大門実紀史 (日本共産党)

2026年7月10日・第221回国会 参議院 デジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会 第9号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 176 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 234 発言)

これは単なる研究機構の設立の話でもなくて、また従来の研究機関と同列の話でもなくて、やはりちょっと随分踏み込んだ、これからの日本の科学技術の方向性をこのGSC構想は示しているんじゃないかと。その点からすると二つの問題点があるんではないかというふうに、内閣委員会でも議論したことあるんですが、思います。

一つは、政府の成長戦略に従って、当面の目先の経済界の利益を優先する研究と、いかに早く実用化するかというような視点ですよね。これは、以前から問題になっているように、基礎研究が軽視されて日本の研究力、国力が落ちているということの指摘がされているにもかかわらず、相変わらずといいますか、更にまたこういうところにお金を使っていくと。基礎研究に対する支援はなおざりにしたまま更にこういうところに体制もお金も使っていくという点で、そういう根本的な日本の科学技術の方向性、政策の方向性について問題があるというふうに一つは思うわけですね。

二つ目は、この研究の重点分野に、スタートアップ支援に軍事分野、デュアルユースが含まれているということなんですね。これは決して日本経済の発展につながるものじゃなくて、日本の技術発展の足かせにもなりかねないということで、これも大臣と内閣委員会で議論したんですけれども、その二つの点が非常に感じられるというか、踏み込んでいる構想ではないかと思うんですね。

まず、基礎研究がおろそかにされてきた問題なんですけれども、言うまでもなく、いろんなイノベーションというのは源はみんな基礎研究でございます。ところが、一九九五年の科学技術基本法制定以降、日本の科学技術政策というのは、どんどん、何といいますか、将来、中長期的よりも近視眼的になって、早く成果を出せ、早く実用化しろというような流れになってきて、研究者は、とにかく自由に自分の研究をやっていってもらえばもらうほどいろんなものが後々イノベーションにつながってくる、自由な研究というのは大事なわけなんですね。そういう基礎研究は大変大事なわけでございます。

ところが、すぐ役に立つのか立たないのかという議論が、本当に、小泉構造改革以来かなりされてきたのを見てまいりましたけど、とにかく、全てのイノベーションというのは基礎研究がベースになっているわけですね。

例えば、私たちは今スマホを使っていますよね。あのスマホで、地図アプリで位置が正確に出ますよね。あれはGPSなんですけれども、あれ、実は正確な位置を確定するときに相対性理論が使われているんですよね。相対性理論というのは、アインシュタインが発明したときは何の役に立つかと誰も関心を持たなかったのが、もちろん核エネルギーを発見するとかなっているんですが、そういう、申し上げたいことは、基礎研究、基礎理論が全て今私たちの生活に関わっているという点で大変重要なわけなんですけれども、依然ずっとおろそかになってきております。

ほかの国との比較、時間の関係で全部申し上げませんが、かつて日本は基礎研究も含めて科学技術を先導する立場だったんですけど、今では中国、インド、韓国などに追い越されておりまして、特に基礎研究の成果では韓国に抜かれているような状況でありますよね、論文の数からいって。日本は、研究論文の数は日本は世界で五位らしいんですが、基礎研究の論文は韓国に抜かれておりますし、中国は基礎研究も応用研究も論文で世界一というようなことになっているわけでございます。

これ、政治の課題として、長年、長いこと基礎研究の問題は言われてまいりましたけれど、これは大臣にお聞きしたいと思いますけれども、なぜ、常に基礎研究大事だと言われながら、こうやってどんどん基礎研究の研究力、国力が落ちていっているのかと。その辺は、これはもう党派を超えたみんなの課題だと思うんですが、大臣はいかが認識されておりますか。

前後のやりとり

172の発言を見る

180の発言を見る