前泊博盛沖縄国際大学経済学部長・経済学部教授/沖縄国際大学理事

2026年7月3日・第221回国会 参議院 沖縄・北方問題及び地方に関する特別委員会 第6号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 77 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 83 発言)

取引というところでは沖縄返還協定というのがありました。沖縄はアメリカが血を流して取った領土なのに、それを無償で提供はできないという、そんな議論もされていたようですね。

その際に、これも戦後史の中で今検証してきましたけれども、当時の沖縄の米軍基地、これを維持して、そして朝鮮戦争あるいはベトナム戦争に臨んでいたときに、沖縄基地の返還運動が非常に激しくなって、二十万人規模のデモ隊に囲われたときに、当時のスナイダー民政官は、これもう沖縄を日本に返せと、なぜなら、日本の警察を入れて、そして日本の自衛隊でも入れない限り米軍基地を維持するのは困難だという、そんな発言をしているんですね。そこで、返すということを軍の方に交渉しに行ったら、我々が血を流したところを返すというのは、そんなことはできないと言ったらしいですね。それに対して、ミルクが欲しいからといって牛を飼うばかはいないと、牛を飼うためのお金が掛かり過ぎているんだと、おまえたちが欲しいミルクは俺たちが取ってやるから、牛は持ち主に返してやれという話をしたということを聞かされました。

つまり、その際の交渉というのは、沖縄というものの復興資金も含めて、生活費も含めて、アメリカが予算を出していた時代ですね。それから、日本に返してあげることで沖縄の費用を日本側に負担をさせる、それから基地を維持するための資産を、お金を日本側に負担をさせる、まさに思いやり予算も含めて、こういう形をつくって返していくという形で沖縄返還を実現してきたという話を聞かされました。

そういう意味では、新しい基地を返すという交渉の先に何を払うかという、今幾らだという話が出ていましたけれども、同じように我々も、実は、嘉手納基地は今資産価値が幾らかという、あるいは普天間基地は、あるいはキャンプ・ハンセン、シュワブは、あるいは横田はという、この数字はアメリカ側が毎年試算を出して、どれぐらいの資産価値があるかというのを出しています。そういう中でいうと、なぜか嘉手納よりもこの横須賀基地の方が上がってきたりするんですね。もしかしたら核の貯蔵庫でも造っていないかというような疑惑すら出る。そういうそれぞれの基地の価格の変動を見ながら、その装備がどういうふうに変化しているかというのも見たりしています。

それから、返還に当たって第一次トランプ政権と安倍首相がやり取りをしたときに、これはもちろん、思いやり予算、思いやり過ぎ予算とも言われていますが、思いやり予算の交渉の際に、あるいはその片務性の問題をつつかれたときに、双務性、アメリカは日本が危ないとき助けに行くのに、なぜアメリカが危ないとき日本は来ない、このフェアな関係にもう一度すべきじゃないかということを第一次トランプ政権で言われたときに、安倍さんがどうクリアしたか。帰ってきて初めてアメリカから感謝されて分かりましたが、F35を百機も買ってくれてありがとうと言われました。こういう裏側の交渉でそれなりのディールをちゃんとやってきているんですね。ちゃんとやったかどうか分かりませんが。

そういう形で、彼に対してそういう対処をしてきたというのもありますし、ディールに対して今出せるものは何かというのはありますけれども、これは、これをやめることによって得するものと損するもの、両方が必要だと思っています。日本を軽視することによるアメリカのマイナス、それから日本を重視することによるプラス、こういった損得勘定で政治の世界でもしっかりと見据えた上で、トランプ政権との対応をしっかりと議論をしていってほしいと思います。

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