私は一九九〇年代の半ばにアトランタで総領事していまして、あれは南北戦争でいいますと南部なんですね。そうすると、南部の人は南北戦争のことをまだ覚えているんですよ。北部の人は忘れているんですね。もう百年以上たっていました、南北戦争から。南部の人が覚えていて、感情的になって反発するというような、何度か経験いたしましたが、やっぱり戦争における加害者と被害者の関係はどうしてもそうなって、被害者の方は百年たってもまだ覚えていると。すなわち、教育だけではなくて、中国社会の中に、社会の記憶としてあの歴史問題が残っているというのを我々は自覚しておく必要があるというふうに思います。
何ゆえに九四年、あの頃その江沢民さんが愛国主義教育を強めたかというと、私の聞いている話は、一九八九年の天安門事件、あれで若者が共産党反対を言い出したんですよ。それにトウ小平さんがびっくりして、これだけ祖国のために尽くしている我々を若者が批判するとは何事だと、教育がなってないんじゃないかと、これが愛国主義教育の始まりだったと。実施したのは江沢民さんですが、トウ小平さんが天安門事件を振り返って、若者教育をしろということで始まったのが出発点だというふうに聞いております。
その結果、その歴史教育をしますと、もう反日の材料の方が多くなってしまうわけです。もちろん、アヘン戦争からやっていますし、一応そういうところも入っているんですが、数からすると圧倒的に日本が多くなってしまうということで、反日感情がどうしても厳しいものになってくるということです。
先ほど申し上げましたように、直接交流によって変わってくると。だから、今どういう構図になっているのか私なりに大胆に予測しますと、外国人と会ったこともない、外国に行ったこともない、そういう多数の中国の人が内陸部を中心に私は七割ぐらいいるんじゃないかと思うんです。で、沿海部を中心に、海外に行ったことがある、外国人と接触したことがあると、こういう中国の人がいると思うんです。この人たちは反日教育云々と関係なく、実際に日本で知っていますし、これは、だから、もう少し開明的というか、バランスの取れた対日観をしてくれているんじゃないだろうかと思います。
しかし、七割はそういうのはありませんから、党とか、要するに外交はもう完全に党が牛耳っていますので、党のラインの宣伝が行くんですね。それを比較してそうじゃないという材料を持たないんですね。言われたものを、ああ、なるほど、そうかということで、日本に対する感情というものが、もしそういう形で宣伝のラインを日本に厳しいものにしていけば、国民もそういうふうになるということなんですね。
ですから、今、ウイチャット、これちょっと聞いた話で、こういう場で御説明するのが適当かどうか分かりませんが、ある中国の若いカップルの、というか、若い御両親のところの子供が小学生になる。で、もう両親は日本に非常に好感を持っておられるんですね。だから、家庭の中では日本に対する悪口なんか全くないわけです。そしたら、五年生ですかね、何かそれぐらいのときになったら、途端に反日的なことを言い出したと。それはお母さん心配になって、学校の教科書を全部見てみたと言う。前と変わってないと言うんですね、変わってないと。スマートフォンを与えた。スマートフォンで、中のあれ、そこが反日で満ちあふれているんですね。
ですから、今はその教育もありますけれども、より大きいのはネット空間、ここでの反日が更に強いというふうに思っております。
42大大津力(参政)
参政党の大津力と申します。
両参考人の皆様、どうもありがとうございました。
私からは、まずは和田参考人に、日ロの関係についてちょっとお尋ねしたいと思います。
まず、平和の維持に関しましてはやはり外交と防衛、これが両方大事だと思っておりますけれども、その上で、今回は外交という意味で、日ロの関係でいいますと北方領土の問題があると思います。まあ鈴木会長の方が詳しいかもしれませんけれども。この北方領土に関しまして、日ロ平和条約というのができればというところもありますけれども、その前に、現在は、今、ロシア・ウクライナ戦争によりまして、日本がウクライナの支援と…
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43和和田春樹東京大学名誉教授
ウクライナ戦争は、本当にもう長い時間が過ぎまして、ここで今止まらないと十年は続くことになる、そういう気配じゃないかと思われます。ですから、これを止めなきゃならないというふうに思います。
それで、これが止まれば、もちろん日本とロシアの関係もまた開けてくるということになるかもしれませんが、しかし、これを止めるためにも、むしろ日本がロシアに働きかけて、この戦争を止めるように、終わらせるように助けるということが重要じゃないかと私は思います。
ですから、日本はウクライナを応援しているといっても、もちろん軍事的な形ではありませんけど、しかし、この地方からウクライ…
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44大大津力(参政)
ありがとうございます。
ちょっと時間がありませんので、じゃ、次に宮本参考人にお伺いいたします。
