極めてアカデミックなというか、高度な議論で、どこまでお答えできるか甚だ心もとないところもありますけれども、先生の胸を借りるつもりでお答えしてみたいと思いますが。
おっしゃったとおりで、日本側からすると、これは、朝鮮議事録ですね、これはアメリカ側は恐らく失効したとは見ていないと私も思っています。
朝鮮議事録というのは、主語がアメリカではなくて、国連の統一司令部の下に入ったアメリカというふうになっていますので、ですから、国連軍に変身した米軍、これに関してはいわゆる事前協議しなくていいんだということを一九六〇年の安保改定のときに取り決めています。
日本側としては、佐藤政権、一九六九年の段階でこれに代わる声明を発しているので、これはもうリプレースされたという立場を取っているようですけれども、そこから十年後、一九七九年の段階で、アメリカ側の資料によると、朝鮮議事録、つまり、事前協議をバイパスするこの仕組みとして国連軍は重要だというふうにアメリカ側は考えているので、私としてはこれはやはり有効なんだろうというふうに思っております。
他方で、韓国側は、当然だけれどもこの問題に非常に詳しくて、私もこの国連軍の問題に遅ればせながら気付いたきっかけは、韓国の軍人から指摘されたからです。慌てて勉強をして今に至るわけですけれども、韓国においては国連軍の再活性化という言葉を使いますけれども、まさにこの戦時統制権の問題と絡めて、韓国においては、一方で安全保障上の担保になるという考え方と、一方で韓国にとっての重大な主権侵害に当たるんだという考え方が二つございます。
私としては、やはり、この問題は日韓で何らかの形で議論すべきところだろうと思います。しかし、韓国というのは国連軍じゃないんですね。ですから、日本と国連軍地位協定も結んでいないので、実は当事者じゃないので非常にこれ制度的にはややこしい問題ではあるんですけれども、アメリカは少なくとも、この東アジアの安全保障を面で捉えているという意味でいうと、いわゆるこの国境線というのは国際法上の境界線であって安全保障上の境界線ではないわけです。我々は国際法上の境界線に従って物事を考えがちですが、アメリカにとって日韓というのは、同じ面に属している一つのシアターです。
ですから、この安全保障環境が非常にドラスチックに変わりつつあるのであるとするならば、やはり我々も頭の中を少し考え方を変えて、国際法上の国境線は確かに重要だけれども、安全保障上の境界線というのは別のものだというふうに考えた上で、日韓で建設的な、特にこの国連軍を結節点にした関係性というものが戦後一貫して存在しているわけなので、この問題について議論するまずは土台というかテーブルを設ける必要があるだろうと思っています。
76
横沢高徳(立憲)
続きまして、前泊参考人。
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77前前泊博盛沖縄国際大学経済学部長・経済学部教授/沖縄国際大学理事
取引というところでは沖縄返還協定というのがありました。沖縄はアメリカが血を流して取った領土なのに、それを無償で提供はできないという、そんな議論もされていたようですね。
その際に、これも戦後史の中で今検証してきましたけれども、当時の沖縄の米軍基地、これを維持して、そして朝鮮戦争あるいはベトナム戦争に臨んでいたときに、沖縄基地の返還運動が非常に激しくなって、二十万人規模のデモ隊に囲われたときに、当時のスナイダー民政官は、これもう沖縄を日本に返せと、なぜなら、日本の警察を入れて、そして日本の自衛隊でも入れない限り米軍基地を維持するのは困難だという、そんな発言…
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78
伊勢崎賢治(れいわ)
済みませんね、リアクションしている時間がないんで、ごめんなさいね。
川名先生、朝鮮国連軍のことなんですけど、多分これ日本人には分かりにくい、本当に分かりにくいですね。朝鮮国連軍といっていますけど、今の国連の常備軍ではありませんと。このことを話すとまた長くなっちゃうんですけど。
実は、先週の予算委員会で高市総理にこのことを、この地位協定のことを質問したばかりなんですよ。その中では、事前協議、この朝鮮国連軍地位協定における事前協議について、いわゆる密約のコリア・ミニッツ、朝鮮議事録ですか、これが事実上失効していると日本政府は一応見解を述べていますけれども…
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- (上の発言)
79川川名晋史大東文化大学法学部政治学科教授
極めてアカデミックなというか、高度な議論で、どこまでお答えできるか甚だ心もとないところもありますけれども、先生の胸を借りるつもりでお答えしてみたいと思いますが。
おっしゃったとおりで、日本側からすると、これは、朝鮮議事録ですね、これはアメリカ側は恐らく失効したとは見ていないと私も思っています。
朝鮮議事録というのは、主語がアメリカではなくて、国連の統一司令部の下に入ったアメリカというふうになっていますので、ですから、国連軍に変身した米軍、これに関してはいわゆる事前協議しなくていいんだということを一九六〇年の安保改定のときに取り決めています。
日本側としては、佐藤政権、一九六九年の段階でこれに代わる声明を発しているので、これはもうリプレースされたという立場を取っているようですけれども、そこから十年後、一九七九年の段階で、アメリカ側の資料によると、朝鮮議事録、つまり、事前協議をバイパスするこの仕組みとして国連軍は重要だというふうにアメリカ側は考えているので、私としてはこれはやはり有効なんだろうというふうに思っております。
他方で、韓国側は、当然だけれどもこの問題に非常に詳しくて、私もこの国連軍の問題に遅ればせながら気付いたきっかけは、韓国の軍人から指摘されたからです。慌てて勉強をして今に至るわけですけれども、韓国においては国連軍の再活性化という言葉を使いますけれども、まさにこの戦時統制権の問題と絡めて、韓国においては、一方で安全保障上の担保になるという考え方と、一方で韓国にとっての重大な主権侵害に当たるんだという考え方が二つございます。
私としては、やはり、この問題は日韓で何らかの形で議論すべきところだろうと思います。しかし、韓国というのは国連軍じゃないんですね。ですから、日本と国連軍地位協定も結んでいないので、実は当事者じゃないので非常にこれ制度的にはややこしい問題ではあるんですけれども、アメリカは少なくとも、この東アジアの安全保障を面で捉えているという意味でいうと、いわゆるこの国境線というのは国際法上の境界線であって安全保障上の境界線ではないわけです。我々は国際法上の境界線に従って物事を考えがちですが、アメリカにとって日韓というのは、同じ面に属している一つのシアターです。
ですから、この安全保障環境が非常にドラスチックに変わりつつあるのであるとするならば、やはり我々も頭の中を少し考え方を変えて、国際法上の国境線は確かに重要だけれども、安全保障上の境界線というのは別のものだというふうに考えた上で、日韓で建設的な、特にこの国連軍を結節点にした関係性というものが戦後一貫して存在しているわけなので、この問題について議論するまずは土台というかテーブルを設ける必要があるだろうと思っています。
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横沢高徳(立憲)
時間が参っています。
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伊勢崎賢治(れいわ)
是非、日韓のネットワーク、学者レベルでもやりましょうか。つくりましょう。
ありがとうございました。終わります。どうも。
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横沢高徳(立憲)
以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。
参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。
参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)
本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
午後四時三分散会
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