下斗米伸夫神奈川大学特別招聘教授/法政大学名誉教授

2026年5月27日・第221回国会 参議院 国際問題に関する調査会 第4号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 54 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 69 発言)

私よりも更に適切な回答をされる方がここにおられますけれども、私の個人の卑見を述べさせていただきたいと思いますが。

私の理解では、やはり安倍政権が行ったシンガポールでの交渉を含めて、あれは私の理解では中断している問題だと思います。二〇一九年、皆さん御案内のとおりだと思いますが、安倍首相時代に大胆な手をシンガポールで打って、それに対してどう反応すべきかということでもめ始めたわけですが、そこで結局何らかのことが起きてプーチン大統領はこの回答を控えたと、ブエノスアイレスの会議のことでございますが、そこで私は事実上凍結したというふうに見ております。だから、手打ちがもう既に行われたのか、日本は主権国家でないのではないか云々という話は、議論としてはあり得ますけれども、それぞれの首相のお考え、あるいは世論の動向が関係しているかと思いますが、依然として一九五六年の問題は続いていると。

私の理解は、北方領土というのは、一九五四年、五五年に当時の外務省の中で考えられた普通名詞なんですね。北方領土という固有名詞はないんです。ですから、島は四つあるわけですが、これ大変面白いんですが、実はウクライナというのもこれ普通名詞なんです。十一世紀にウクライナという言葉が時々実は出てきて、デンマークはウクライナだという、あるいはモスクワ郊外のリャザンという町もウクライナという、そういう使い方があったというふうに言われております。

クライというのは、ハバロフスク・クライ、それから極東クライ、あるいは、何とユーゴスラビアにはクライナ地方という正教の地域があります。ですから、クライというのは普通名詞。ウクライナというのはだからその延長で、国とかくねとか、日本でも国のことをくねって、垣根とかそういう言葉で言います。だから、元々普通名詞。

ですから、こういう問題、どこでも同時に、それがプライドに関わったり、それを解決すべき問題があるかどうか、ほかに解決すべき問題があったときにそれが解決されるわけですし、それがこれから非常に流動化する今後の世界でいつチャンスが来るか、これは分かりません。ウクライナだって、線は引くけれども国境線になるかどうかは分からないし、アラスカで仮にフィンランド方式で決めても、三十八度線はもう既に何十年とわたってずっと停戦ラインであって国境線ではないわけですから、今逆に北側から国境線をつくれと言うかもしれない。そうすると、世の中の考え方が更に変わって、どこか動きが出てくるかもしれない。チャンスはどこにあるかは、ええ。

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