今度は、中国、日中関係に関しまして、愛国教育ということで、いわゆる反日教育みたいなことが、中国では一九九四年以降、主に江沢民さんの頃から進められておりまして、現在の習近平になりましたら更に強化されているというところでございまして、一九九四年から大体もう三十年たつということは、大分そういった教育を受けた方がいろんな社会の中枢になってくる年代だと思っておりまして、実際のまず反日教育と言われている状況、中国といっても広いですから、都市部では行われているけど地方で…
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- (上の発言)
45宮宮本雄二元駐中国特命全権大使/公益財団法人日中友好会館会長
私は一九九〇年代の半ばにアトランタで総領事していまして、あれは南北戦争でいいますと南部なんですね。そうすると、南部の人は南北戦争のことをまだ覚えているんですよ。北部の人は忘れているんですね。もう百年以上たっていました、南北戦争から。南部の人が覚えていて、感情的になって反発するというような、何度か経験いたしましたが、やっぱり戦争における加害者と被害者の関係はどうしてもそうなって、被害者の方は百年たってもまだ覚えていると。すなわち、教育だけではなくて、中国社会の中に、社会の記憶としてあの歴史問題が残っているというのを我々は自覚しておく必要があるというふうに思います。
何ゆえに九四年、あの頃その江沢民さんが愛国主義教育を強めたかというと、私の聞いている話は、一九八九年の天安門事件、あれで若者が共産党反対を言い出したんですよ。それにトウ小平さんがびっくりして、これだけ祖国のために尽くしている我々を若者が批判するとは何事だと、教育がなってないんじゃないかと、これが愛国主義教育の始まりだったと。実施したのは江沢民さんですが、トウ小平さんが天安門事件を振り返って、若者教育をしろということで始まったのが出発点だというふうに聞いております。
その結果、その歴史教育をしますと、もう反日の材料の方が多くなってしまうわけです。もちろん、アヘン戦争からやっていますし、一応そういうところも入っているんですが、数からすると圧倒的に日本が多くなってしまうということで、反日感情がどうしても厳しいものになってくるということです。
先ほど申し上げましたように、直接交流によって変わってくると。だから、今どういう構図になっているのか私なりに大胆に予測しますと、外国人と会ったこともない、外国に行ったこともない、そういう多数の中国の人が内陸部を中心に私は七割ぐらいいるんじゃないかと思うんです。で、沿海部を中心に、海外に行ったことがある、外国人と接触したことがあると、こういう中国の人がいると思うんです。この人たちは反日教育云々と関係なく、実際に日本で知っていますし、これは、だから、もう少し開明的というか、バランスの取れた対日観をしてくれているんじゃないだろうかと思います。
しかし、七割はそういうのはありませんから、党とか、要するに外交はもう完全に党が牛耳っていますので、党のラインの宣伝が行くんですね。それを比較してそうじゃないという材料を持たないんですね。言われたものを、ああ、なるほど、そうかということで、日本に対する感情というものが、もしそういう形で宣伝のラインを日本に厳しいものにしていけば、国民もそういうふうになるということなんですね。
ですから、今、ウイチャット、これちょっと聞いた話で、こういう場で御説明するのが適当かどうか分かりませんが、ある中国の若いカップルの、というか、若い御両親のところの子供が小学生になる。で、もう両親は日本に非常に好感を持っておられるんですね。だから、家庭の中では日本に対する悪口なんか全くないわけです。そしたら、五年生ですかね、何かそれぐらいのときになったら、途端に反日的なことを言い出したと。それはお母さん心配になって、学校の教科書を全部見てみたと言う。前と変わってないと言うんですね、変わってないと。スマートフォンを与えた。スマートフォンで、中のあれ、そこが反日で満ちあふれているんですね。
ですから、今はその教育もありますけれども、より大きいのはネット空間、ここでの反日が更に強いというふうに思っております。
46大大津力(参政)
どうもありがとうございました。
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47
鈴木宗男(自民)
伊勢崎賢治君。
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伊勢崎賢治(れいわ)
じゃ、まず、宮本大使から。
どうも初めまして、伊勢崎です。外大でずっと教鞭執っていまして、今ここにおりますけれども、どうも済みません。先ほど安全保障専門家って言われたんで、ぎくっとしまして、一応それが専門なんですけど、済みません。
お話に出てきた共通の理解、日中のですね、国際法上の概念、これもまた僕の専門なんですけど、コンドミニアムという概念がありまして、これは、特定の領域、例えば係争地ですよね、領海でも同じですけれども、これに対して、この領有権を分かつのではなくて、複数の国家が対等な立場で統治権を共同行使するという共同統治ですね。若しくは共同開発、…
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