松本尚 (自由民主党)デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(サイバー安全保障)

2026年6月12日・第221回国会 参議院 本会議 第21号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 24 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 53 発言)

平戸航太議員の御質問にお答えいたします。

まず、国等データ活用事業認定制度における審査の迅速化と参入機会確保についてお尋ねがありました。

デジタル行財政推進法等改正案は、国民の利便性の向上を図るため、国の行政機関等の保有するデータの活用を行う事業を認定し、認定を受けた者が国に対して必要なデータの提供を求めることができる制度を創設するなどの措置を行うものです。

事業計画の認定プロセスについては、申請者の事業開始の見通しや事業の円滑な実施に影響を及ぼさないよう、可能な限り速やかに進められることが重要である一方、様々なリスクを生じさせないよう、関係府省とともに的確な審査を行うことも必要であり、迅速性とのバランスを図る必要がありますが、データ利活用の促進という本制度の趣旨が損なわれないよう、可能な限り迅速に手続を進めてまいります。

また、中小企業やスタートアップを含め、様々な事業者が本認定制度を活用できるよう、国等データ活用事業指針を可能な限り平易な内容とすること、それから、例えば、制度の理解を促進するための文書や過去の好事例など、申請に当たって参考となる事項を共有すること、申請前に前広に相談を受け付ける体制を整備することなど、事業者に寄り添った対応ができるような仕組みを検討してまいります。

第二に、デジタル庁の、失礼、次に、デジタル庁の司令塔機能の発揮と制度の実効性担保についてお尋ねがありました。

今般の改正案では、国等データ活用事業に関する指針の策定及びそれに基づく認定制度を設けております。

デジタル庁は、デジタル社会の形成について基本的な方針の企画立案及び総合調整等の司令塔機能を担うこととされており、これらのプロセスについても、制度の趣旨に沿って円滑、確実に国の行政機関等によるデータ提供が実施されるよう、データ政策の司令塔としての役割を発揮してまいります。

また、地方公共団体に対しても、本制度への積極的な協力について働きかけることと併せて、地方公共団体がデータ提供を行う際に必要なデータの処理等、専門的なノウハウの提供を行っていくことによって、必要な環境整備に取り組んでまいります。

次に、国民の不安を取り除くための説明責任についてのお尋ねがありました。

本特例の適用を受けるためには、統計作成等を行う事業者は、取得した個人情報を個人に関する諸情報に当たらない状態にまで一般化して加工することが求められます。また、当該事業者には、統計作成等のみに利用されることを担保するための各種の義務が課せられます。

加えて、提供前の仮名化について、例えば、漏えいした場合のリスクが極めて高いデータを提供する場合であって、行おうとする統計作成等の内容に照らして氏名等が不要であることが明らかであり、かつ、その削除が技術的に困難ではないと客観的に認められる場合には、本特例による氏名等の提供はできません。これらは法的義務であり、本特例は個人の権利利益を害するおそれが少ないことが制度的に担保されております。

こうした点について引き続きしっかりと説明をし、その責任を果たしてまいります。

次に、データ取得側のPETs、プライバシー・エンハンシング・テクノロジー導入の推進や、データ提供時の仮名化や匿名化についてのお尋ねがありました。

統計作成等の特例を活用し、AIを開発する事業者に対して、個人情報等の復元を防止するための措置を講ずることを求めていくものと承知しております。その際、PETs等を適切に活用することは有効な手段になり得ると考えており、個人情報保護委員会において、事業者にその導入を促す方策について検討していくものと承知しております。

また、AI開発等においては、氏名等の情報が必要である場合、データが構造化されておらず、氏名等を削除することが技術的に困難である場合があること等から、提供元に対して一律に仮名化や匿名化を行うことは求めておりませんが、当然のことながら、不必要に氏名等を提供することは認められません。行政機関等が保有個人情報を提供する場合も同様であります。

次に、統計作成等の特例に関して、個人情報の推測、復元等のリスクについてお尋ねがありました。

本特例の適用を受けるためには、AI開発事業者は、取得した個人情報を個人に関する情報に当たらない状態にまで一般的に加工する必要があり、また、個人情報等が復元されることを防止するための措置を講ずることが求められます。

加えて、個人情報保護法においては、事業者が違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法により個人情報を利用することが禁止されており、この規律はAIの開発や利用における個人情報の取扱いにも適用されますので、個人情報保護委員会による適切な法執行により、個人の権利利益の保護が図られるものと考えております。

次に、保護対象とする子供の年齢基準についてのお尋ねがありました。

例えば、民事訴訟においては証人として宣誓をさせることができる年齢は十六歳以上とされている等、民法以外の法令でも十八歳未満以外の年齢基準を採用する例も少なくありません。

