が復興庁で防災庁の職員と協力してくださいと言われると、協力はするけれども、多分責任がないんですよ。ですから、防災庁の職員には復興庁の経験を持っている方がそこでちゃんと責任を持って働いてもらいたいというのが私の願いなんです。
例えば、職員はそのまま復興庁でもいいと思うんです。ただ、いわゆる兼務をする、併任発令を出すとか、これで全然違うんです。結局、公務員ですので、与えられたミッションがそこに明確にあるとなれば、その組織でしっかり働くことができますので、組織自体の定員を動かさなくても併任発令とかだったら全然できると思います。それは大臣の一存でできますので、私は防災庁を効果的に動かすために提案させていただきますので、是非御検討いただければと思います。
次に、人間工学に基づく高台避難という、ちょっと高尚というか、少し着眼点が違う話をさせていただきます。
大津波からの高台避難ですけれども、これは政府のガイドライン等では原則徒歩避難とされております。しかし、現実には、健康な人までが車で避難してしまい、大渋滞を引き起こすという課題が各地で指摘されております。その結果、本当に車での避難が必要な高齢者や要配慮者の避難ルートが塞がれ、逃げ遅れてしまう事態が生じかねません。
マニュアルに健康な人は徒歩で避難してくださいと書くだけでは、人間の行動特性や人間工学的な観点からして誰もがそのとおりに動くわけではございません。いかにして、自分は健康だから歩いて逃げよう、車は本当に必要な人に譲ろうという住民の主体的な行動変容を引き出し、地域としての最適解を導き出すかが極めて重要かつ難しい課題となっております。
私は、この最適解に近づくための大切な切り札が、地区防災計画の策定を通じた平時からの地域コミュニティーづくりにあると考えております。計画作りの過程で隣近所の顔が見える関係が構築されれば、あのお宅には支援が必要な高齢者がいるから自分は車を使うのは我慢しようといった助け合いの精神が自然と生まれてまいります。実際、北海道の浜中町では、日頃の訓練や防災教育を通じて避難のルールが定着し、津波避難時に渋滞が生じなかったというすばらしい事例もあると承知しております。
そこで、お伺いします。
単なるマニュアルの提示や一方的な掲示にとどまらず、人間の行動特性を前提とした上で、健康な人の徒歩避難と要配慮者の車避難を両立させるような避難の在り方を政府としてどう構築していかれるのでしょうか。新たに創設される防災庁として、地区防災計画の策定促進などを通じて地域コミュニティーの助け合いの文化を醸成し、住民の主体的な行動変容を促していくための具体的なアプローチについて政府の御見解を求めます。
172鎌鎌原宜文内閣府広域避難・計画推進室長
お答え申し上げます。
政府の防災基本計画では、津波から避難を行うに当たっては、地震による道路の損傷や渋滞の発生などが考えられることから、徒歩を原則とする一方で、要配慮者の存在など、車両で避難せざるを得ない場合には、市町村において自動車で安全かつ確実に避難できる方策をあらかじめ検討するよう求めているところでございます。
市町村の取組例としましては、避難行動を事前にシミュレーションした結果を踏まえ、地域住民で議論を行い、車での避難も一部可能となるよう移動手段を設定している事例などがあり、このような事例を他の自治体にも周知しているところでございます。
ま…
この発言のページ
173
西園勝秀(中道)
御答弁ありがとうございます。私は、地区防災計画がこれからの事前防災の要だと思っております。
ちょっと二問ほど飛ばさせていただいて、この地区防災計画に絡む質問に移らせていただきますが、災害時に高齢者や障害をお持ちの方など自力での避難が困難な避難行動要支援者の命を守るためには、一人一人に合わせた個別避難計画の策定が極めて重要です。
お手元の資料二を御覧ください。
これは、都道府県ごとの個別避難計画の作成状況を表したものです。災害対策基本法の改正により、市町村による個別避難計画の作成が努力義務とされましたが、全国の策定率は一四%にとどまっています。対象者…
この発言のページ
174横横山征成内閣官房防災庁設置準備室次長/内閣府政策統括官
お答え申し上げます。
災害時に自ら避難することが困難な避難行動要支援者に対し、その状況に応じてお一人ずつ作成する個別避難計画は、平時からの災害への備えとして重要でございます。
これまで内閣府においては、委員御指摘の好事例の横展開等のほか、計画の作成手順などを示した指針や手引の周知、実際に計画作成経験のある市町村職員のまだ未対応のところに対する派遣などの取組を行ってきたところでございます。
このような取組により近年作成は着実に進んでいるところでございますけれども、御指摘があったように、令和七年四月時点における作成率は全国平均では一四%という状況でござ…
この発言のページ