ありがとうございます。田中理事長を始めJICAの皆様には、日本の血税を決して無駄にすることなく、有効な国際協力を進めていただくことを期待をいたします。
次に、中国の対外援助に対する日本の対応について伺います。
私は、JICAに勤務していた際、途上国のニーズに合わせた案件形成に努めてまいりました。その中で、相手国の政府機関との協議では、日本の提案が中国の支援と比較されることがよくありました。日本のインフラ支援は、質は高いがコストがかかり、工期が長いと指摘されることが多々あり、そのことが印象深く残っております。
相手国の首脳が日本の技術力や品質のよさを理解していれば、多少のコストや工期の長さは問題にならず、日本の支援を選んでくれます。しかし、各国の政治的な事情によってスピードや安さが優先され、結果として中国の支援が選ばれることが多くあります。
スリランカ南部のハンバントタ港の整備は、その代表的な事例の一つです。ラジャパクサ元大統領の地元であったこともあり、彼の任期中に大型の港を建設したいという意向から、二〇〇八年に中国の融資を受けて工事が始まりました。そして、二〇一〇年に第一期工事、二〇一五年に第二期工事が完了しました。しかし、スリランカ政府は、返済に行き詰まり、債務を削減する代わりに港の運営権を中国企業に九十九年間譲渡することになりました。この取引は、中国が途上国への影響を強める債務のわなだとして、国際的に批判をされております。
欧米や日本などのOECD加盟国は、重債務貧困国に対しては、有償援助の債務を帳消しにした上で、その後は主に無償援助の形で支援を行うようになりました。しかし、その頃から中国は、これらの国々への貸付けを増やし、OECD加盟国が債務を免除した後に多額の融資を供与するようになりました。そして、返済が困難になった国に対しては事業の運営権の取得を強要するなど、中国は、国際的なルールを無視し、自国の経済的利益を優先する姿勢を強めています。こうした状況は決して看過できません。
世界第二位の経済大国である中国には、国際的なルールの枠組みに参加し、責任ある援助を行うことが求められます。ただし、OECDへの中国の加盟をめぐり、加盟国の間で意見が分かれているのも事実です。中国がOECDに参加すれば、中国の経済政策が国際基準に近づき、他国との協力が円滑になることが期待されます。一方で、中国の市場経済の不透明性や政府の関与の強さ、人権問題などが、OECDの価値観と一致しないとの懸念もあります。さらに、中国がOECDに加盟することにより、公正な競争環境の確保が難しくなる可能性があることから、慎重な議論が必要だと考える国もあります。
このようなことを踏まえ、中国に責任ある援助を行ってもらうよう、政府として中国にどのように対応していく方針なのか、岩屋外務大臣の御見解をお聞かせください。
136石石月英雄外務省国際協力局長
お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、今回の法改正におけるJICAによる信用保証と債券取得の導入、これは民間資金動員の促進が目的でございますが、これらの取組が市場歪曲やモラルハザード、こういったものを招かないように適切な運用を行う必要があるというふうに認識してございます。
このため、信用保証におきましては、信用保証の供与先である民間金融機関等にも相応のリスクを負担させるという意味で部分保証とすることを考えておりまして、また、事業リスクに見合った保証料率を設定することを想定してございます。
また、債券取得におきましては、従来の融資と同様に、債券発…
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西園勝秀(公明)
御説明ありがとうございます。くれぐれも相手国の市場をゆがめることがないよう、適切な制度の運用をお願いいたします。
同時に、ODAの原資をつくり出してくださっている日本の納税者に対しても丁寧な説明をお願いいたします。
近年の物価高騰により、多くの国民が生活の苦しさを感じています。食料品や光熱費の値上げが家計を圧迫し、特に低所得世帯や年金生活者の方にとっては深刻な影響を及ぼしています。そのような状況の中で日本がODAとして多額の資金を海外に提供していることに対し、まずは自国民の生活を支えるべきではないか、あるいは、財源に限りがある中、優先順位を見直すべき…
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138田田中明彦独立行政法人国際協力機構理事長
今、西園先生がおっしゃったように、本当に公的資金が必要であるかどうかということの判断は大変重要な課題だと思っております。
どのように行うかといいますと、債券取得や信用保証をまず実施するに当たっては、まず、そもそも対象事業に開発効果があるということが認められないと、そもそもJICAのやる開発協力ではなくなってしまいますので、開発効果があるということ、それから、既存の民間、民有機関の支援では対応できないということを前提にして、JICAの強みを生かすことができる案件を選定する、そういうつもりでおります。
ですから、公的資金の投入に見合う追加的な成果を確保す…
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- (上の発言)
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西園勝秀(公明)
