平成二十五年当時の生活扶助基準の見直しにつきましては、まず、デフレ傾向の経済情勢を踏まえつつ、一方で、全国消費実態調査に基づく一般低所得者の消費実態がリーマン・ショックの影響等により極めて低い数値であったことを踏まえ、消費ではなく物価をベースにして、生活保護法第八条に基づく最低限度の生活需要を満たすものとして基準を策定したものであります。
当時の改定は、最高裁判決では、改定当時、生活扶助基準の水準と一般国民の生活水準との間に不均衡が生じていると判断したことについて違法とはされていない、また、国に対する国家賠償請求については棄却されているところ、その中で、物価変動率を指標とすること自体が直ちに許容されないものとは言えないとした上で、厚生労働大臣が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然とデフレ調整に係る判断をしたと認め得るような事情があったとは認められないと判示されているところであります。
他方で、最高裁判決におきましては、デフレ調整に係る厚生労働大臣の判断の過程及び手続には過誤、欠落があったとされたことを踏まえ、今回、専門家による委員会において改めて再検討を行ったものであります。
具体的には、令和四年検証で新型コロナウイルス感染症の影響等を確認するに当たって用いられた分析方法といった最新の知見に基づき見直しを行い、その結果、デフレ調整で行ったマイナス四・七八%に相当する基準の改定率として、マイナス二・四九%、マイナス五・五四%、マイナス四・〇一%といった三つの案が示されたものであります。
こうした議論を踏まえ、厚生労働省として、総合的な判断としてマイナス二・四九%が適当であると考え、これに基づいて生活保護法第八条に基づく新たな水準を設定することとしたものであります。
平成二十五年改定当時に算出された生活扶助基準額は、現時点において最新の知見に基づいて算出される新たな水準と比較するとこれを下回るものであり、追加給付を行うこととなったことについて、生活保護行政を所管する厚生労働省として深く反省をし、国民の皆さんにおわびを申し上げるところであります。
190
白川容子(共産)
判決を真摯に受け止めるという、そういう姿勢が全く大臣の答弁からは見られませんでした。
弁護団、小久保哲郎弁護士も、真摯なおわびは被害者が納得する被害回復策を伴うものでなければならない、こう述べています。おわびというのであれば、全面的な被害回復しかありません。高市首相、上野大臣の言葉はおわびですらありません。
最高裁判決は厚労大臣の判断に裁量権の範囲の逸脱と濫用があったと断じていますが、それはどの法律に違反しているとしているのか、条文とともにお答えください。
この発言のページ
191鹿鹿沼均厚生労働省社会・援護局長
お答えいたします。
最高裁判決におきましては、物価変動率のみを直接の指標とすることについて、基準部会等による審議経過を経ていないなど、その合理性を基礎付けるに足りる専門的知見があるとは認めないとした上で、物価変動率のみを直接の指標としてデフレ調整をすることとした点において、その厚生労働大臣の判断に裁量権の範囲の逸脱又はその濫用があり、生活保護法三条及び八条二項に違反して違法というふうに判示されているものと承知しております。
また、委員の方から条文とともにというお話がございましたが、同法三条におきましては、この法律により保障される最低限度の生活は、健康…
この発言のページ
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白川容子(共産)
つまり、政府が行った生活保護基準のこの違法引下げによって、十年以上にわたり、全ての生活保護利用者に憲法と生活保護法で保障された最低限度以下の生活を強いてきたというわけですね。その認識はありますか。
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- (上の発言)
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上野賢一郎(自民)厚生労働大臣
平成二十五年当時の生活扶助基準の見直しにつきましては、まず、デフレ傾向の経済情勢を踏まえつつ、一方で、全国消費実態調査に基づく一般低所得者の消費実態がリーマン・ショックの影響等により極めて低い数値であったことを踏まえ、消費ではなく物価をベースにして、生活保護法第八条に基づく最低限度の生活需要を満たすものとして基準を策定したものであります。
当時の改定は、最高裁判決では、改定当時、生活扶助基準の水準と一般国民の生活水準との間に不均衡が生じていると判断したことについて違法とはされていない、また、国に対する国家賠償請求については棄却されているところ、その中で、物価変動率を指標とすること自体が直ちに許容されないものとは言えないとした上で、厚生労働大臣が職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然とデフレ調整に係る判断をしたと認め得るような事情があったとは認められないと判示されているところであります。
他方で、最高裁判決におきましては、デフレ調整に係る厚生労働大臣の判断の過程及び手続には過誤、欠落があったとされたことを踏まえ、今回、専門家による委員会において改めて再検討を行ったものであります。
具体的には、令和四年検証で新型コロナウイルス感染症の影響等を確認するに当たって用いられた分析方法といった最新の知見に基づき見直しを行い、その結果、デフレ調整で行ったマイナス四・七八%に相当する基準の改定率として、マイナス二・四九%、マイナス五・五四%、マイナス四・〇一%といった三つの案が示されたものであります。
こうした議論を踏まえ、厚生労働省として、総合的な判断としてマイナス二・四九%が適当であると考え、これに基づいて生活保護法第八条に基づく新たな水準を設定することとしたものであります。
平成二十五年改定当時に算出された生活扶助基準額は、現時点において最新の知見に基づいて算出される新たな水準と比較するとこれを下回るものであり、追加給付を行うこととなったことについて、生活保護行政を所管する厚生労働省として深く反省をし、国民の皆さんにおわびを申し上げるところであります。
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白川容子(共産)
るる述べられましたけれども、そんなことは聞いていないわけなんですよ。
この憲法と生活保護法で保障された最低限度以下の生活を強いてきた、この認識があるのかどうかということを御答弁、再度お願いします。
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上野賢一郎(自民)厚生労働大臣
今回、最高裁判決を踏まえて、改めて現在の知見に基づいて審議、検討を行い、その結果として政府として追加給付を行うこととしたので、現時点から見れば、平成二十五年当時に算出された生活扶助基準額が現時点における知見に基づいて算出される新たな水準を下回るものであるということは御指摘のとおりだと考えております。
最高裁判決におきましては、最低限度の生活の需要を満たす水準ではなかったとはされてはいないものの、デフレ調整に係る判断の過程及び手続に過誤、欠落があったと指摘されたことに加えまして、追加給付を行う結果となったことにつきまして、厚生労働省として深く反省し、おわ…
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白川容子(共産)
人間の尊厳の源泉である健康であること、そして文化的であること、これが奪われたのです。このような憲法違反は決して許されるものではないと思います。
すなわち、健康で文化的な生活を維持できない、こういう状況に追いやられたという被害が当然発生したことになります。問題は、その被害にどう向き合うか、このことが問われているんだと思います。
もう一度言います。今までの基準が新たに作ったものよりも低かったわけです。最低額よりも低い金額で生きてきたということなんです。この深刻な被害の弁償をしなければならないのに、全額でなく値切ろうと、大臣、いうんですか。お答えください。
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