現在もめにもめている再審に係る刑訴法の改正、これについても法制審の委員の選定の仕方が大問題となっております。法務省は改正法の在り方をあらかじめ決めた上でそれに沿う委員を選任しているのではないかという疑念が生じており、結局のところ、結論ありきの法制審との批判を免れないものと考えています。
念のため申し上げますが、私は、法制審の議論自体を批判しているものではなく、その委員の選定方法を問題としているものです。
共同親権をめぐる法制審の部会の諮問についても、政治的な実態としては、国際結婚が破綻した際の主に日本人の母親による子の連れ去り問題、これが日本に対する国際的批判を招き、共同親権の導入を海外からも強く求められていたという経緯がありました。日本は、北朝鮮からの拉致被害者の救済を求めるが、親権者からの子の拉致、誘拐を解決しようとしないという批判でございます。
ですから、共同親権の導入を目指す方向でスタートするはずでしたが、家族法制部会の委員には、共同親権に強硬に反対する方が五名選ばれました。これに対し、共同親権に前向きな方は三名、うち原則共同親権を主張する方はたったの一名、それ以外は比較的中立な方々という状況でした。
そこで、原則共同親権とすべきと考える者たちが、すなわち子供に対する虐待のおそれがあるなど例外的な場合を除き原則共同親権とすることが子の福祉、子の幸せにとって最重要であると考える有志は、法務省の意図が共同親権を導入しましたよというポーズをつくってお茶を濁すことにあると、これでは子の幸せにつながらないんだという危機感を持って、民間法制審という異例の組織を立ち上げ、欧米諸国の専門家の多数の意見も聞くなどして、法制審の答申が出る前に意見表明をしました。
その後、予想どおり、法制審では議論が紛糾して結論が出ず、両論併記の答申となり、結局、法務省案は、共同親権の要である共同養育の重要性、子との交流の重要性という重要な視点を欠いた、著しく欠いた、言わば骨抜きの共同親権案となり、ほぼそのまま成立しました。
今後も法制審で議論してもらわないといけない重要な議題はたくさんあると思います。そういう中で、法制審が出した結論であれば尊重しよう、もちろんその結果を絶対視するわけではないですが、少なくともその結論をベースにして国会でも議論していきましょうというふうになるためには、やはり委員の選定も十分納得感のあるものにしていただく必要があるというふうに考えています。先ほど申し上げたような疑念が生じないような、これ、それまで委員の方が述べてこられたこと、あるいは論文、文献などを検討すれば、どのような立場の方かはこれ一般的に見当できますので、そういった疑念が生じないような委員の選定を今後していただいて、法務省の行政に対する信頼を損なわないように是非ともしていただきたいというふうに考えています。
付け加えますと、私の実務経験で申し上げますと、親権争いが極めて不毛で、費用も掛かるというふうに考えてまいりました。他方で、安達委員が先ほどおっしゃった、親子交流の問題と親権が誰にあるかという問題は理論的に別であると、これはそのとおりであります。そのとおりでありますが、これまで、親権を持った方は、親権を持っていない方と子供との交流を阻害してきたという実情があります。なので、ここで共同親権をどうしても原則にするべきだというのは、まさに親子交流の重要性を裁判所が全く認識してこなかったと、この実務の実態があるからでございます。
裁判所のマインドチェンジを、先ほども御質問ありましたが、是非ともしていただいて、裁判官が自分の視点ではなくて、子の視点に立って本当に実務が運営できるような、そういった方策を是非講じていただきたいというふうに考えています。
以上です。
125馬馬渡直史最高裁判所事務総局家庭局長
まず、司法統計としてどのような数値を取得するかにつきましては、その時点における実務のありようを適切に把握するという観点や法改正の動向のほか、事務処理上の負担等も踏まえて検討されているところでございます。
その上で、今後、御指摘のような統計を取得するかどうかにつきましては、何をもって親権に関する争いがあるとするかを一義的に定義することは困難であって、数値を取得することが難しい上、そもそも終局した事件の動向とは別に、争いの有無についての統計を取得することに大きな有用性があると言えるかという問題もございまして、慎重に検討する必要があるというふうに考えていると…
この発言のページ
126
北村晴男(保守)
これ、統計取ることは難しいとおっしゃったけど、別にそんな難しいはずはないので、スタート時点で親権に争いがあった事件ということで統計取っていただければ全然話が簡単だというふうに考えています。
さて、その上で、子の幸せ、双方の親、親戚にとっての幸せ、これを第一に考えて制度設計をしていただきたいと考えますが、裁判所の事務負担の軽減策についても講じていただきたいというふうに考えています。
この度施行された民法改正に向けて法制審議会家族法部会での議論が行われましたが、それについて質問ですが、一般論として、諮問事項を調査審議するために置かれる法制審の委員を選任す…
この発言のページ
127内内野宗揮法務省大臣官房司法法制部長
お答え申し上げます。
部会の委員等の人選は各諮問等の内容に応じて設けられる部会ごとに行われるものでありまして、また、具体の人選の在り方について、一般的に定めたものがあるわけでもないため、具体的な委員等の人選過程の方法等につきまして一般論として一概にお答えすることは困難でございます。