ありがとうございます。田中理事長を始めJICAの皆様には、日本の血税を決して無駄にすることなく、有効な国際協力を進めていただくことを期待をいたします。
次に、中国の対外援助に対する日本の対応について伺います。
私は、JICAに勤務していた際、途上国のニーズに合わせた案件形成に努めてまいりました。その中で、相手国の政府機関との協議では、日本の提案が中国の支援と比較されることがよくありました。日本のインフラ支援は、質は高いがコストがかかり、工期が長いと指摘されることが多々あり、そのことが印象深く残っております。
相手国の首脳が日本の技術力や品質のよさを理解していれば、多少のコストや工期の長さは問題にならず、日本の支援を選んでくれます。しかし、各国の政治的な事情によってスピードや安さが優先され、結果として中国の支援が選ばれることが多くあります。
スリランカ南部のハンバントタ港の整備は、その代表的な事例の一つです。ラジャパクサ元大統領の地元であったこともあり、彼の任期中に大型の港を建設したいという意向から、二〇〇八年に中国の融資を受けて工事が始まりました。そして、二〇一〇年に第一期工事、二〇一五年に第二期工事が完了しました。しかし、スリランカ政府は、返済に行き詰まり、債務を削減する代わりに港の運営権を中国企業に九十九年間譲渡することになりました。この取引は、中国が途上国への影響を強める債務のわなだとして、国際的に批判をされております。
欧米や日本などのOECD加盟国は、重債務貧困国に対しては、有償援助の債務を帳消しにした上で、その後は主に無償援助の形で支援を行うようになりました。しかし、その頃から中国は、これらの国々への貸付けを増やし、OECD加盟国が債務を免除した後に多額の融資を供与するようになりました。そして、返済が困難になった国に対しては事業の運営権の取得を強要するなど、中国は、国際的なルールを無視し、自国の経済的利益を優先する姿勢を強めています。こうした状況は決して看過できません。
世界第二位の経済大国である中国には、国際的なルールの枠組みに参加し、責任ある援助を行うことが求められます。ただし、OECDへの中国の加盟をめぐり、加盟国の間で意見が分かれているのも事実です。中国がOECDに参加すれば、中国の経済政策が国際基準に近づき、他国との協力が円滑になることが期待されます。一方で、中国の市場経済の不透明性や政府の関与の強さ、人権問題などが、OECDの価値観と一致しないとの懸念もあります。さらに、中国がOECDに加盟することにより、公正な競争環境の確保が難しくなる可能性があることから、慎重な議論が必要だと考える国もあります。
このようなことを踏まえ、中国に責任ある援助を行ってもらうよう、政府として中国にどのように対応していく方針なのか、岩屋外務大臣の御見解をお聞かせください。
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岩屋毅(自民)外務大臣
委員御指摘のとおり、中国は、OECD開発援助委員会、DACのメンバーではありませんので、我が国と同様に、国際基準にのっとった援助データの報告を行っておりません。中国政府の開発協力に関する発表は、詳細な情報を明らかにしておらず、不透明な点が多いことは事実でございます。
昨今、グローバルサウスの存在感が増す中で、中国を始めとする新興ドナー国による支援の実態を正確に把握することは、我が国を含む既存のドナー国の支援の効果的実施の観点から必要不可欠だと思っております。
委員御指摘のとおり、中国は、今や世界第二位の経済大国、GDP総額でいえば我が国のもう四・五倍…
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西園勝秀(公明)
岩屋大臣、御説明ありがとうございます。
ただいま大臣がおっしゃったとおり、OECDを始めとする国際基準と整合的な形で援助が行われるよう是非中国に対して働きかけていただくよう、よろしくお願い申し上げます。
中国との競争という観点では、円借款の日本タイド、すなわち、日本の企業や技術の活用を条件とするSTEP制度をもっと活用できるようにすべきだと考えます。
日本のインフラ事業は、高品質で耐久性があり、環境や防災面でも優れた技術を備えています。この優れた日本のインフラ技術を途上国に提供し、長期的で持続可能な発展を支援することはとても重要です。また、日本企業…
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142石石月英雄外務省国際協力局長
お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、開発途上国に対する円借款の供与に当たっては、我が国の優れた技術やノウハウを提供することは、開発途上国の人々の暮らしを豊かにするとともに、開発途上国の成長を取り込みつつ日本経済の活性化につなげるという観点からも重要だと認識しております。
いわゆるタイド借款であるSTEP、本邦技術活用条件、これは原則として我が国に優位性のある分野を対象とし、我が国の事業者が有する技術、資機材が活用される案件に適用されるということとしておりまして、幅広く日本企業への裨益に貢献しているところでございます。
STEPについては、導入…
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