古賀之士 (立憲民主党)

2026年7月13日・第221回国会 参議院 本会議 第28号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 7 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 51 発言)

立憲民主・無所属の古賀之士です。

私は、会派を代表し、ただいま議題となりました政策評価実施状況報告について質問いたします。

行政監視の年間サイクルにおける本会議報告は今年で七回目となります。これまでの取組に敬意を払いつつ、しかしまだまだ新しい制度ですので、改善できる余地があるのではないかという期待を込めて質問させていただきます。

まずは、令和八年、二〇二六年二月の総選挙の執行に関する検証について、四問お尋ねをいたします。

国会冒頭の解散により十分な予算審議や与野党論戦が行われず、公示まで四日、投票まで十六日間という戦後最短の選挙戦となりました。主権者たる国民が各党のこれまでの実績や公約を客観的に政策評価する時間を著しく奪った今回の執行プロセスをどう総括しているのでしょうか。

今後は、主権者の評価の質を担保するために、解散から投票まで最低限必要な期間を定量的に定め、制度の形骸化を防ぐ公職選挙法の改正に着手すべきと考えますが、林芳正総務大臣の見解を伺います。

これほどの超短期決戦でありながら、不在者投票や在外投票の手続は依然としてアナログのままであり、投票機会の損失を招きました。

特に在外投票において、令和八年、二〇二六年二月に行われた総選挙では、在外有権者百五万人に対する投票数は比例区で三万人にも及ばず、実質的な投票率は三%を下回りました。さらに、投票用紙を郵送した方についても、郵便の到着が締切りに間に合わなかった割合が実に二七%という制度創設以来最悪の数字を記録しており、投票権が担保できなかったという大きな問題があると考えます。

現在の在外投票制度が投票率にどのように影響しているかの政策評価について、総務大臣の見解を伺います。

次に、遠洋航海中の船員の方々が投票できる洋上投票制度です。

これは在外投票とは全く異なる制度です。現行法では、対象が国政選挙、つまり衆議院議員選挙、参議院議員選挙、さらに最高裁裁判官の国民審査のみに限定され、地方選挙や国政の補欠選挙では投票権が行使できないという政策上の制度的欠陥が放置されています。この投票権の不平等がもたらす社会的損失をどう評価していますか。

洋上投票制度では、非常に煩雑で、当該船員の方がまず船長に投票の希望を申し出ます。そして、船長が投票の送信用紙を選挙管理委員会に依頼をして、用紙を選挙管理委員会から受領して、船に持ち込んで、そして、選挙が行われるときに船員の方に投票用紙が船の中で船長から渡されて、そしてセキュリティーが万全と言われているファクスによってそれが最終的には選挙管理委員会に届くというシステムになっています。

いまだに実物の投票用紙をファクスで送信するというアナログの運用を改め、衛星インターネットを活用した暗号化電子投票システムへ移行した場合のコスト対効果を評価し、速やかに法改正を進めるべきだと思います。ホルムズ海峡で働く方々や遠洋航海に従事する方々など、まさに海洋国家たる日本を支える方々の権利を奪ってはならないと考えるからです。

前回、行政監視委員会で質問した際には、海上投票制度自体が議員立法によるため、議員立法によるものであるため、総務省としては検討しないというような御答弁がありましたが、そもそも行政が船員の投票権を担保しないから議員立法として取り組まなければならなかったわけですから、行政がそれを盾に取り組まないという理由にするのは筋が違うと考えます。各党協議会での議論に敬意を払いつつ、行政もそれに負けぬよう奮闘されることを期待して、総務大臣の見解を伺います。

続いて、クールジャパン機構の累積赤字と統廃合の問題について伺います。

政府が一千四百億円以上を出資しながら累積赤字が五百四十億円にまで膨らんだクールジャパン機構について、これまでの投資判断における政策評価基準がいかに甘かったかを問います。

私も決算委員会や国際経済・外交に関する調査会にて七回にわたって質問してきましたが、最終年度には累積損益がプラス十億円となり黒字化するという予想はどうなったのでしょうか。これは、何も十年前の予想ではなく、二〇二五年、去年の決算委員会で答弁された数字です。余りにも甘い見積りではないでしょうか。

個別案件の撤退基準、つまり損切りルールが機能しなかった要因をどう分析されているのでしょうか。廃止、統廃合の議論を進める前に、外部の第三者委員会による失敗の本質に関する厳格な政策評価レポートを作成し、主権者たる国民の皆様方に全面開示することを強く求めますが、この提案はいかが受け止められますでしょうか。赤澤亮正経産大臣、お答えください。

さらには、市場環境と政策効果のミスマッチに関する分析も必要です。

足下では、歴史的な円安の追い風もあり、訪日外国人観光客は近年増加しています。アニメも漫画も世界中で広く親しまれています。これほど日本のコンテンツや文化の市場需要が高まっている絶好の環境において、なぜクールジャパン機構の投資効果だけがマイナスという真逆の結果になったのでしょうか。市場のトレンド分析と政府のいわゆるお墨付き政策との間に生じた致命的なミスマッチについて、マーケティング視点での評価を経産大臣に求めます。

