和田春樹東京大学名誉教授

2026年5月13日・第221回国会 参議院 国際問題に関する調査会 第3号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 15 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 69 発言)

この地域では、ASEANのことを申しましたが、ASEANが中心になりまして、ASEANプラス3というものが提案されました。それは、中国、韓国、日本でございます。金大中さんも関わった構想ですが、これによって東アジア共同体をつくるという考え方が広まりまして、小泉首相も国会で東アジア共同体を目指していくということを述べられたことがありました。しかし、その東アジア共同体というものにアメリカを入れるかどうかということになって、アメリカは自分を入れろと言い出してきましたので、中国は猛然とこれに反発しました。それで、日本としてはどうしたらいいか分からない状況になって、間に立って日本は非常に困ったわけでございますけど。それで、結局、東アジア共同体は流れてしまいました。

東北アジアという結び付きを考えた場合に、これは六者協議があったものですから、アメリカが入らないで東アジアの、東北アジアの安全保障を考えることができない状態ですから、当然ながら。ですから、東北アジアということを考えれば、アメリカが必ず入らなきゃならぬ。

問題は中国がそれを認めるかどうかですけど、しかし、中国も六者協議で、アメリカを入れて六者協議をやったのですから、もう経験があります。中国が推進して最後、六者協議を進めていきましたから、だからアメリカも入れてこの地域の安全保障を考えるという枠組みがそこにあると。東北アジアという枠を設定することによって、アメリカ、ロシア、中国、みんな入った、そして日本、韓国、北朝鮮も入ったそういう枠組みが、検討し得る土台がありますので、これを生かしていくと。この土台をそもそも提案したのは日本なのですから、日朝平壌宣言でそれを提案しておるわけですから、事実上。ですから、日本がこのことを中心になって進めていくという、そういう気持ちにならないとこれはできないんじゃないかと思われます。

日本がそれを進めていくのには、まず日朝国交正常化を何とかして実現して、北朝鮮が非常に孤立した状態で、現在はロシアと一緒になっていますからほっとしているというようなことになっていますけど、非常に北朝鮮の孤立、緊張が続いていますので、ここをとにかく緩めていって、六か国が集まれるような土台をつくっていくということが必要じゃないかと思われます。

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