ありがとうございます。
本法案、今の憲法のこれまで積み重ねられてきた判例等を基に考えますと、やはり多くの憲法学者、私が知る限り現役で大学で教えている憲法学者の多くはもう、多くはというか、私が知る限りはほぼ全員、私が知っている人は全員ですけれども、違憲だというふうに考えておりまして、逆にこれが合憲ということになりますと、それでは我々が考えてきた、我々が授業で教えているような憲法とは全く異なる憲法を教えなければいけないわけですね。こんなに立法事実が曖昧で、構成要件も曖昧で、立法保護法益も曖昧なものでも表現の自由を規制してもいいんですよということで授業で教えなきゃいけないわけです、仮にこの法案が合憲だというふうに判断されたら。そういう意味では、まさに憲法の教える内容が一〇〇%変わってしまいますので、その意味で憲法改正と同じ意味があったということがあります。
確かに、この国旗というのは、みんな大切に思っている人が多いものです。ですので、この法案だけを見れば何で反対するんだということはあるのかもしれないんですけれども、まさにこの誰も反対ができなさそうなものが作られて、それがまず初めの出発点、アリの一穴となって、次から次へと、じゃ、これは尊重しなければならないんじゃないか、これも、これはどうなんだということで、どんどんどんどん広がっていく、その最初の契機になる。それらを次に規制をしようというのを歯止めを掛けようとしましても、まさにこれ、これだけの立法事実で、これだけの保護法益で、これだけの曖昧な法律でも立法ができているんだから、この新しい法律も当然合憲でしょうという議論になっていくわけです。
そういう意味で、これまでの憲法法理が解体されるということで申し上げさせていただきました。
83木木下昌彦神戸大学大学院法学研究科教授
ありがとうございます。
私もそのとおりだと思いまして、特に表現の自由とか国旗を、それとの関係どうするのかというのは、まさに古い言葉ですけど、国体の問題であると思うんですよね、国の形がどうあるべきかという。ドイツとかフランスとかイタリアというのは、国旗というのを民主主義とか共和制との関係で結び付けてきて、その憲法秩序の中で国旗損壊罪が存在する。
日本の場合は、御指摘されましたようにそのような伝統はございませんので、特に国旗については、国旗・国歌法ありますけれども、何を象徴しているのかということが定かではなくて、かつてこれが国旗だということで定められたと…
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84橋橋本基弘中央大学法学部教授
先ほどの繰り返しになりますけれども、例えばドイツの場合、ドイツ国旗の損壊行為、これはまさにナチズムへの復活を招く表現というふうな意味を持つわけですね。したがって、ドイツにおける国旗損壊罪、これはまさに反ナチズムというような思想を体現しているわけです。せっかく独裁体制やファシズムを倒してつくり上げた共和国を保っていこう、そこの切実な法益というのがあるわけですね。そういう歴史、文脈、そういったものがあって初めて国旗損壊罪といったものが犯罪になっているわけですね。
これは、外国にあるからだということで日本にもという議論に欠けていることでありますけれども、でも…
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85
大門実紀史(共産)
木下先生に伺います。
この法案については既に衆参の質疑がございまして、今日もありましたけど、罪刑法定主義、明確性の原則に反するとか、立法事実がないとか、あるいは表現の自由、内心の自由、制約、侵害するおそれがある、つまり憲法三十一条、二十一条、十九条に抵触するということが指摘されて、野党からも指摘されて、ところが提案者の方の答弁がずっと曖昧の繰り返しで、何か全然深まらないんですけれども、今日、木下先生のレジュメの最後に御紹介していただきました、この法案が合憲となれば従来の憲法法理がほぼ解体するというのが大変ぴたっと分かった気がしたんですけれども。
とい…
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- (上の発言)
86木木下昌彦神戸大学大学院法学研究科教授
ありがとうございます。
本法案、今の憲法のこれまで積み重ねられてきた判例等を基に考えますと、やはり多くの憲法学者、私が知る限り現役で大学で教えている憲法学者の多くはもう、多くはというか、私が知る限りはほぼ全員、私が知っている人は全員ですけれども、違憲だというふうに考えておりまして、逆にこれが合憲ということになりますと、それでは我々が考えてきた、我々が授業で教えているような憲法とは全く異なる憲法を教えなければいけないわけですね。こんなに立法事実が曖昧で、構成要件も曖昧で、立法保護法益も曖昧なものでも表現の自由を規制してもいいんですよということで授業で教えなきゃいけないわけです、仮にこの法案が合憲だというふうに判断されたら。そういう意味では、まさに憲法の教える内容が一〇〇%変わってしまいますので、その意味で憲法改正と同じ意味があったということがあります。
確かに、この国旗というのは、みんな大切に思っている人が多いものです。ですので、この法案だけを見れば何で反対するんだということはあるのかもしれないんですけれども、まさにこの誰も反対ができなさそうなものが作られて、それがまず初めの出発点、アリの一穴となって、次から次へと、じゃ、これは尊重しなければならないんじゃないか、これも、これはどうなんだということで、どんどんどんどん広がっていく、その最初の契機になる。それらを次に規制をしようというのを歯止めを掛けようとしましても、まさにこれ、これだけの立法事実で、これだけの保護法益で、これだけの曖昧な法律でも立法ができているんだから、この新しい法律も当然合憲でしょうという議論になっていくわけです。
そういう意味で、これまでの憲法法理が解体されるということで申し上げさせていただきました。
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大門実紀史(共産)
終わります。ありがとうございました。
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伊勢崎賢治(れいわ)
どうも。
今日は、皆さん、子供、子供の観点から議論をしたいと思います。
まずは、法学が御専門のお二人、木下参考人と橋本参考人にお願いいたします。
我が国は子どもの権利条約を批准しております。これ、一九九四年でして、これ世界全体で見ると百五十八番目、大変遅れたんですが、僕もこの批准の運動に関わったんですけど、当時ですね。当時、幾つかの条項に解釈宣言をしたものの、この条約の第十三条に重要なこと書いてあるんですね。表現の自由及び、その次の十四条に思想と良心、コンシエンスですね、それ及び宗教の自由については、いかなる留保も解釈宣言も行うことなく全面的に日本…
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89木木下昌彦神戸大学大学院法学研究科教授
ありがとうございます。
当然、本法案は国民が持つ表現の自由に対する制限ということになると考えておりますので、当然、子供にとっても表現の自由に対する、子供が持つ表現の自由に対する制限になるというふうに考えております。
また、ちょっと直接御質問にお答えになっているかどうか分からないんですけれども、教育上の観点から申しますと、やはり民主主義の中での国民、市民になるという教育が重要なんだと思うんですけれども、やはり社会に生きておりますと必ず不快なものというのはあります、それぞれ各人が。その不快なものもあって、それで不快だからといって多数派が不快なものをどんど…
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