お答え申し上げます。
被害者の方の御意見というのは、法制審部会の段階で被害者側の弁護士委員の先生がおっしゃってくださいましたし、それ以外にも、ヒアリングの中でも御遺族の方が出てこられてお話をしてくださいました。
被害者の方の御懸念というのは多数あるわけですけれども、主な御懸念としては、まず、法改正によって安易に再審無罪が出て、本来真犯人であった人が、何でしょう、本来だったら真犯人である人が社会に出てきてしまうのではないかという点と、あと、この再審の審理の過程で自らがかつて捜査に協力した段階でお示ししていた証拠が無用に社会に広がってしまうのではないかと、目的外使用があるのではないかという点でございます。
その両点について本改正法はどのように対応しているかという点なんですけれども、まず、今回の再審法改正案というのは、決してその再審請求事由自体を何か変えるというものではございません。再審請求を認めるためには無罪を言い渡すべき明らかな証拠が必要であるという要件は全く変わっていないわけでございます。ただ、再審請求審の審理が余りにも遅延していたので、それを迅速にできるようにしただけでありまして、本来真犯人である人が誤って無罪になってしまうという懸念は当たらないだろうと思います。
それから、証拠が再審請求審の中でその証拠提出命令を通じて多く再審請求者や弁護人に閲覧、謄写されるということを被害者の方は懸念されておられたわけですけれども、それについては、目的外使用の禁止という規定を設けて、一定の場合には刑罰も科すという形で強い抑止を図っておりますので、二点目の被害者の方の御懸念についても対応はできているというふうに考えております。
71安安達悠司(参政)
参政党の安達悠司です。
参政党は、今回の政府案と修正案に衆議院では賛成をしております。しかし、これで一〇〇%十分という趣旨ではなくて、不十分な面もあるけれども、誤判の防止や冤罪被害の救済に向けて少しでも前に進めたいという思いを持っております。
参政党は、この任意開示に関する、証拠の任意開示に関するこれまでの運用を担保する規定が入ったことも踏まえて賛成をしました。なぜなら、これまでの誤判冤罪の救済の決め手は、証拠開示に関する勧告や任意開示、これが決め手だったんではないかと思うからですね。
そして今は、平成十六年の法改正以降、多くの事件で証拠の任意開示…
この発言のページ
72成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
お答え申し上げます。
刑罰の意義については、刑法学において深遠なる議論が様々あるところですけれども、一般的には、刑罰というのは被告人が犯した犯罪に対する社会からの非難であると、応報として罰を科さなければならない。それを通じて、一般予防と特別予防と言いますけれども、刑罰を科すことによって他の一般国民が同じような行為をしないように、さらに、刑罰を科すことを通じて、今は刑務所内での処遇というのもかなり再犯防止を重視しておりますので、処遇を通じて、本人自身が二度と再犯をしないようにという特別予防の意味もあるというふうに考えております。
二問目の刑事訴訟法の目…
この発言のページ
73安安達悠司(参政)
ありがとうございます。
今回の再審に関する改正法案は、この被告人あるいは再審請求人の視点からはよく取り上げられるんですけど、ちょっとここで、研究者の立場から御覧になって、被害者の立場から見たときに今回の法改正案で何か懸念される点というのはあるんでしょうか。また、その懸念に対し、今回の改正案、修正案、これ全体としてバランスが取れたものになっているんでしょうか。
この発言のページ
- (上の発言)
74成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
お答え申し上げます。
被害者の方の御意見というのは、法制審部会の段階で被害者側の弁護士委員の先生がおっしゃってくださいましたし、それ以外にも、ヒアリングの中でも御遺族の方が出てこられてお話をしてくださいました。
被害者の方の御懸念というのは多数あるわけですけれども、主な御懸念としては、まず、法改正によって安易に再審無罪が出て、本来真犯人であった人が、何でしょう、本来だったら真犯人である人が社会に出てきてしまうのではないかという点と、あと、この再審の審理の過程で自らがかつて捜査に協力した段階でお示ししていた証拠が無用に社会に広がってしまうのではないかと、目的外使用があるのではないかという点でございます。
その両点について本改正法はどのように対応しているかという点なんですけれども、まず、今回の再審法改正案というのは、決してその再審請求事由自体を何か変えるというものではございません。再審請求を認めるためには無罪を言い渡すべき明らかな証拠が必要であるという要件は全く変わっていないわけでございます。ただ、再審請求審の審理が余りにも遅延していたので、それを迅速にできるようにしただけでありまして、本来真犯人である人が誤って無罪になってしまうという懸念は当たらないだろうと思います。
それから、証拠が再審請求審の中でその証拠提出命令を通じて多く再審請求者や弁護人に閲覧、謄写されるということを被害者の方は懸念されておられたわけですけれども、それについては、目的外使用の禁止という規定を設けて、一定の場合には刑罰も科すという形で強い抑止を図っておりますので、二点目の被害者の方の御懸念についても対応はできているというふうに考えております。
75安安達悠司(参政)
ありがとうございます。
私は、弁護士というのは、やはり被害者の立場もあり、また被告人や被疑者の立場も、両方大切にしていかないといけないと。つまり、冤罪の被害の防止も大切ですけど、被害者、御遺族の心情にもきちんと配慮していかなければならないと思っております。
次に、修正案に入った事項に関連して、証拠の任意開示の現状についてお尋ねします。
これは、まず一旦、成瀬参考人にお尋ねしたいんですけれども、今日も、本日もそうですし、法制審の部会でも、検察官は、通常審において、公判前整理手続に付されているか否かにかかわらず、任意開示が積極的に行われているというふう…
この発言のページ
76成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
お答え申し上げます。
今、安達先生が御指摘くださった通常審における証拠開示については、三段階の証拠開示ができるということになっておりまして、まずは検察官が自分の有罪立証に必要な請求証拠を開示すると、第二段階として、その請求証拠の証明力を判断するのに必要と思われる類型証拠を開示すると、さらに三段階目で、それに加えて、被告人側から防御の主張が出てきた場合には、その主張に関連する証拠も開示するという法制度になってございます。
ただ、現在の実務においては、この制度どおりに厳密にやっているわけではなくて、その類型証拠とか主張関連証拠はいずれ出さないといけないも…
この発言のページ
77安安達悠司(参政)
この類型証拠の意味なんですけど、私の理解だと、まず、例えば証拠物、凶器とか採取資料、通話明細。それから、検証調書、診断書、鑑定書など。また、証人、証人予定者の供述録取書。それから、その他参考人の供述録取書。例えば、これに関しては、検察官によって直接請求しようとする事実の有無に関する供述を内容とするものであったり、あるいは被告人の供述録取書、取調べの状況の書面。こういったものだと思うんですけど、何かこれの類型証拠に関してちょっと補足して、もしありましたら、成瀬参考人からお願いします。
この発言のページ