今、先のところまで御説明いただきましたので感謝申し上げたいんですけれども、今おっしゃられた北海道内水面漁業調整規則が改正されたのは二〇〇五年のことです。今お話しいただいたんですが大事なところなので繰り返しますが、第五十二条に、伝統的な儀式や漁法の伝承、これらに関する知識や普及啓発という目的が書き込まれ、この中で特別採捕というものがアイヌ民族に公開されたということがございます。
実は、この背景のところは今説明されなかったんですけれども、先ほどのように、アイヌのサケ漁を禁止した状態の中で、一九八二年に、先ほどの豊平川で、新しいサケを迎える儀式、アシリチェップノミが多くのアイヌ民族の努力で復活いたしました。復活したんですけれども、このときは漁業権がアイヌに認められておりませんでしたので、主催者は何をしたかというと、河原に生けすを掘って、その生けすの中に市場で買ってきたサケを入れて、それを捕ったふりをして伝統行事をやったということがございます。これは、民族の文化や伝承を守るという意味では大変失礼な状況を生み出したということを行政の方で反省する中から、二〇〇五年の調整規則の改正があったという事実がございます。
今日は、その問題ではなくて、その結果出た特別採捕がどういう問題を含んでいるかということを御指摘したいと思うんです。
二〇〇五年にアイヌ民族に対する特別採捕が認められたという話をしたんですが、じゃ、元々この特別採捕は誰のためにつくられたのかということに関して、ほとんど政治の世界でも議論されていません。誰のためにつくられたかというと、北海道さけ・ます増殖事業協会という公益社団法人がございまして、この事業協会は、秋に川で捕獲したサケを全道百二十五か所のふ化場に送り、採卵して稚魚になるまで育て、春に放流しています。先ほども回答があったと思いますが、いわゆる資源管理をする団体であります。
二〇二二年度の特別採捕許可の実績によれば、アイヌ民族の団体は、この許可が下りたところが十一団体、河川の数が十二本、そして、捕獲実績が全道で七百七十五匹という数字が上がっているんですけれども、これに対して、増殖事業協会の特別採捕の件数はどういう数字になっているかといいますと、許可を受けた団体は、これは地区団体なので九団体、そして河川数が百十四本、そして、捕獲したサケの数ですけれども、四百七万五千二百四十三匹という数字がございます。
先ほどもお話ししましたけれども、この捕獲されたサケが、先ほどのふ化場は百二十五か所なんですけれども、この百二十五か所のふ化場で受け入れられるサケの量は百二十二万匹ということになっています。じゃ、その差額はどうなっているかというと、この協会が市場に卸して、その資金は協会の財源に充てられているということになります。
もう一度申しますけれども、アイヌに対しては全道で七百七十五匹に対して、この事業協会は四百七万匹捕り、本当に必要な部分の百二十二万匹との差額は、自らがある意味では商業利用している。
御存じのように、この前、四月九日に、ラポロアイヌネイションの方たちが、伝統的な行事のためにサケを捕りたいということで札幌地裁に訴えましたけれども、札幌地裁は、みんなの川なので、アイヌ民族だけの商業利用は認められないといって、これを敗訴にいたしました。
では、もう一つの特別採捕をやっている団体のこうした数字というのは商業利用に当たらないのかということがこれまで議論をされてこなかったというのが大変大きな問題ではないかと思います。
水産庁がいらっしゃるので、こうした実態に関しては把握をされていたでしょうか。
170
伊東良孝(自民)内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・地方創生・アイヌ施策)
詳しくは存じ上げませんが、そのお話は聞かされたことがございます。
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171
上村英明(れいわ)
知っていらっしゃる方が目の前にいると大変心強いんですけれども。
四月九日の質疑で、私の方から、一八六九年に現在の北海道が日本に編入されたという指摘をいたしました。御存じのように、すぐに開拓使が設置をされ、間もなく北海道の内水面管理とサケの資源化が図られます。
当時、政府は、北海道の開拓をお金にしようと思って、鹿猟とサケ漁、これで実は缶詰を作って海外に輸出をするということをやったんですけれども、その中で、北海道のサケの資源管理は支庁ごと、あるいは河川ごとにかなり複雑な管理が進められておりましたので、一概には言えないんですけれども、大体、一八七八年の開拓…
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172魚魚谷敏紀水産庁資源管理部長
お答えいたします。
昭和二十六年に制定をされました水産資源保護法によりまして、産卵するために河川に遡上したサケの親魚が産卵前に採捕され資源が枯渇することのないよう、河川等の内水面におけるサケの採捕を原則として禁止をしておりますが、各都道府県知事の許可を受けた場合にはサケを採捕できるということとなっております。
その上で、平成十七年に、伝統的な儀式若しくは漁法の伝承及び保存並びにこれらに関する知識の普及啓発のために行うサケの採捕について、北海道知事の許可を受けて行うことができるよう、北海道漁業調整規則が改正をされたということでございます。
さらに、令…
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- (上の発言)
173
上村英明(れいわ)