その上で、あくまで一般論として申し上げますと、法制審議会の調査審議に当たりましては、法律専門的な調査検討を行うとともに、国民各層の意見を適切に反映する必要がございます。
このような観点から、委員の任命に当たっては、各諮問の内容にも照らし、幅広い意見を述べていただくために…
この発言のページ
- (上の発言)
128
北村晴男(保守)
現在もめにもめている再審に係る刑訴法の改正、これについても法制審の委員の選定の仕方が大問題となっております。法務省は改正法の在り方をあらかじめ決めた上でそれに沿う委員を選任しているのではないかという疑念が生じており、結局のところ、結論ありきの法制審との批判を免れないものと考えています。
念のため申し上げますが、私は、法制審の議論自体を批判しているものではなく、その委員の選定方法を問題としているものです。
共同親権をめぐる法制審の部会の諮問についても、政治的な実態としては、国際結婚が破綻した際の主に日本人の母親による子の連れ去り問題、これが日本に対する国際的批判を招き、共同親権の導入を海外からも強く求められていたという経緯がありました。日本は、北朝鮮からの拉致被害者の救済を求めるが、親権者からの子の拉致、誘拐を解決しようとしないという批判でございます。
ですから、共同親権の導入を目指す方向でスタートするはずでしたが、家族法制部会の委員には、共同親権に強硬に反対する方が五名選ばれました。これに対し、共同親権に前向きな方は三名、うち原則共同親権を主張する方はたったの一名、それ以外は比較的中立な方々という状況でした。
そこで、原則共同親権とすべきと考える者たちが、すなわち子供に対する虐待のおそれがあるなど例外的な場合を除き原則共同親権とすることが子の福祉、子の幸せにとって最重要であると考える有志は、法務省の意図が共同親権を導入しましたよというポーズをつくってお茶を濁すことにあると、これでは子の幸せにつながらないんだという危機感を持って、民間法制審という異例の組織を立ち上げ、欧米諸国の専門家の多数の意見も聞くなどして、法制審の答申が出る前に意見表明をしました。
その後、予想どおり、法制審では議論が紛糾して結論が出ず、両論併記の答申となり、結局、法務省案は、共同親権の要である共同養育の重要性、子との交流の重要性という重要な視点を欠いた、著しく欠いた、言わば骨抜きの共同親権案となり、ほぼそのまま成立しました。
今後も法制審で議論してもらわないといけない重要な議題はたくさんあると思います。そういう中で、法制審が出した結論であれば尊重しよう、もちろんその結果を絶対視するわけではないですが、少なくともその結論をベースにして国会でも議論していきましょうというふうになるためには、やはり委員の選定も十分納得感のあるものにしていただく必要があるというふうに考えています。先ほど申し上げたような疑念が生じないような、これ、それまで委員の方が述べてこられたこと、あるいは論文、文献などを検討すれば、どのような立場の方かはこれ一般的に見当できますので、そういった疑念が生じないような委員の選定を今後していただいて、法務省の行政に対する信頼を損なわないように是非ともしていただきたいというふうに考えています。
付け加えますと、私の実務経験で申し上げますと、親権争いが極めて不毛で、費用も掛かるというふうに考えてまいりました。他方で、安達委員が先ほどおっしゃった、親子交流の問題と親権が誰にあるかという問題は理論的に別であると、これはそのとおりであります。そのとおりでありますが、これまで、親権を持った方は、親権を持っていない方と子供との交流を阻害してきたという実情があります。なので、ここで共同親権をどうしても原則にするべきだというのは、まさに親子交流の重要性を裁判所が全く認識してこなかったと、この実務の実態があるからでございます。
裁判所のマインドチェンジを、先ほども御質問ありましたが、是非ともしていただいて、裁判官が自分の視点ではなくて、子の視点に立って本当に実務が運営できるような、そういった方策を是非講じていただきたいというふうに考えています。
以上です。
129
伊藤孝江(公明)
他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
これより討論に入ります。
御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
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130
仁比聡平(共産)
日本共産党の仁比聡平です。
私は、会派を代表して、裁判所職員定員法改定案に反対の討論を行います。
本法案は、行政府省が新規事業などを理由に増員される一方で、裁判官以外の定員を百二十六人も減員するものです。裁判所職員に過大な負担を強い、司法の機能後退を招くものであり、反対いたします。
離婚後共同親権制度が四月一日に施行されました。全司法労働組合からは、制度導入に当たり、各家庭裁判所に調査官一、二名、全体で少なくとも百名規模の増員が求められてきましたが、本法案では僅か十人の増員しかありません。改正法施行を前後し、家庭裁判所の現場からは、相談や問合せに困…
この発言のページ
131
伊藤孝江(公明)
他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
これより採決に入ります。
裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
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