一点、先生の御質問の中で指摘をさせていただきたいのが、裁判所が証拠提出命令を出した場合には検察官は提出をすることが義務付けられますので、これはもう裁量判断の余地なく絶対に出さなければならないということをまず確認させていただいた上で、その上で、職権による証拠提出命令制度を設けてはどうかという御議論があることは存じ上げております。
ただ、繰り返しになりますけれども、再審請求審というのはあくまでも請求人が主張をする再審請求理由について審理、判断するものであって、そうだとすればその再審請求理由に関わらないものを証拠提出命令させる必要はないわけです。先ほど来繰り返しておりますように、再審請求理由に関連するというのは非常に広い概念でございまして、審理に必要なものは必要十分に提出されるものと思います。
それに加えて別途裁量に基づく証拠提出命令というものを設けますと、要件が全く明らかでありませんので、これまでの裁判官ごとに判断がまちまちになるような運用というのが再燃してしまうのではないかというふうに私自身は危惧しております。
その意味で、このように再審請求理由に関連する証拠というふうな要件を明示した上で、裁判官の行為規範をしっかりと示した上で、それを義務付ける制度一本にすることが今後の再審実務を安定化させるというふうに私自身は考えております。
以上です。
43
川合孝典(国民)
そのように成瀬参考人は想定されているということですね。
その辺りのところの受け止めということで、冒頭、田岡参考人や高平参考人がおっしゃっていたとおり、現実問題として、適正に手続が取られていればそもそも冤罪事件などというものは起こらないはずであり、それが生じてしまっていることのそもそもの理由がどこにあるのかというところがあった上で、かつ、いわゆる再審無罪判決が立て続けに出ていることで、検察に対するいわゆる国民の信頼が損なわれてしまっていることがそもそもの背景にあるわけですね。そうした状況の中で、要は、検察官が判断して、きちんと判断するから大丈夫だから任せ…
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44成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
お答え申し上げます。
先ほども少し申し上げたんですけれども、今回創設される証拠提出命令については、再審請求者に請求権が与えられております。ですので、裁判官自身が直ちには分からないとしても、再審請求人あるいは弁護人の側からこういうふうな再審請求理由であって、その関係でこういう証拠があるはずだから出してほしいという具体的な主張を踏まえた上で、裁判官が再審請求理由の関連性を考えると。
さらに、裁判官は、必要があれば当該証拠の提示を検察官に命じることもできますし、標目一覧表の提示も命じることができると。よく分からないのであれば、究極的には、検察官が保管する証…
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川合孝典(国民)
ありがとうございます。
証拠提出命令に対して検察がきちっと応じるかどうかということについては、検察官の裁量で判断した上で出していくということになると思うんですけど、これ、裁判所が再審請求理由との関連性を要件としない証拠の提出命令を、例えば職権で命令を出すことができるといったような制度をつくれば、より法的安定性が担保されるような気がするんですけど、この点について成瀬参考人はどうお考えになりますか。
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- (上の発言)
46成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
一点、先生の御質問の中で指摘をさせていただきたいのが、裁判所が証拠提出命令を出した場合には検察官は提出をすることが義務付けられますので、これはもう裁量判断の余地なく絶対に出さなければならないということをまず確認させていただいた上で、その上で、職権による証拠提出命令制度を設けてはどうかという御議論があることは存じ上げております。
ただ、繰り返しになりますけれども、再審請求審というのはあくまでも請求人が主張をする再審請求理由について審理、判断するものであって、そうだとすればその再審請求理由に関わらないものを証拠提出命令させる必要はないわけです。先ほど来繰り返しておりますように、再審請求理由に関連するというのは非常に広い概念でございまして、審理に必要なものは必要十分に提出されるものと思います。
それに加えて別途裁量に基づく証拠提出命令というものを設けますと、要件が全く明らかでありませんので、これまでの裁判官ごとに判断がまちまちになるような運用というのが再燃してしまうのではないかというふうに私自身は危惧しております。
その意味で、このように再審請求理由に関連する証拠というふうな要件を明示した上で、裁判官の行為規範をしっかりと示した上で、それを義務付ける制度一本にすることが今後の再審実務を安定化させるというふうに私自身は考えております。
以上です。
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川合孝典(国民)
ありがとうございます。私、今ちょっと表現が言葉足らずで失礼いたしました。
ただ、命令は義務化ということでありますけど、関連性をどう判断するのかは検察に委ねられているという意味では、そういう意味で私自身は申し上げたということを付言させていただきたいと思います。
その上で、時間がなくなってまいりましたので、今の成瀬参考人の御意見に対しまして、田岡参考人と高平参考人の御意見をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
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48田田岡直博香川県弁護士会弁護士
まず、東電事件で検察官がどういう対応を取ったかということを確認しておきたいと思います。
東電事件の弁護団が法制審にも意見書出しています。裁判所は検察官に対して、現場遺留物などをDNA鑑定をしたいので明らかにせよと言ったところ、新証拠との関連性、必要性がなく、かつ弊害がないなど相当性を満たさない証拠は出さないということで拒否し、その証拠の存否すら明らかにしなかったわけです。裁判所がそれに対して、いや、今、平成十六年改正刑事訴訟法で証拠開示制度というものができましたと、だから今だったら当然出さなきゃいけないものなんでしょうと、だから勧告出しますよと強く迫っ…
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49高高平奇恵一橋大学大学院法学研究科教授/弁護士
基本的に田岡参考人と同じ意見なんですが、少し角度を変えますと、やはり無罪証拠が隠されたままにしない制度はどうしても必要なんだということに尽きるのではないかと思っています。
意見陳述の中でも述べさせていただきましたが、これ、義務があるんですよ、義務があるんですけれども、出せた新証拠ですとか、当初の再審請求理由と合わないところに存在している可能性がある、そういった証拠をきちんと出させる制度は整備しておかなければ、多くの今雪冤を果たした事件、多分、いまだに雪冤できないということは、将来同じような事件が起きたときにそれは救えないという制度を完成させてしまうこと…
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