個人情報保護法における年齢基準については、個人情報の取扱いに関して同意したことによって生ずる結果等を判断する能力が備わっているかという観点から決定することが適当と考えております。

そして、十六歳以上の者であれば、通常、義務教育の教育課程において情報モラルについて学習していることや、欧州の一般データ保護規則における年齢基準、現行のガイドライン等の運用の状況等を踏まえると、十六歳未満を年齢基準とすることが適当と考えております。

次に、社会全体でのリテラシー教育についてのお尋ねがありました。

本法案においては、子供の個人情報の取扱いに係る規律を設けているところですが、子供の権利利益を実効的に保護する観点からは、規律を設けるだけではなく、子供の個人情報の保護の重要性について、子供自身や保護者、学校関係者に対して啓発することが重要と考えております。

この点、個人情報保護委員会においても、子供の個人情報保護の重要性に関する分かりやすい教育コンテンツを作成、公表したり、全国の小学校での出前授業を実施したりするなど、種々の啓発活動を実施してきたと承知しております。

さらに、個人情報保護委員会においては、令和九年度を目途に、教育現場で活用いただける子供向けの教材の作成や教職員向けのマニュアルの整備も進めているところでございます。

個人情報保護委員会においては、子供や保護者に対してこの規律の周知が効果的に実施できるよう、関係省庁とも連携しながら取り組んでまいります。

次に、個人情報の利用停止のタイミングや実効性の担保についてのお尋ねがありました。

事業者が、統計作成等の特例に基づき取得した個人情報を学習データとしてAI開発を行った際に、例えば追加学習のため当該学習データを保有し続けている場合には、現行法の規定に基づき、所要の要件を満たせば利用停止等請求を行うことは可能です。

統計作成等の特例に基づき個人情報の提供を行う場合、提供元と提供先のそれぞれにおいて提供元、提供先の名称等の公表が求められますが、本人が容易に公表事項を把握できるよう、委員会規則において検索性の高い態様で公表することを求めていくものと承知をしております。

次に、課徴金制度についてのお尋ねがありました。

今回導入する課徴金制度においては、抑止の必要性がより高い事案に対する迅速、機動的な対応を確保する観点から、本人の数によってその対象を限定することとしております。

また、課徴金制度、課徴金額については、違反行為等によって事業者が得た金銭等に相当する額の課徴金の納付を命ずることとしており、事業者に実質的に損失を与えることが可能であります。そのため、国内事業者のみならず、海外事業者に対しても十分な抑止力を有するものと考えております。

加えて、繰り返し違反を行う事業者に対しては、通常の一・五倍の課徴金額を加算することとしております。同一の事業者である限り、単に事業者名を変更してもこれを逃れることはできず、悪質な事業者に対しても十分な抑止力が確保される制度としております。

個人情報保護委員会においては、今回導入する課徴金制度を含め、今回の改正案に対応するため、執行体制面の強化等を図った上で、海外事業者による違反行為についても厳正に対処しつつ、違反行為を実効的に抑止していくものと承知しております。

なお、本人の数が一千人以下の場合等、課徴金納付命令の対象とならない事案については、これまでどおり、勧告、命令等を通じて本人の権利利益保護を適切に図っていくものと承知をしております。

次に、委員会の執行体制についてお尋ねがありました。

現行法においても、同委員会において、法律上問題が見られた場合には指導等の権限行使を行うなど、適時適切に対処していると承知しておりますが、今回の改正法案に対応するため、更なる執行体制面の強化や専門性を有する人材の育成、確保を図るなど、準備を進めていると承知をしております。

先ほどのコヤマリョウタ、リョウ議員の、ごめんなさい、郡山りょう議員の質問に対して答弁漏れがございました。大変申し訳ございませんでした。

団体による差止め請求制度の導入を見送った理由についてのお尋ねがありました。

個人情報保護委員会においては、適格消費者団体の活用を念頭に、団体訴訟制度の導入を検討してまいりました。

検討の結果、団体訴訟制度の対象について引き続き法制的な整理が必要であること、消費者団体等から、事実関係を把握することの困難性などの実務上の課題に係る意見もあったこと等を踏まえ、団体訴訟制度の導入については見送ることとしました。

一方で、個人の権利利益の保護を図ることは重要であり、個人情報保護委員会においては、一般の個人からの相談を受け付ける窓口の活用促進、適正な監督権限の行使等により、個人の権利救済が適切に図られるよう取り組んでいるものと承知をしております。

大変申し訳ございませんでした。(拍手)

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