今、先のところまで御説明いただきましたので感謝申し上げたいんですけれども、今おっしゃられた北海道内水面漁業調整規則が改正されたのは二〇〇五年のことです。今お話しいただいたんですが大事なところなので繰り返しますが、第五十二条に、伝統的な儀式や漁法の伝承、これらに関する知識や普及啓発という目的が書き込まれ、この中で特別採捕というものがアイヌ民族に公開されたということがございます。
実は、この背景のところは今説明されなかったんですけれども、先ほどのように、アイヌのサケ漁を禁止した状態の中で、一九八二年に、先ほどの豊平川で、新しいサケを迎える儀式、アシリチェップノミが多くのアイヌ民族の努力で復活いたしました。復活したんですけれども、このときは漁業権がアイヌに認められておりませんでしたので、主催者は何をしたかというと、河原に生けすを掘って、その生けすの中に市場で買ってきたサケを入れて、それを捕ったふりをして伝統行事をやったということがございます。これは、民族の文化や伝承を守るという意味では大変失礼な状況を生み出したということを行政の方で反省する中から、二〇〇五年の調整規則の改正があったという事実がございます。
今日は、その問題ではなくて、その結果出た特別採捕がどういう問題を含んでいるかということを御指摘したいと思うんです。
二〇〇五年にアイヌ民族に対する特別採捕が認められたという話をしたんですが、じゃ、元々この特別採捕は誰のためにつくられたのかということに関して、ほとんど政治の世界でも議論されていません。誰のためにつくられたかというと、北海道さけ・ます増殖事業協会という公益社団法人がございまして、この事業協会は、秋に川で捕獲したサケを全道百二十五か所のふ化場に送り、採卵して稚魚になるまで育て、春に放流しています。先ほども回答があったと思いますが、いわゆる資源管理をする団体であります。
二〇二二年度の特別採捕許可の実績によれば、アイヌ民族の団体は、この許可が下りたところが十一団体、河川の数が十二本、そして、捕獲実績が全道で七百七十五匹という数字が上がっているんですけれども、これに対して、増殖事業協会の特別採捕の件数はどういう数字になっているかといいますと、許可を受けた団体は、これは地区団体なので九団体、そして河川数が百十四本、そして、捕獲したサケの数ですけれども、四百七万五千二百四十三匹という数字がございます。
先ほどもお話ししましたけれども、この捕獲されたサケが、先ほどのふ化場は百二十五か所なんですけれども、この百二十五か所のふ化場で受け入れられるサケの量は百二十二万匹ということになっています。じゃ、その差額はどうなっているかというと、この協会が市場に卸して、その資金は協会の財源に充てられているということになります。
もう一度申しますけれども、アイヌに対しては全道で七百七十五匹に対して、この事業協会は四百七万匹捕り、本当に必要な部分の百二十二万匹との差額は、自らがある意味では商業利用している。
御存じのように、この前、四月九日に、ラポロアイヌネイションの方たちが、伝統的な行事のためにサケを捕りたいということで札幌地裁に訴えましたけれども、札幌地裁は、みんなの川なので、アイヌ民族だけの商業利用は認められないといって、これを敗訴にいたしました。
では、もう一つの特別採捕をやっている団体のこうした数字というのは商業利用に当たらないのかということがこれまで議論をされてこなかったというのが大変大きな問題ではないかと思います。
水産庁がいらっしゃるので、こうした実態に関しては把握をされていたでしょうか。
174魚魚谷敏紀水産庁資源管理部長
お答えを申し上げます。
北海道知事による特別採捕許可につきましては、先ほど申し上げた北海道漁業調整規則に基づきまして、試験研究、教育実習、増殖用の種苗の供給を目的としたもの、あるいは、内水面における伝統的な儀式、漁法の伝承、保存、これらに関する知識の普及啓発を目的としたものに許可を受けることができるという制度となっております。
サケの人工ふ化放流事業を行う団体でございます北海道の増殖協会に対する許可につきましては、サケの増殖用の種苗を供給することを目的としている一方、アイヌ関連団体に対する許可につきましては、伝統的な儀式、漁法の保存、伝承等を目的とし…
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上村英明(れいわ)
伊東大臣がいらっしゃるので、今のように、はっきり言うと、水産庁では把握していない、北海道でやっているからということなんですけれども、こういう格差があり、ある意味ではその是正を求めてラポロアイヌネイションの方たちがこうした裁判を、裁判所に訴えるということもあったということを御理解いただきたいと思います。
こういう意味で、今日はもう時間がないので最後になりますけれども、こういうお話を聞かれて、伊東大臣の感想を最後にお伺いできればと思います。
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伊東良孝(自民)内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・消費者及び食品安全・地方創生・アイヌ施策)
今のお話、我々もこれまでも聞いております。
根本的にちょっと違うんですけれども、アイヌ民族がサケを、昔から自分たちの食べる分について川で捕っていたということと、増殖事業協会が今、増殖を目的として、卵を取ることを目的として捕っているのとは、ちょっと性格が違うと思うんです。
僕は、アイヌ民族の長老に、サケのお祭りがあったときに、伝統的なアイヌのお祭りがあったときに、今年も大漁であることをお祈り申し上げますという締めの言葉を使ったら、伊東さん、それは違うぞ、我々は自分たちが必要とする分を得ればいい話であって、他に売るとか出すとか、そういう部分では、たくさん…
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