橋本幹彦 (国民民主党)

2026年4月24日・第221回国会 衆議院 安全保障委員会 第5号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 112 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 126 発言)

私は、本法律案に賛成の立場から討論いたします。

本法律案において、七十二年の歴史を持つ航空自衛隊が航空宇宙自衛隊に改称されます。名称は、隊員にとって、そして国民の部隊に対する理解にとって重いものです。この改革が魂の宿るものとするためには、隊員と国民の正しい理解を深めるための知的基盤が不可欠です。

宇宙安全保障構想や宇宙領域防衛指針など、上位文書は整備されました。他方、自衛隊の名称変更にふさわしいドクトリン、教育体系、そして国民に対する説明は、なお十分とは言えません。看板や装備品などのみでは真の改革となりません。運用思想、人材育成、そして国民の理解により改革に初めて魂が宿ります。航空宇宙自衛隊への改編の構想を安倍総理が語ってから七年、いまだに宇宙に関する戦略やドクトリンが整備されていないのは、この知的基盤の重要性を軽視していると指摘せざるを得ません。

今国会の議論でも、標語が先に走り、定義や運用、説明が後から追いかける危うさが見えました。国産化を目指すと言いながら国産の定義すらない、世界一無人アセットを駆使すると言いながら同盟国の失敗の轍を踏むような調達をする、スタートアップ支援に力を入れると言いながら懸念国との関係が疑われる企業に投資をする、自衛隊の名誉を重んずると言いながら趣旨不明の階級の国際標準化なるものを推し進める、自衛隊に光を当てると言いながら自民党党大会において政治的中立を超えた私的利用を行う。

広報であれば、時に映えることを追求するものかもしれませんが、隊員と国民に対する説明は同じであってはなりません。この防衛省の、政権の現状において求められるのは、地に足着いた言葉、誠実な言葉、精神の宿る言葉です。標語だけではなく、定義と指針を確かにし、政治が責任を負う姿勢を持たなければなりません。

今回の航空宇宙自衛隊への改称が、精神の宿る改革になることを強く願います。そのために、航空宇宙自衛隊の名にふさわしい運用思想と教育体系を整備することを求めます。

具体的には、宇宙ドクトリンなど、航空宇宙自衛隊がいかにあるべきかを示し、宇宙領域における作戦の原則、組織運営や部隊運用において準拠すべき事項と考え方、隊員が日々の任務を遂行する上での心構えなどを定める指針を整えること。そして、そのドクトリンを航空宇宙自衛隊の全ての自衛官、事務官、技官及び教官に広く共有すること。さらには、ドクトリンの運用に当たっては、盲目的になることなく、柔軟性と創造性を併せ持つようにするとともに、思考の固定化を避けるためにドクトリンを不断に見直し、常に将来の情勢を冷徹に見通し、戦史と現場の教訓に学びつつ、変化に適合していく姿勢を持つこと。

そして、これらを支える防衛大学校や防衛研究所を含む知的基盤の担い手を強化し、自衛官の教養の涵養や研究発表を支えること。

これらの施策を通じ、隊員を真に重んじ、本来の任務に精励できる環境を根拠を持って整えていく新たな組織文化が醸成されることを心から願って、私の航空自衛隊に対するはなむけの言葉に代えて、賛成の討論といたします。

前後のやりとり

108の発言を見る

116の発言を見る