私は部会でも、あっ、法制審の部会ですけれども、これは必要ないんじゃないかというふうに端的に申し上げました。
確かに、調査手続というのは、簡易迅速に、明らかに理由がないものを棄却し、明らかに理由があるものを開始決定するという制度ですから、そこで余り重い事実の取調べをしてしまいますと時間が掛かり過ぎてしまうと。それは分かりますけれども、何も禁止する必要はないんじゃないかと思います。例えば、再審請求と同時にこういう証拠を取り調べてくださいという事実の取調べの請求をしてもらった方が、再審、審判開始決定の可否をより判断しやすくなると思います。
例えば、検察官が手持ちの証拠にこういう証拠があるはずなんだからこういう証拠を取り調べてくださいという請求、これは今、証拠提出命令の請求という形を取るんだと思いますが、これを審判開始決定をした後でないとできませんとした上で、新証拠をまず出してくださいという条文を作るんですね。そうしますと、例えば福井事件の場合に、「夜のヒットスタジオ」の捜査報告書があると聞きましたので出してくださいという請求はしてはいけません、あなたの方で新証拠出してくださいということになるわけですよね。それは不可能を強いることになるんじゃないでしょうか。
ですから、この方式違反の解釈や、審判開始決定の例外の棄却の解釈においても、あくまで検察官が手持ち証拠を提出させる形での証拠提出命令の申出をする形でも新証拠の添付と認めるんだというふうに説明はされているんですけれども、しかし、事実の取調べ請求は禁止されておりますので、証拠提出命令の請求も禁止されているわけなんですよ。その状態で再審請求書だけ出されて、それで方式違反で却下されてしまうというのは、私はどう考えてもおかしいと思いますので、この条文は要らなかったと思います。ただ、請求は認めた上で、取調べを審判開始決定後にすればよかったと私は思います。
57田田岡直博香川県弁護士会弁護士
この改正法を前提にしますと、やはり限界があることはもう否めないと思います。
先ほどの成瀬参考人の答弁は非常に積極的かつ熱心な裁判官像というものを念頭に置いておられますので、仮にこの法律の中で何とかやろうと考える真面目な裁判官は、まずは提示命令を活用することといたしまして、証拠を、じゃ、全部提示してくださいと。で、何も標目一覧表なんて面倒くさいものを作る必要はないわけですので、検察官保管証拠全部を提示させることも条文上はできるわけですよね。じゃ、それ全部取り寄せて、その中で必要だと思うものを自ら取り調べるか、つまり提出命令を掛けるか、あるいは弁護人に任意…
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58高高平奇恵一橋大学大学院法学研究科教授/弁護士
関連性についての裁判官の認識ということをおっしゃったんですが、これ、条文を見ますと、先ほど成瀬参考人は関連するものは必要性があるんだというふうに理解することからスタートなんだとおっしゃったんですが、裁判官は通常そうは考えないのではないかと思っています。
これ、あくまで裁判に必要と明記されていますし、関連性と必要性は別の要件として定められていますので、今のような成瀬参考人の理解というのが十分に浸透するかどうか、つまりスタート地点の前提が成り立つかどうかという点に危惧がございます。
その意味で、やはり限界があると言わざるを得ないのは田岡参考人と同じ意見で…
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横山信一(公明)
時間が迫っておりまして、最後の質問になりますが、田岡参考人にお伺いいたします。
本法律案では、再審の請求を受けた裁判所は、審判開始の決定した後でなければ事実の取調べをすることができないと。この部分、法律案で導入されたスクリーニングの一部の部分であります。
現行法では、必要がある場合には事実の取調べを行うことができます。これを禁止することによる課題を、あれば教えていただきたいと思います。
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- (上の発言)
60田田岡直博香川県弁護士会弁護士
私は部会でも、あっ、法制審の部会ですけれども、これは必要ないんじゃないかというふうに端的に申し上げました。
確かに、調査手続というのは、簡易迅速に、明らかに理由がないものを棄却し、明らかに理由があるものを開始決定するという制度ですから、そこで余り重い事実の取調べをしてしまいますと時間が掛かり過ぎてしまうと。それは分かりますけれども、何も禁止する必要はないんじゃないかと思います。例えば、再審請求と同時にこういう証拠を取り調べてくださいという事実の取調べの請求をしてもらった方が、再審、審判開始決定の可否をより判断しやすくなると思います。
例えば、検察官が手持ちの証拠にこういう証拠があるはずなんだからこういう証拠を取り調べてくださいという請求、これは今、証拠提出命令の請求という形を取るんだと思いますが、これを審判開始決定をした後でないとできませんとした上で、新証拠をまず出してくださいという条文を作るんですね。そうしますと、例えば福井事件の場合に、「夜のヒットスタジオ」の捜査報告書があると聞きましたので出してくださいという請求はしてはいけません、あなたの方で新証拠出してくださいということになるわけですよね。それは不可能を強いることになるんじゃないでしょうか。
ですから、この方式違反の解釈や、審判開始決定の例外の棄却の解釈においても、あくまで検察官が手持ち証拠を提出させる形での証拠提出命令の申出をする形でも新証拠の添付と認めるんだというふうに説明はされているんですけれども、しかし、事実の取調べ請求は禁止されておりますので、証拠提出命令の請求も禁止されているわけなんですよ。その状態で再審請求書だけ出されて、それで方式違反で却下されてしまうというのは、私はどう考えてもおかしいと思いますので、この条文は要らなかったと思います。ただ、請求は認めた上で、取調べを審判開始決定後にすればよかったと私は思います。
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横山信一(公明)
ありがとうございます。
終わります。
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嘉田由紀子(維新)
日本維新の会の嘉田由紀子でございます。
大変お忙しいところ、お三方それぞれに、ありがとうございました。
私はちょっと視点を変えて、私自身は、文化人類学あるいは比較社会学ということで、世界中の環境問題など社会学的に勉強してきたんですけど、そういう意味では、弁護や裁判の実務を知らないという立場から、逆にお三方に教えていただきたいことが二点あります。
一つは、今回のこの冤罪事件、なぜ起きたのかと。具体的には、例えば日野町事件とかあるいは湖東事件を見ますと、自白がかなり重要な証拠になっていたんですね。その湖東事件の場合には自白弱者というようなことを後から解…
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63成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
お答え申し上げます。
まず、誤判が生じる原因として、取調べに無理があり、虚偽の自白を強要されているのではないかという御指摘がございました。
日本にこれまで起きた誤判事件というのはたくさんあるわけですけれども、その誤判原因の主要な原因の一つが、虚偽自白を無理やり取調べで強要したということがあるのは間違いない事実であろうと思います。とりわけ、先生御指摘のように、供述弱者の方に脅迫めいた取調べをするなんということはおよそ許されないことだと私自身思っております。
そのような事態が今後生じないようにするためには、まずは、その再審に行く前にその捜査段階で適正な…
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