また、組織解体に伴う知的資産、機能移管の評価はどうでしょうか。経済産業省は統廃合を視野に入れた有識者検討会を設置しましたが、だらだらと組織を存続させる延命措置であってはなりません。これまでの投資活動から得られた教訓や人的、知的ネットワークを正当に評価した上で、当機構は速やかに清算、廃止すべきです。

今後のコンテンツ海外展開支援は、官製ファンドではなく、民間主導の融資保証やプロデューサーへの直接補助へのスキームとドラスチックに切り替えた方がベターと考えますが、経産大臣の決断を伺います。

次に、官公需における価格転嫁の実効性について伺います。

政府が民間企業に賃上げと価格転嫁を強く迫る一方で、官公需の価格転嫁率がさえません。中小企業庁調査における官公需の価格転嫁率は、去年、二〇二五年三月時点で五二・三%にとどまっていました。さらに、今年、令和八年、二〇二六年三月では、まさかの四ポイント減で四八・四%となっています。

この政府自身による買いたたきとも言えるような現状は、これまでの価格転嫁促進政策の評価として著しく不十分と言わざるを得ませんが、政府の自己評価を伺います。なぜ、民間への手本となるべき国の発注現場でこれほど政策浸透の遅れが生じているのでしょうか。経産大臣に伺います。

政府は、令和八年、二〇二六年四月に加速化プランを発表し、二〇二七年度までに実施率一〇〇%を目指すとしていますが、この目標達成に向けた中間評価はどう設定されていますか。特に、財政が逼迫する地方自治体の発注現場において、本プランの効果をどう測定、評価されるのでしょうか。経産大臣に伺います。

転嫁に応じた自治体に対して地方交付税上の優遇措置を設けるなど、政策のインセンティブ設計を定量的な評価と連動させるべきではないでしょうか。こちらは林総務大臣に伺います。

中小企業が労務費や原材料費の高騰を官公需において転嫁しようとしても、変更手続の、変更契約の手続に関わる事務負担が過大であるため、申請を断念するケースが多発しています。この手続の煩雑さが政策効果を阻害している現状をどう評価していますか。個別の価格交渉を不要とし、消費者物価指数や主要資材マイルストーンに応じて発注金額を自動改定する自動物価スライド制を標準装備し、契約の見直しの事務コストを削減すべきではないでしょうか。総務大臣の御所見を伺います。

インフレ下における公務員の方々の出張費、留学費用の適正化についてお尋ねをいたします。

海外出張においては歴史的な円安と物価の格差、一方、国内出張費においてはインバウンド需要の急増によりホテルの宿泊費が高騰しており、従来の旅費規程が定める宿泊上限では宿が確保できない事態も見聞しております、仄聞しております。職員の方々が手出しで差額を埋めている実態があるのかどうか、上限まで請求された事例において定量的に把握、評価しているのでしょうか。

定額上限を今のままにしておくことは、実質的な職員への不利益処分です。主要都市ごとの宿泊上限を毎年見直したり、海外においては為替と連動させたりするなど、適正な実費補填を行うべきと考えますが、片山さつき財務大臣に答弁願います。

根本的な解決も必要です。旅費高騰を前提とした場合、出張そのものの費用対効果を厳格に評価する必要があります。民間企業では、出張をウェブ会議へ置き換えることで移動コストを削減する事例があります。省庁においては、対面での挨拶や手交といった形骸化した慣例による随行出張がいまだに散見されるようです。

各省庁の出張旅費枠に対してオンライン代替による削減実績を政策評価の項目に追加し、無駄な渡航をスクリーニングする仕組みを導入すべきという声も聞きますが、現時点での総務大臣の御所見を伺います。

国費留学制度の投資対効果評価と返還規定の厳格化についてもお尋ねします。

国家公務員総合職を中心に、給与や日当を支給したまま国費で海外留学へ派遣する制度がありますが、円安とインフレの影響で一人当たりの国費負担額は数千万円規模に跳ね上がっていると聞いています。それにもかかわらず、帰国後僅かの期間で外資系企業や民間へ転職してしまうケースがあり、そこで、帰国後五年間は国家公務員として奉職しなければ留学費用を返還という留学費用の償還に関する法律が平成十八年に制定されました。しかし、法律の制定後も離職が絶えず、令和六年度においては、国外研修の後に離職し、償還義務が発生したケースが五十五件発生しています。

この人材育成投資における投資対効果及び離職率という政策の失敗を政府はどう評価されていますか。留学費用の償還に関する法律の見直しを進めていくとともに、国家公務員の処遇と職場環境についても、国家国民の皆様方のために働き続けていただくための見直しを進めていくべきと考えますが、どのようにお考えでしょうか。松本尚国家公務員制度担当大臣にお伺いいたします。

今日指摘させていただきましたことは、いずれも国民の皆様方の理解と応援が必要なことばかりです。前向きで具体的な御答弁を期待して、質問を結びます。

御清聴ありがとうございました。(拍手)

〔国務大臣林芳正君登壇、拍手〕

前後のやりとり

3の発言を見る

11の発言を見る

顔写真の出典(Wikimedia Commons、6件)