和田春樹東京大学名誉教授

2026年5月13日・第221回国会 参議院 国際問題に関する調査会 第3号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 43 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 69 発言)

ウクライナ戦争は、本当にもう長い時間が過ぎまして、ここで今止まらないと十年は続くことになる、そういう気配じゃないかと思われます。ですから、これを止めなきゃならないというふうに思います。

それで、これが止まれば、もちろん日本とロシアの関係もまた開けてくるということになるかもしれませんが、しかし、これを止めるためにも、むしろ日本がロシアに働きかけて、この戦争を止めるように、終わらせるように助けるということが重要じゃないかと私は思います。

ですから、日本はウクライナを応援しているといっても、もちろん軍事的な形ではありませんけど、しかし、この地方からウクライナを応援するというような姿勢を日本が取っている限り、やはりウクライナとしては頑張り続けなきゃならぬということになりますので、完全にこの今の戦争は行き詰まってしまっていますから、このまま続けば、ロシア人、ウクライナ人がどんどん死んでしまうということになってしまうのです。ですから、その意味で、むしろ日本はロシアとの関係を改善しなきゃならないわけですから、むしろロシアが戦争を止められるように日本が働きかけていくということが、むしろ将来的に見て、日本とロシアの関係を良くするのに役立つだろうと思います。

日本は、とにかくロシアと近代において四回重要な戦争をしておりますから、もうロシアと戦争することはあってはならないわけでして、ですから、その意味で、ロシアが日本の領土を自分のものにしているのがけしからぬと、その領土を返せというふうに言い続けるということに私は非常に不安を感じるわけですが、今の状況ではもうロシアが返すような状況ではありませんから、その上で、先ほどの私の話の中でも述べましたような、憲法改正の問題になってきて自衛隊の位置が変わりますと、やっぱり余計心配すると。つまり、日本はそんなつもりは全然なくても、ロシアの方では、日本は領土を返せと言っている、それは最終的には軍事的なそういう方策も講じるつもりではないかというふうに感じるということになりかねない、そういう問題だと思います。

総じて、ロシアが日露戦争で負けたということは、ロシア人の中に非常に大きな精神的な傷を残しておりまして、そのことがロシア、ソ連の歴史に大きな影響を与えたということを、最近ますます私は痛感しております。ですから、その意味でいうと、日本とロシアの戦争の歴史を断つという意味でいうと、領土問題の考え方をちょっと変える必要があるんではないかと私は思っております。

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