奥田知志認定NPO法人抱樸理事長

2025年2月19日・第217回国会 参議院 国民生活・経済及び地方に関する調査会 第3号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 48 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 104 発言)

ありがとうございます。

まさに、従来の専門職が担ってきた役割は解決型の支援ですね、問題解決をいかに早急にするか。ソーシャルワークという概念も、やはり問題の解決あるいは緩和をすることであるという位置付けがなされています。しかし問題は、一つは、解決したら、はい、おしまい、後は自己責任でやってくださいと。その解決した後は、じゃ、従来、日本のその解決の後、何があったかというと、家族と地域があったわけですよね。だから、後は地域や家族の中で頑張ってくださいというイメージで解決型の支援が成り立っていた。しかし、解決して専門職の人から、はい、さようなら、後は一人でやってねと言われた後、誰もいないという風景に広がった。

〔理事古賀千景君退席、会長着席〕

そこで、我々が、問題があるときも問題がないときもつながるということを目的とした伴走型の支援ということを二十年ぐらいに言い出したんですね、前ぐらいに。今、おかげさまで日本福祉大学の授業になっていまして、私も日本福祉大学のなんちゃって教授になっていまして、全然学校行っていないんですけれども。

ただ、解決型の支援はやはり解決という目的がはっきりしています。そのためには制度の理解、それから経験値、様々な技能、技術、アプローチの技術とか、そういうものが必要ですので、ある程度やっぱり訓練を受けた人たちが、まあ個人情報の問題も含めてですね。しかし、やはり介護保険ができたとき私は実感したんですが、制度が充足すると地域は引くんですね。それまで地域で助け合っていたところも、ヘルパーさん来たからといってもうおかず届けなくなるというのが、要するに、制度や専門職が頑張れば頑張るほど地域は役割がなくなっていくという。けど、そこでは駄目なんですね。

ですから、やはりこの支援という枠組みで従来語られてきたところの専門職の役割はあり続けて、一方で、つながり続けるというところのそのステージが必要だというのが伴走型支援なんですが、じゃ、それどこまでやるのかという、そのどこまでやるのかのイメージが多分問題解決型の支援に相当引っ張られている印象だと思うんですね。

どこまでやるのかというのは、何か常に解決し続けるというイメージでしょうけど、伴走型になると、インタラクティブな世界観ですから、双方向性ですよね。ですから、助けてと言える社会をつくろうと一方で言ってきた。でも、助けてと言える社会は同時に、助けてと言われる社会でないと駄目なんですよね。つながりというのは両方向ですから。ですから、その町に行ったら助けてと、困ったときに助けてと言える。どうしたと。大事にされていると思える。けど、一方で、その町に行ったらちょっと助けてくれと言われる。あっ、こんな僕でも役割があるんだと思えるという。

伴走型の支援というのは、何か支援というと、どうしても支援する人、される人が固定化されているイメージですが、これは正直言って解決型の支援が強過ぎるので、それに対する一つのカウンターカルチャーとして伴走型の支援と、支援という言葉を付けたんですが、一つのカウンターだったんですね。でも、目指すところはもう相互性ですから、つながり続ける。

そうなると、専門職のイメージよりかは、先ほど申し上げた質より量だという話にやっぱりなっていく。どれだけ、だから、専門職のイメージは、もう谷口さんなんか専門職中の専門職で、もう二、三本のロープでぐっとつなぎ止めるという。でも、これ、一本切れたらがたがたになるんですね。伴走型支援は百本とか千本の糸で絡めるイメージで、これ五本切れても気が付かないという。そういうイメージが実は従来の地域社会だったんだろうと思うんですね。

この辺を新たに、地理的概念も超えた中でどうつくっていくか、あるいは家族を引いた、かつては地域の最小単位は家族でしたから、この最小単位の家族というものを抜いたところでどう地域をもう一回つくるかという、この議論に今来ている。そこにおいての考え方の一つの指針としては、伴走型、つながりをつくるということが目的なんです。解決しないけれども、つながり続けるということが目的となるんだということをこの二十年ぐらい前から言い出したという、そんな感じですね。

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