お尋ねありがとうございます。
まず一つは、陳述の中でも少し触れたかもしれませんけれども、今回、新しい仕組みの中では、中核機関やその他支援者と家庭裁判所との間での情報共有を密にする、月一回の定期報告を通じて抽象的な形で家庭裁判所が情報をキャッチするのではなくて、必要に応じて家庭裁判所の方からも積極的に意見照会などを通じて御本人の状況の変化などをキャッチアップしていかなければいけないと。この意見照会というのは、何となく家庭裁判所からその関係者への一方通行に思えるわけですけれども、これはそうではなくて、双方通行の情報共有のチャネルを開いたという意味合いを持っていると私は思っています。ですから、このチャネルを積極的に活用するということがまずは法的な視点からは重要ではないかというふうに思います。
そして、委員最も御懸念の、保存行為についての責任の所在というものが極めて曖昧ではないかという御指摘です。
確かにそうした見方もできるのかなとは感じます。その一方で、現在の後見人もそうなんですけれども、法定代理人という職種には一定の裁量権限、代理権の行使あるいは財産の管理に伴って一定の裁量権限があるからこそ柔軟な対応がし得るという利点も一方では存在しているということになります。
これはもう個々の事案の最終的には状況に応じることになりますので、なかなか一刀両断にお答えすることは難しいのではございますけれども、ある種の批判的な見地から見れば曖昧さといったものが、むしろ後見人、補助人側から、補助人の支援という観点から見ると、一定の裁量性を保有することによって柔軟な対応を保障していると。それが適切に動いていくかどうかというのは、しかし、新補助制度が施行された後にきちんとフォローアップで調査していく必要性があるだろうというふうに感じております。
以上でございます。
82安安達悠司(参政)
私は、今回二元論を取らなかったことで生じるリスクというのは、本当に必要な人に特定補助人が付されないというリスクではないかと思います。
つまり、特定補助人が付されないと、管理責任のない財産が残っちゃうんですね。誰の管理でもないような財産が、本当に重度の、あるいはもう遷延性意識障害とかの方で、誰が管理しているのかよく分からない財産が残ってしまうというような危険がないかということなんですね。
それだと、例えば、私も後見とかやっていると、結局、本当に誰も管理する人がいないのに特定の法律行為の代理権しか与えられないと、じゃ、これは、例えば預金、この預金は本人の…
この発言のページ
83上上山泰新潟大学法学部教授
御質問ありがとうございます。
委員の御懸念、私も法律家として共感するところがございます。
その上でのお答えということになりますが、今回、特定補助に類型を絞ってお答えさせていただきますが、特定補助人に定型的に与えられる権限として、御本人の財産の保存行為についての権限というものが付与されることになります。これは、代理権のみならず、一定の事実行為も含めて、極めて抽象的あるいは潜在的な形ではございますけれども、少なくとも、特定補助人は御本人の財産について一定関与し得る権限をまず与えられていると、これが一つ重要なポイントになるかと思います。
その上で、具体に…
この発言のページ
84安安達悠司(参政)
私も上山参考人と同じ問題意識なんですが、ただ、今回の法改正の問題は、まず裁判所が職権で権限付与できないことなんですね。裁判所が、これ、あれっ、権限必要じゃないのと思っても、補助人とか申立人が申立てしてくれないと裁判所の方からそれは職権で付けることができない。この点、上山参考人が元々構成して意見書で描いていた世界と違うわけですよね。それからまた、特定補助人を付けるかどうか、これも申立人の判断ですよね。裁判所で強制的に付けることはできませんよね。その場合、やっぱり権限がない事態というのは起きてしまう。
また、最後に、保存行為というのは一体どこまでできるのか…
この発言のページ
- (上の発言)
85上上山泰新潟大学法学部教授
お尋ねありがとうございます。
まず一つは、陳述の中でも少し触れたかもしれませんけれども、今回、新しい仕組みの中では、中核機関やその他支援者と家庭裁判所との間での情報共有を密にする、月一回の定期報告を通じて抽象的な形で家庭裁判所が情報をキャッチするのではなくて、必要に応じて家庭裁判所の方からも積極的に意見照会などを通じて御本人の状況の変化などをキャッチアップしていかなければいけないと。この意見照会というのは、何となく家庭裁判所からその関係者への一方通行に思えるわけですけれども、これはそうではなくて、双方通行の情報共有のチャネルを開いたという意味合いを持っていると私は思っています。ですから、このチャネルを積極的に活用するということがまずは法的な視点からは重要ではないかというふうに思います。
そして、委員最も御懸念の、保存行為についての責任の所在というものが極めて曖昧ではないかという御指摘です。
確かにそうした見方もできるのかなとは感じます。その一方で、現在の後見人もそうなんですけれども、法定代理人という職種には一定の裁量権限、代理権の行使あるいは財産の管理に伴って一定の裁量権限があるからこそ柔軟な対応がし得るという利点も一方では存在しているということになります。
これはもう個々の事案の最終的には状況に応じることになりますので、なかなか一刀両断にお答えすることは難しいのではございますけれども、ある種の批判的な見地から見れば曖昧さといったものが、むしろ後見人、補助人側から、補助人の支援という観点から見ると、一定の裁量性を保有することによって柔軟な対応を保障していると。それが適切に動いていくかどうかというのは、しかし、新補助制度が施行された後にきちんとフォローアップで調査していく必要性があるだろうというふうに感じております。
以上でございます。
86安安達悠司(参政)
あと、もう一度、もう一点だけ上山参考人にお伺いしたいんですけど、国際機関の障害者の権利条約が、意思決定の代行制度は廃止すべきだというふうな表現にも受け取れることを言っていると。しかし、ラストリゾートとして、やはり意思決定の代行制度というのは廃止しちゃいけないんだと、こういった考え方もございます。
もちろん、支援は必要ですと、支援はもう本当にやることは必要なんですけど、それを原則としつつも、本当の最後の手段としての意思決定の代行というのは残しておかないと本人保護に欠けるんじゃないかと思いますが、この辺りいかがでしょう。
この発言のページ
87上上山泰新潟大学法学部教授
御質問ありがとうございます。
今の点につきましては、私、委員と問題意識を共有するところでございます。私の個人的な見解といたしましては、少なくともラストリゾートという観点から一定の代行決定の余地を残しておくということは、判断能力不十分な方の支援に当たって必要である、そして、それは弱いパターナリズムによって一定の正当化はし得るものだと、こういうふうに考えております。
もう一点、委員、法律家でございますので法律的なお答えをいたしますと、代行決定というふうに言われているものと代理というものがどうやら完全に同じものというふうに受け止められる傾向があるわけですけ…
この発言のページ
88安安達悠司(参政)
今度はちょっと星野参考人にお尋ねしたいんですね。
先ほど牧山委員から親亡き後の問題というのがありまして、私もそういうふうな、同じような意向を持つ親の方の依頼を受けたこともあるんですけど、やっぱり親御さんは子供のことを心配するわけですよね。その子供にちゃんと後見人というか、財産管理する人が付くかどうかということもやっぱり心配する人もいます。
その中で、私も後見人やるときは、今まで、恐らく星野参考人もそうだと思いますが、今まで後見人になると、預金通帳から家の鍵から車の鍵、証券、権利書といろんなものを預かってまいりました。少なくとも財産、全財産が何があるか…
この発言のページ