佐藤淳法務省刑事局長

2026年7月9日・第221回国会 参議院 法務委員会 第19号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 43 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 269 発言)

お答えいたします。

まず、事実関係でありますけれども、山口地検岩国支部で取り扱ったある告訴事件の告訴人が、検察当局による不起訴処分が不服であるとして検察審査会に審査の申立てを行ったということでございます。これに対しまして、検察審査会におきましては、不起訴相当とする議決がなされたところでございます。

これを受けまして、この告訴人は、議決を行った検察審査会の審査員十一名につきまして、氏名を特定することなく、公務員職権濫用、証拠隠滅、犯人隠避の事実でこの十一名を告訴したというのが、まず最初の動きであります。

その後、検察当局におきまして、審査員十一名に対する告訴事件を不起訴処分といたしまして、刑事訴訟法の規定に基づきまして、告訴人に対して告訴事件を不起訴処分とした旨の通知等を行うに当たりまして、捜査の過程で特定していた審査員の氏名を被告訴人の氏名として記載したものでございまして、この対応は検察審査会制度の趣旨に照らして不適切なものであったというふうに考えられるところでございます。

その後、告訴人が、この不起訴処分、更なる不起訴処分を不服といたしまして、審査員十一名の氏名を特定した上で、再度この不起訴処分について検察審査会に審査申立てを行ったことを受けて、検察当局におきましては、本件事案、この十一名の氏名が外に、外部に流出したという事案の発生を覚知したということでございます。

その上で、検察当局におきましては、この事案を把握した後、法令に基づきまして、個人情報保護委員会への報告を行ったほかに、検察審査員を始めとする関係者に対して事情説明や謝罪を行いまして、職員に対する必要な注意喚起を行うなどの対応を行ったというところであると聞いております。

また、法務当局としても、この事案の発生の報告を受けておりまして、従来から不起訴処分の通知等に被告訴人の氏名を記載すべきか判断に迷うケースがありまして、その様式や運用の在り方を検討している中で、これは刑事デジタル法の施行などに伴いまして様々な検討を行っている中でありますけれども、本件のような事案が発生したことを踏まえまして、本年五月、告訴人等に対する不起訴処分通知等の様式や運用を改めて、原則として被告訴人等の氏名の記載を不要とすることとしたところでございます。

一方で、今御指摘の書面の回収につきましては、既に告訴人が書面の写しや画像等を保存、保管している可能性があるほかに、告訴人が既に別途、審査員の氏名を特定して審査の申立てをしているということなどからすると、被害回復の実効性は限られていると言わざるを得ない一方で、先ほど申し上げた事案の内容や性質などを踏まえると、書面の回収などを試みた場合、かえって審査員の方々の生活の平穏を害する恐れもあることなど、諸般の事情を考慮して、その当時としては回収を試みるという判断には至らなかったということでございます。

その上で、検察当局におきましては、本件が報道されて審査員の方々の生活への影響が現に生じているといった状況を踏まえまして、改めて検討した結果、書面の回収を試みることとしたものと承知しております。

そのような意味で、先ほど申し上げたとおり、現在は、原則として被告訴人等の氏名の記載を不起訴処分通知等にしないこと、不要としたところでございまして、今後、本件のような事態の再発は回避されると考えているところではありますけれども、このようなことがないように努めていきたいと考えているところでございます。

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