伊勢崎賢治 (れいわ新選組)

2026年7月9日・第221回国会 参議院 内閣委員会 第18号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 229 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 242 発言)

今日は、時間の関係から、事前通告した質問一と二を合体させていただきます。済みませんね。同じこれ提案者に向けたものですから、合体しますね。

今、山添議員から言われたこの二つの保護法益、国家と個人の感情ですね、これが連動するから怖いんです。それが世界の事例なんですね。

続いて、世界の事例をちょっと、事例というのは、つまり、国旗損壊を特別視して厳罰に処すべきだというその意思が、意思が、凄惨なリンチや、個人レベルの、コミュニティーレベルの集団暴力を誘発する引き金となる、これの歴史であります。

現在、川口市、埼玉県の川口市周辺におけるクルド人問題ですね、刑法に国旗損壊罪がある本国のトルコでは、二〇〇五年にメルシン国旗事件と呼ばれるものが発生しまして、これはどういうものかというと、クルド人の子供が国旗を汚損したという報道を機に、一般市民が愛国的な自警行為と称してクルド人住民への凄惨な暴力、集団暴力をエスカレートさせた事件であります。実は、現在、川口市周辺に暮らすクルド人コミュニティーの多くは、まさにこの前後、この事件の前後の迫害から逃れるために日本へ逃れてきたという背景があります。

また、高市政権が、高市総理がきょうだいと呼び合うモディ政権、インドのですね、これ、インドは僕の研究者としてのフィールドですけれども、インドにも国旗損壊罪が存在いたします。モディ政権の後ろ盾はヒンドゥー至上主義勢力であります。ここでも、二〇〇二年にこのモディ政権が全国的な国旗キャンペーン、全ての家に国旗をという、こういうキャンペーンの最中に、南部のコラールというところで、これコラール国旗デマ襲撃事件というんですけれども、何とイスラム教徒の肉屋さんが国旗で肉を包んで客に渡したという偽の写真がSNSで拡散されました。これ、実際には、後で分かったんですけれども、単なる緑色の包装紙だったにもかかわらず、激高した数百人のヒンドゥー教徒が店に押し寄せ、凄惨なリンチを繰り広げました。

国家が国旗損壊を犯罪化することは、大衆に対しては危険な興奮剤を与え、リンチが愛国ゆえの法の正義にすり替わるリスク、これは歴史で実証されております。このリスクは、現代の安全保障における認知戦において更に最悪の形で顕在化すると思います。

特に懸念されるのが、敵対勢力、どことは申しません、敵対勢力が標的国内、我が国の分断をあおる偽旗作戦ですね。例えば、生成AIやディープフェイクを用いて、日本在住の特定グループが国旗を汚損する偽動画がSNSで拡散されたとします。デマによる混乱は、このような法案の、今議論している法案の有無にかかわらず起き得ます、はい、起き得ます。でも、こういう法案はこの混乱を劇的に悪化させると僕は思います。

こういう仕組みです。まず、国旗損壊を犯罪と定めることで、暴走する大衆に我々は国家の犯罪者を、国家の犯罪者を成敗しているのだというリンチへの強力な法的若しくは道徳的な免罪符を与えてしまう。次に、これが非親告罪であるため、偽動画であっても警察は捜査に動かざるを得ないですね。その警察の動き自体が、やはり犯人だったとデマを補強する燃料となり、更なる暴力を誘発する、こういう仕組みです。

つまり、この法律は、偽動画を一本流せば、日本の警察を強制的に動かし、自警団の暴力を国家公認の正義として合法的に誘発できるという、工作作戦にとってこれ以上ない、何といいますか、アタックサーフェスといいますが、付け入る隙であります、を我が国自ら提供することになりませんか。この法案が外国からの分断工作に悪用され、国内の治安を大混乱に陥れるトリガーになり得る、こういう安全保障上のリスク、提案者はこのリスクをどう考えていらっしゃいますか。どうぞ。

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