お答えいたします。
集合動産は設定者による処分等によってその構成部分が変動いたしますが、担保権者は、仕入れによる補充等により、全体として一定の範囲で価値が維持されることを前提にした担保価値を期待していることが通常でございます。
そこで、譲渡担保法案は、設定者は動産の補充等により集合動産の全体としての価値の維持義務を負う旨を特に明文で定めることとしております。
もっとも、集合動産はその価値が変動することが予定されておりますので、その変動の原因には様々なものがあります。集合動産が維持すべき価値を下回った場合でも、当然に義務違反を問うのは相当ではないことがあり得ます。そこで譲渡担保法案は、正当な理由がある場合には担保価値維持義務を負わないこととしております。
どのような場合に正当な理由があると言えるかは、個別具体的な事情に基づく判断ということになりますが、例えば、合理的な経営判断に基づく事業の縮小に伴って、担保の目的である在庫の価値が減少する場合等がこれに当たると考えられます。
また、担保権者を害するとは、集合動産の価値が一定の範囲で変動することを考慮してもなお、譲渡担保契約上、担保権者が合理的に期待していた範囲を超えて目的財産の価値が減少し、譲渡担保権の実行によって本来回収することができた債権を担保権者が回収することができなくなることをいうものでございます。
例えば、設定者が正当な理由なく、事後的な補充の意思もないのに集合動産の構成部分を処分して大幅に減少させるといった行為が、担保価値維持義務違反に当たると考えられます。
もっとも、設定者に求められる動産の補充等の方法や程度、頻度等については、動産の種類等により多種多様でありまして、設定者が担保権者を害しない範囲を超えて担保価値を減少させたかどうかは、個別具体的な事情に基づき判断されることになりますので、一律の基準を明示することは困難であることを御理解いただきたいと思います。
実務的には、譲渡担保契約において、当事者間で想定される事情を踏まえて、担保価値維持義務の基準を合意し、その内容をより明確にしておくことが考えられるところでございます。
138平平林晃(公明)
公明党、平林晃です。
この度、新しく提案されております譲渡担保法案につきまして質問させていただきます。これまでの議論とちょっと重複する部分もございますけれども、御容赦いただけたらと思います。
まず、総論といたしまして、大臣にお聞きできればと思います。
譲渡担保や所有権留保に関しましては、実務や判例法理を重ねて発展してきた手法と承知をしております。そうした手法をなぜ今法定化するとの判断に至ったのかという点に関しまして、その背景と目的、効果、どのようなものを期待しておられるのかと、あわせて、この度、民法の改正ではなくて新法の制定という形式を取られた理由…
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139
鈴木馨祐(自民)法務大臣
企業の資金調達におきましては、これまで、不動産あるいは保証、こうしたことが担保として多く用いられてきましたけれども、最近、不動産を有しない中小企業、そういったものが増加をしている、あるいは、事業者の債務を保証した者が過大な責任を負いかねないという問題を背景に、不動産担保あるいは個人保証、ここに過度に依存しない資金調達方法、これを促進をする、そうした必要性が高まっている、こう認識をしているところであります。
そして、こうした資金調達の方法として、実務上これまで用いられてきました譲渡担保あるいは所有権留保について、これは明文の規定がないということがありまし…
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140平平林晃(公明)
ありがとうございます。
続きまして、集合動産譲渡担保権について伺います。
本法案につきましては、第四十条において、集合動産譲渡担保権の設定が可能であることが明文化されています。この部分で、ちょっと済みません、一問飛ばさせていただけたらと思います。本法案四十三条で、集合動産譲渡担保権設定者は、正当な理由がある場合を除いて、少し飛ばしまして、特定範囲所属動産の一体としての価値を、集合動産譲渡担保権者を害しない範囲を超えて減少することのないように維持しなければならないとされています。
この法文案におけます正当な理由ということに関しまして、主として何を想定…
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- (上の発言)
