川名晋史大東文化大学法学部政治学科教授

2026年7月3日・第221回国会 参議院 沖縄・北方問題及び地方に関する特別委員会 第6号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 38 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 83 発言)

歴史的、今ということではなくて、かつて海兵隊、沖縄の海兵隊が、国防総省の国防長官府の、非常に、要はその意思決定ラインの上の方で沖縄から撤収すべきであると、こういう計画が立案されていたときに、彼らがどのような理由で沖縄からの撤退に反対したのか、それについて御紹介をいたします。

一つは、地理の問題がやはりございます。

沖縄の地理的位置が、インド洋にも近く、朝鮮半島にも近く、そして台湾海峡にも近いということで、まず位置にかなり優位性を持っているというのが彼らの考え方です。これは疑いようのない事実だと思います。

しかしながら、この点について留意が必要なのは、これは軍の論理だということで、一方で、国防総省は、朝鮮半島には遠過ぎると、グアムから行ったって大して変わらないんだということで、沖縄の海兵隊は不要であると、こういう立場を取っていたし、沖縄海兵隊全体をアメリカに戻すということを彼らは考えていたので、アメリカというふうに一口に言ったときに、軍の考え方と、それから国防総省の中のいわゆるスーツ組ですね、背広組では随分考え方が違うので、そこについては我々は気を付けなければいけないと思います。

もう一つは、使い勝手の問題です。

これはもう間違いなく、沖縄における海兵隊のキャンプ・バトラーという、全体のことをいいますけれども、これが、いわゆる滑走路があって、そして司令部があって、そしてロジ機能、これが近いところに、要は手の届くところに全部そろっているという意味において非常に使い勝手がいいと、これもまた間違いないと思います。

しかし、これは、徐々に徐々に彼らが近場に必要なものを置くようになってきた。歴史的に考えれば、最初からそうだったわけではなくて、例えば普天間飛行場というのは元々空軍の基地で、空軍は要らなくなったということで海兵隊が引き継いだと先ほど申し上げました。そのような形で、飛行場のような重要な軍事拠点が一個ぼんと置かれると、それに吸着するようにその他の様々な機能が近くに寄ってくるんですね。この半世紀の日本における海兵隊の歴史というのは、まさに彼らが必要とする機能を沖縄に吸収していく、近づけていく、そういう過程でもありました。

ですから、今日、海兵隊にとって極めて使い勝手のいい基地、機能的にも使い勝手がいいし、また法的にも日米地位協定で排他的な管理権が彼らに与えられていますので、そういう意味での自由度も非常に大きいと。したがいまして、海兵隊からすると、世界的に数がただでさえ少ない、で、使い勝手がいいということで、沖縄は重要であるというふうに考えるのは極めて自然なことだと思います。

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