近藤敦名城大学法学部教授

2026年5月21日・第221回国会 参議院 法務委員会 第10号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 21 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 96 発言)

アメリカ、カナダ、イギリスの就労ビザの申請の主体は実質的に雇用主であり、企業がこの人をこの職で雇いたいと国に認めてもらう雇用主のスポンサーシップを前提にしています。採用によって利益を受ける雇用主が手続を開始し、必要書類を整え、制度上の義務を負うのは、労働者への不当な責任転嫁を防ぐための制度と言われています。

例えば、アメリカのH―1Bビザの場合は、雇用主が基本申請料四百六十ドル、米国競争力・労働力改善費用七百五十ドル又は千五百ドル、不正防止費用五百ドル、弁護士費用二千から五千ドル、ビザ申請料二百五ドルといった、百万円前後の費用を雇用主が払います。そして、個人が払うビザ申請料は二百五ドル、三万二千円ほどです。

したがって、アメリカ、カナダ、イギリスの高額な就労関係費用を、日本の在留資格変更、更新等の本人手数料と単純比較するのは適切とは思いません。これらのスポンサー制度に伴う中核費用は雇用主負担とされるのが一般的であり、雇用主が負担する多額の費用も含めて日本に住む外国人の在留手続の手数料の引上げの根拠のエビデンスとすることは、制度の実態を誤らせる恐れがあります。

同種の手数料として比較する場合は、ドイツ、フランス、イタリア、韓国といった個人の申請料のみと比較すべきと思います。この四か国の手数料の平均は二万三千円です。諸外国における同種の手数料の額というのはこの額と思います。

以上です。

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