成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授

2026年6月25日・第221回国会 参議院 法務委員会 第18号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 46 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 115 発言)

一点、先生の御質問の中で指摘をさせていただきたいのが、裁判所が証拠提出命令を出した場合には検察官は提出をすることが義務付けられますので、これはもう裁量判断の余地なく絶対に出さなければならないということをまず確認させていただいた上で、その上で、職権による証拠提出命令制度を設けてはどうかという御議論があることは存じ上げております。

ただ、繰り返しになりますけれども、再審請求審というのはあくまでも請求人が主張をする再審請求理由について審理、判断するものであって、そうだとすればその再審請求理由に関わらないものを証拠提出命令させる必要はないわけです。先ほど来繰り返しておりますように、再審請求理由に関連するというのは非常に広い概念でございまして、審理に必要なものは必要十分に提出されるものと思います。

それに加えて別途裁量に基づく証拠提出命令というものを設けますと、要件が全く明らかでありませんので、これまでの裁判官ごとに判断がまちまちになるような運用というのが再燃してしまうのではないかというふうに私自身は危惧しております。

その意味で、このように再審請求理由に関連する証拠というふうな要件を明示した上で、裁判官の行為規範をしっかりと示した上で、それを義務付ける制度一本にすることが今後の再審実務を安定化させるというふうに私自身は考えております。

以上です。

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