成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授

2026年6月25日・第221回国会 参議院 法務委員会 第18号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 93 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 115 発言)

お答え申し上げます。

まず、再審請求者に新証拠を準備してもらわないといけないと、それが非常に大きな負担であるということは私自身も認識しております。ただ、再審制度というのは、通常審で三審制の下、国選弁護を受ける権利等、様々な手続保障をされて、一度は有罪で確定した事件について再度審理をやり直すかということを考える手続ですので、何の事情変更もないのに再審請求ができるということになりますと、それは裁判が一度確定したという意味が完全になくなってしまいます。裁判制度というのは、どれだけ当事者が争いたいと思っても争えなくなる、確定することによって、それを前提に社会を回していくシステムですので、確定した事件についてはやはり何らかの事情変更を伴う形で再審請求をしていただく必要があると。それが刑訴法が要求している新証拠なんだろうと思います。

その観点から、刑訴法は既に再審請求人には弁護人を選任する権利を与えておりまして、高平参考人がおっしゃるように、弁護人が非常に大きな役割を果たすことも間違いないと思います。

その上で、何らかの新証拠を用意していただければ、その後は、今、仁比先生が御指摘くださったように、スクリーニング規定を乗り越えた後、請求に基づいて証拠提出命令を活用したりだとか、あるいは請求に基づいて事実取調べをやってもらうということが可能になるわけです。最初のハードルは確かに少し高いんですけれども、とはいっても、それを用意していただかないとやはり確定審との関係で整合性が付かない。ただ、最初のハードルさえ乗り越えれば、あとは、先ほども申し上げましたけれども、職権主義の下でも再審請求者及び弁護人の手続保障というのは極めて重要ですので、それに対応する形で今回の法案というのはでき上がっているというふうに認識しております。

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