この目的外使用の違反とか刑罰法規について、私のこれは個人的な感覚でございますが、法務省、検察が、例えば弁護士が時々行うその弁護活動の中で、法廷の中で争うだけではなかなかいい結果を得られないと、したがって世論に訴えるんだというようなことがよく行われるわけですけれども、それについて世論が形成されて、世論というのは、報道機関もそうですけれども、全ての証拠をつぶさに検討しているわけではない。例えば、一定の証拠について切り取って、それが報道されてその結果として世論が形成される。検察から見れば、これは間違った世論であるというようなふうに見えるケースもあると思いますと。それが正しいかどうかは別として、そういったことについての法務省、検察の、若干私から見れば被害者意識があって、そういうものを防ぎたいという感覚があるのではないかなと、これは邪推かもしれませんが推測しています。
そこでお聞きしたいのですが、例えば個別事件における検察の法廷外での広報活動あるいは反論についてお聞きします。
冤罪を生んではならないこと、つまり冤罪は必ず救済しなければならないこと、これは当然ですが、他方で、必ずしも証拠全体を精査しているわけではない報道や世論、これに押されて本来有罪であるべき者が無罪となるような事態、これもあってはならないというふうに考えます。
先ほど申し上げたように、冤罪が疑われる事件の訴訟を見ますと、もちろん客観的な証拠と真実に基づく弁護活動が適切に行われているケースが大部分ではありますが、一般論としては、臆測や一部の証拠の切取りなどに基づいて世論の形成を行う、そしてメディア報道と一体となって弁論活動を行う、そんなこともないではないように考えます。そして、冤罪に違いないという世論を醸成していくというようなケースもあり得るところでございます。
そうしたものによって裁判所の判断がゆがめられることは本来あってはならないわけですが、裁判官も我々から見ると一個の弱い人間でございまして、世論に影響されることがあり得ないではないというふうに見受けられます。だからこそ、そういった弁護活動も行われているわけですけれども、そういったその弁護団の主張やメディアの報道の内容に対して、検察としても、客観性のある、個別事件についてですが、客観性のある証拠に基づく必要最低限の反論、広報を行うべきではないのかなというふうにも見えます。この点についてのお考えをお聞きします。
248佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
例えばということでありますと、弁護士法上の懲戒処分がございますし、例えば、被告人等がその目的外使用の禁止に違反して複製等を例えば公開したといった場合には、通常、それによって損害を被った者が生じ得るわけでありますので、民法上の損害賠償請求を行うことができるわけでありますけれども、そういったものもこれに当たるのかなというふうに考えているところでございます。
この発言のページ
249
北村晴男(保守)
そうしますと、弁護士がこれに違反した場合には、刑罰法規としては対価を得る目的の場合だけ刑罰に処せられる。ただ、懲戒などでは、懲戒も十分あり得ると。弁護士にとっては懲戒というのは大変大きな打撃でございますので、それについて萎縮効果があるのではないかというのは、一定の理由があるのかなというふうに思っています。
ただ、これまでの御答弁をお聞きしていますと、複製等というのはそのままコピーしたなどの場合に限定されるんだと。コピーを渡したような場合に限定されるということで、これについては、十分に周知することによって、弁護士としても十分、何というんですかね、先ほど、…
この発言のページ
250佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
目的外使用に対する刑事罰は四百四十五条の六の規定により科されるものでございまして、四百四十五条の五第一項の規定に違反した場合の措置ではないということからしますと、形式的には同条二項に言う前項の規定に違反した場合の措置には含まれないということにはなるかと思います。
しかしながら、もっとも、その四百四十五条の六の罰則は、この四百四十五条の五、一項の禁止行為に当たる行為を処罰対象としている上に、検察官が公訴を提起するか、起訴猶予とするか、あるいは裁判官が量刑を行う際に考慮されるべきの情状の中には当然この同条二項に含まれる諸事情も含まれる…
この発言のページ
- (上の発言)
251
北村晴男(保守)