141竹竹内努法務省民事局長
お答えいたします。
集合動産は設定者による処分等によってその構成部分が変動いたしますが、担保権者は、仕入れによる補充等により、全体として一定の範囲で価値が維持されることを前提にした担保価値を期待していることが通常でございます。
そこで、譲渡担保法案は、設定者は動産の補充等により集合動産の全体としての価値の維持義務を負う旨を特に明文で定めることとしております。
もっとも、集合動産はその価値が変動することが予定されておりますので、その変動の原因には様々なものがあります。集合動産が維持すべき価値を下回った場合でも、当然に義務違反を問うのは相当ではないことがあり得ます。そこで譲渡担保法案は、正当な理由がある場合には担保価値維持義務を負わないこととしております。
どのような場合に正当な理由があると言えるかは、個別具体的な事情に基づく判断ということになりますが、例えば、合理的な経営判断に基づく事業の縮小に伴って、担保の目的である在庫の価値が減少する場合等がこれに当たると考えられます。
また、担保権者を害するとは、集合動産の価値が一定の範囲で変動することを考慮してもなお、譲渡担保契約上、担保権者が合理的に期待していた範囲を超えて目的財産の価値が減少し、譲渡担保権の実行によって本来回収することができた債権を担保権者が回収することができなくなることをいうものでございます。
例えば、設定者が正当な理由なく、事後的な補充の意思もないのに集合動産の構成部分を処分して大幅に減少させるといった行為が、担保価値維持義務違反に当たると考えられます。
もっとも、設定者に求められる動産の補充等の方法や程度、頻度等については、動産の種類等により多種多様でありまして、設定者が担保権者を害しない範囲を超えて担保価値を減少させたかどうかは、個別具体的な事情に基づき判断されることになりますので、一律の基準を明示することは困難であることを御理解いただきたいと思います。
実務的には、譲渡担保契約において、当事者間で想定される事情を踏まえて、担保価値維持義務の基準を合意し、その内容をより明確にしておくことが考えられるところでございます。
142平平林晃(公明)
個別具体の事情によって変わってくるので抽象的な表現になるということで、理解をさせていただいたところでございます。
さらに、関連してとなりますが、例えばの話ですけれども、事業者Aが倉庫の在庫一式に対して集合動産譲渡担保権を設定をして、金融事業者、例えば銀行Bから融資を受けている、こういう状況におきまして、Aに対して物を卸していくような仕入れ事業者Cが、当該倉庫に納品したものの所有権を留保することによって代金債権を担保する、こういうことも十分に考えられるわけでございます。
この場合、この所有権の留保と集合動産譲渡担保権との優劣関係については、どのような規…
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143竹竹内努法務省民事局長
お答えいたします。
譲渡担保法案は、同一の動産について、留保所有権と集合動産譲渡担保権とが競合し得ることを前提に、その優劣関係について規定を設けております。
具体的には、その動産の代金債務を担保する留保所有権は、その限度で集合動産譲渡担保権を含む他の担保権に優先することとしている一方で、同一の動産について担保権の設定を受けた他の担保権者がいる場合には、留保売主は、その担保権者に優先するためには先に対抗要件を具備することが必要となります。
委員御指摘の事例におきましては、同一の動産について、仕入れ先Cの留保所有権と、事業者Aが金融業者Bのために設定し…
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144平平林晃(公明)
ありがとうございました。
AからCに占有改定を行っておけばBに勝てる、そのようなルール化がなされている、このように理解をさせていただいたところでございます。ありがとうございます。
一方で、今、集合動産譲渡担保権を中心に聞いてまいりましたけれども、所有権留保、例えば自動車ローンなんかでも我々も身近に接してきているところでございますけれども、本来所有権の移転が生ずる取引において、代金債権等を担保するために所有権を移転させない、こういうものであると理解をしておりますけれども、譲渡担保と同様に、実務上は担保取引として用いられてきたと認識をしております。
こ…
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