越智萌立命館大学国際関係学部准教授

2025年2月12日・第217回国会 参議院 外交・安全保障に関する調査会 第1号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 65 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 90 発言)

ありがとうございます。

お二人の参考人が言われたことに加えて言えることは何かと考えておりましたけれども、一つは、その戦争が持つ意味がどう変わっていくのかということですね。第二次世界大戦以降、特に冷戦下において、国とそれから反政府の武装組織、ないしは反政府武装組織同士の内戦というものが主流だったわけです。二十一世紀に入ってから、こういった国家間、ないし今の大規模な超大国が関わるような戦争というものを見るようになって、多くの人、特に若い人たちは国際社会は危険になっているんじゃないかというふうに考える人が増えていると思います。

ただ一方で、こういったことよく言われますけれども、暴力がよく見えるようになったというのも大きな変化だと思います。監視カメラが道にあり、SNSで遠くの国の家の中の、被害に遭った方の病院での姿などを見ることができるようになり、そして、市民団体が世界中で活躍しているということで、今まで見えなかった暴力がよく見えるようになった世界であるということも言えると思います。内戦も、私たちはメディアで見る程度だったものが身近なものに感じられるようになって、そして、若い人が、その結果、世界は危険になっているように感じるというのが現代なのかなと思います。

そんな中で、従来のメディアがやはり大国間の戦争やネタニヤフ氏に対する逮捕状などのニュースばかりに注目しているのは引き続きそのとおりで、そこで今まで見えていなかった内戦などが余計に見えなくなるということが起きているのかなというのも一つ思っているところです。

ですので、ICCの実績、確かにそうなんですけれども、これまで過去二十年間やってきたのは、内戦における戦争犯罪を扱ってきた機関ですが、今回のようなことが起きるまでほとんど着目されてこなかったというのも事実だと思います。

ですので、見えるようになったものと、そしてそれに隠れてしまったものというのを見直す機会にもしていく中で、暴力、戦争だけじゃない暴力というのがどれほどあるかということに目を凝らしやすくなったというところと、それが政策に反映されやすくなったというところが一つの進歩なのかなというふうに考えております。

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