この目的外使用の違反とか刑罰法規について、私のこれは個人的な感覚でございますが、法務省、検察が、例えば弁護士が時々行うその弁護活動の中で、法廷の中で争うだけではなかなかいい結果を得られないと、したがって世論に訴えるんだというようなことがよく行われるわけですけれども、それについて世論が形成されて、世論というのは、報道機関もそうですけれども、全ての証拠をつぶさに検討しているわけではない。例えば、一定の証拠について切り取って、それが報道されてその結果として世論が形成される。検察から見れば、これは間違った世論であるというようなふうに見えるケースもあると思いますと。それが正しいかどうかは別として、そういったことについての法務省、検察の、若干私から見れば被害者意識があって、そういうものを防ぎたいという感覚があるのではないかなと、これは邪推かもしれませんが推測しています。
そこでお聞きしたいのですが、例えば個別事件における検察の法廷外での広報活動あるいは反論についてお聞きします。
冤罪を生んではならないこと、つまり冤罪は必ず救済しなければならないこと、これは当然ですが、他方で、必ずしも証拠全体を精査しているわけではない報道や世論、これに押されて本来有罪であるべき者が無罪となるような事態、これもあってはならないというふうに考えます。
先ほど申し上げたように、冤罪が疑われる事件の訴訟を見ますと、もちろん客観的な証拠と真実に基づく弁護活動が適切に行われているケースが大部分ではありますが、一般論としては、臆測や一部の証拠の切取りなどに基づいて世論の形成を行う、そしてメディア報道と一体となって弁論活動を行う、そんなこともないではないように考えます。そして、冤罪に違いないという世論を醸成していくというようなケースもあり得るところでございます。
そうしたものによって裁判所の判断がゆがめられることは本来あってはならないわけですが、裁判官も我々から見ると一個の弱い人間でございまして、世論に影響されることがあり得ないではないというふうに見受けられます。だからこそ、そういった弁護活動も行われているわけですけれども、そういったその弁護団の主張やメディアの報道の内容に対して、検察としても、客観性のある、個別事件についてですが、客観性のある証拠に基づく必要最低限の反論、広報を行うべきではないのかなというふうにも見えます。この点についてのお考えをお聞きします。
252佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
個別事件における広報の在り方については、検察当局において判断すべき事柄でございますけれども、いずれにしましても、検察官の活動を国民に正しく理解していただくことは重要であると認識しております。
一般論として申し上げれば、検察当局におきましては、対外的な事件広報に当たりましては、個別の事案ごとに、公益上の必要性とともに、関係者の名誉やプライバシーへの影響、捜査、公判への影響の有無、程度等を考慮した上で、広報の内容やその方法等を判断しているものと承知しているところでございます。
その上で、公判段階においては公判廷で検察官による立証内容…
この発言のページ
253
北村晴男(保守)
私がなぜこのようなことを申し上げたかと申しますと、今SNSなどで様々な事件について、自由なというか、いろんな議論がなされています。これは必ずしも証拠に基づかないケースも多いわけで、それが仮に客観的証拠と懸け離れていると、あるいは別にAという客観的な有罪を示す有力な証拠があるにもかかわらず、それなしで判断しているために間違った世論が形成されるということもこれから十分起こり得ると思っています。なので、必要最低限という意味ですが、必要な広報もあり得るのかなというふうに考えているので、お聞きしました。
さて、次に、前回もお聞きしましたが、死刑制度を維持すべきで…
この発言のページ
254佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
御指摘の報道があったことは承知しております。
お尋ねは、個々の死刑執行の判断に関わる事柄であるため、お答えを差し控えさせていただきます。その上で、一般論として申し上げれば、再審請求中であることは、刑事訴訟法上、死刑の執行停止事由とはされておりません。
なお、本年六月十八日の参議院法務委員会を含めて、従来から法務大臣は、死刑の執行に関しては、個々の事案につき関係記録を十分に精査し、刑の執行停止、再審事由の有無等について慎重に検討し、その是非を判断すべきものと考えている旨答弁されているものと承知しているところでございます。
この発言のページ