佐藤丙午拓殖大学教授

2025年2月12日・第217回国会 参議院 外交・安全保障に関する調査会 第1号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 64 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 90 発言)

ありがとうございます。

非常に難しく重い課題だと思いますし、先ほどの私の陳述の冒頭の話からさせていただきますと、これは恐らく会長の御専門ではないかなというふうに思ったりもするわけでございますけれども、恐らく、大国間の大戦争がなくなってくる可能性というのは恐らくあると思います。

ただ、そのなぜなくなるかというのは、なくなる可能性があるかということは国際関係における大きな課題でございまして、そこは、一つは法の支配による規範の確立という意見もあれば、また核兵器を含めた軍事力による相互抑止が戦争をなくすという説もございます。

この二つの説のどちらが正しいということは恐らくないんでしょうけれども、双方にはそれぞれ問題がございます。

国際法による法の支配というのは、恐らく国際組織であるとか規範による大国の行動の抑制ということを求めていくことになりますので、そうなってくると、パワーの関係においては、弱い国、今回でいえばグローバルサウスのような国が国力以上のパワーを国際法秩序の中で得てしまうという問題がございます。これは、大国間の不満をかき立てるに十分な条件でございます。それが恐らく一つ、破綻の要因になる可能性というのが恐らくあると思います。

もう一つは、軍事力による平和というのは本来的に不安定なものであることは言うまでもございません。核兵器がもし、過去、第二次世界大戦後の国際社会の安定に貢献したということがあるのであれば、若しくは核兵器を持つことによって国力以上のパワーを持つということが保障される、若しくはそういうふうに見られることが起きるのであれば、恐らく多くの国は核兵器を求めて、それによるディスプロポーショナルなとか、そういう言い方をしますけれども、その本来持つべき国力以上のパワーを持つために核に手を出す国というのが出てきてもおかしくありません。

すなわち、国際法においても、また軍事力を通じた平和においても、両方ともに様々な問題が出てくると思いますので、それを一気に解決する方策というのは、残念ながら私自身は回答というものは持ち合わせてございませんけれども、その国際法による支配、また軍事力により安定というものをいかにマネージしていくか、この緊張関係の中で我々は暮らしていかなければいけないのではないかなというふうに考えております。

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