田岡です。
まず、職権主義であるか当事者主義であるかによって必然的にこのような制度が決まるというものではないというのは、全く私はおっしゃるとおりだと思っております。
そもそも我が国で、職権主義でいえば、例えば少年事件は全記録が裁判所の手元に行くという仕組みになっておりまして、裁判官は全ての証拠を見た上で判断するということになっております。
ところが、この再審手続は、どうしても通常審が当事者主義なものですから、元々確定記録には、検察官が請求した証拠であって、かつ裁判所が取り調べた証拠しか手元にないという状態からスタートしますので、典型的な職権主義とはそもそも異なるわけです。当事者主義的な手続の結果、残ったものを前提に判断する、その中で新証拠を出せと言われても、その段階では検察官がまだ証拠を持っている状態、裁判所に証拠は行っていないわけですから、そうなると、再審請求の手続保障を図らない限り検察官が持っている証拠を利用できないではないか、このような問題意識から高平先生は、再審請求人にきちんと主体的、能動的な権限、権利を認めていかないと裁判所が正しい判断ができませんよと、こう指摘されているんだと思いますので、私は、再審請求審が職権主義だからといって、直ちに証拠提出命令制度でよい、再審請求人に開示しなくてよいということにはならないというふうに考えております。
以上です。
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伊藤孝江(公明)
ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。
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古庄玄知(自民)
三人の参考人の先生方、本日は誠にお忙しいところを来ていただきまして、ありがとうございます。自民党の古庄です。
まず、三人の先生方に、成瀬先生、田岡先生、高平先生、順番にお願いしたいんですが、本件で、職権主義か当事者主義かという言葉が出てこられました。職権主義ということ、だから今回の法律の改正はこれは必然なんだと、そういう論理的な結び付きは私はないんじゃないかと思っていまして、これは、袴田事件の裁判を担当した先生、今弁護士やっていますけど、判事だった先生も、その職権主義というのは、要するに裁判官が主体となって考え、手続を行う制度であると、したがって、必ず…
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14成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
お答え申し上げます。
今先生、御質問の中で職権主義と当事者主義のことに触れられて、職権主義からすると、論理必然に一つの形が出てくるわけではないのではないかという御指摘をいただきました。
まず申し上げたいのは、職権主義の下でも、手続関与者に十分な手続保障をするということは極めて重要であります。
ただ、職権主義の構造の手続と当事者主義の構造の制度をごちゃ混ぜにいたしますと、冒頭の意見陳述で申し上げさせていただいたように、裁判官や手続関与者がどのように動けばよいのかということが分かりにくくなりますので、やはり、職権主義構造に整合的な形で手続関与者の手続保…
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- (上の発言)
15田田岡直博香川県弁護士会弁護士
田岡です。
まず、職権主義であるか当事者主義であるかによって必然的にこのような制度が決まるというものではないというのは、全く私はおっしゃるとおりだと思っております。
そもそも我が国で、職権主義でいえば、例えば少年事件は全記録が裁判所の手元に行くという仕組みになっておりまして、裁判官は全ての証拠を見た上で判断するということになっております。
ところが、この再審手続は、どうしても通常審が当事者主義なものですから、元々確定記録には、検察官が請求した証拠であって、かつ裁判所が取り調べた証拠しか手元にないという状態からスタートしますので、典型的な職権主義とはそもそも異なるわけです。当事者主義的な手続の結果、残ったものを前提に判断する、その中で新証拠を出せと言われても、その段階では検察官がまだ証拠を持っている状態、裁判所に証拠は行っていないわけですから、そうなると、再審請求の手続保障を図らない限り検察官が持っている証拠を利用できないではないか、このような問題意識から高平先生は、再審請求人にきちんと主体的、能動的な権限、権利を認めていかないと裁判所が正しい判断ができませんよと、こう指摘されているんだと思いますので、私は、再審請求審が職権主義だからといって、直ちに証拠提出命令制度でよい、再審請求人に開示しなくてよいということにはならないというふうに考えております。
以上です。
16高高平奇恵一橋大学大学院法学研究科教授/弁護士
私も田岡参考人と意見を同じにしています。
若干付け加えさせていただきますと、この職権主義と言われる再審請求審の一つの特徴なんですが、これ、立証責任を請求人が負っているんですね。これ、非常に重たい責任です。職権主義構造で、かつ請求人にこれだけ重い。ただ主張すればいいというわけではない、主張すれば裁判所が証拠を探して解決してくれる、そんな制度ではないんです。立証を請求人自身がしなくてはならないんです。そうであるからには、この立証ができるようにする手続保障は制度に必然的に組み込まれるべきであると考えているということを付け加えさせていただきます。
以上です。
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古庄玄知(自民)
ところで、証拠開示の問題と、もう一つ、自民党の内部の議論のときに出てきたのが検察官抗告をどうするかという問題で、検察庁の方は、原則として検察官抗告はできないと、できないというか、条文からその検察官の再審決定に対する部分を落としたという、そういう処理をしたんですが、ただ、十分な根拠がある場合は例外的に認めると、そういうふうな改正案を作りました。
そこで、またこれも三人の先生方にお伺いしたいんですけれども、この十分な根拠ということの意味内容、それと、これによって原則、例外の関係が間違いなく維持されるのかどうか。もう一つ、十分ではないけれどもそれなりの根拠が…
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18成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
お答え申し上げます。
まず一点目の十分な根拠の意味につきましては、検察官が不服申立てをすることにより再審開始決定が取り消される蓋然性が高いことを裏付ける合理的な根拠がある場合を指すと考えております。具体的には、重大な事実誤認等があり、それらに関する誤りの主張が上級審に受け入れられて再審開始決定が覆ることとなる蓋然性が高い場合を指すと考えております。
二点目ですけれども、この規定を設けることによって原則禁止、そして例外的に許されるという運用が果たして担保されるのかという点ですが、私自身は十分に担保可能であるというふうに考えております。
今回の閣法にお…
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